火星少年ボリスカの予言は今…? ポールシフトからの気候大変動を警告する「未来人」としての使命

文=遠野そら

    かつて11歳のロシア少年が発した予言が世界を揺るがせた。それというのも、彼が「火星の記憶」を持っていたからだ。あれから17年。予言と少年の行く末は?

    「前世は火星人」という記憶

     生まれ変わり現象――前世の記憶を持ったまま生まれてくる現象である。時に幼い子供が、体験者にしか分からないはずの細かい情報や、自分が死んだ時の状況を話すなど、まさに生まれ変わりとしか考えられない不可思議な事例は世界各地に存在しているが、なかには異なる惑星へ転生する者もいるようだ。

    「僕はその昔、火星で暮らしていたんだ」

     そう言って周囲を驚かせたのは、ロシア・ヴォルゴグラード出身のボリス・キプリヤノビッチ、通称ボリスカ君である。1996年生まれの当時若干11歳だった少年が、火星での暮らしや古代地球の様子、さらにはUFOの構造や、今後地球に起こり得る出来事などを話し出し、世界中で大きな注目を集めたことから覚えている方も多いのではないだろうか。

    火星で暮らしていた記憶のある少年ボリス・キプリヤノビッチ君。撮影当時、彼は若干11歳だった。https://www.thesun.co.uk/news/16693385/mars-boy-reborn-earth-predictions-future-of-humanity/

     ボリスカの名が広く知られるようになったのはわずか7歳の時。ロシアのゲンナディ・ベリモフ教授が地元『プラウダ』紙に寄稿した「火星人だった記憶を持つ少年ーーインディゴ・チルドレン」という記事がきっかけであった。今でこそ徐々に地表の映像が明らかになっているものの、1992年当時の火星といえば、まだまだ謎多き惑星であった。そこでボリスカの火星にまつわる話や、科学者にも引けを取らない知識はたちまち国中の注目を集め、幼くして一躍時の人となったのだ。

     それからというものボリスカは研究対象として数々の実験に参加。その結果、彼の話には付け焼き刃ではない深い知識が必要であること、そして話の全てに辻褄があっていたことなどが結論づけられた。さらにロシア地磁気、電離層、電波研究所が彼のオーラを研究したところ、普通の人間よりもかなり強いオレンジ色のスペクトログラムが測定された事を発表している。

     もちろんこれはボリスカの地球転生を裏付けるものではないが、明らかに普通の子供ではない。ではボリスカは一体何者なのか。まずは簡単に彼が残した証言を照会してみたいと思う。

    11歳の少年は、生まれてから数カ月後に話し始めたようだ

    火星文明はレムリアと交易していた

     ボリスカによると、火星の住民は高身長で不老。成長と共に酸素呼吸から二酸化炭素呼吸に変化することで老化が止まり、30-35歳の姿のまま生き続けられるという。また彼らの文明は地球に比べ、かなり高度である。人々は自由に星々を旅し、時空間飛行には球型の、地球の監視には三角型のものを、と、特殊な磁気層で構成された宇宙船を目的別に使用していたのだという。
     だがふたつの部族間での争いが絶えず、繰り返された核戦争のせいで火星は荒廃。多くの命が犠牲となり、人々は地下での生活を余儀なくされているそうだ。

     他にもボスリカは、約7年前のインド洋にあったという幻の古大陸「レムリア」と交易があった事を明かしている。レムリアの人々は平均身長が9メートルほどと巨人で、超高度な技術を持っていたが超巨大な地殻変動により海の底に沈んでしまったのだという。

    インド洋に存在していたとされる幻の大陸「レムリア大陸」。画像=Wikipedia

     また火星は古代エジプトとも盛んに交易していたようだ。ボリスカによると、ギザのスフィンクスには人類最大の謎とされる秘密が隠されており、耳の後ろには開口部に繋がる、ある仕掛けがあるのだという。その詳細については「忘れてしまった」とも「人類が努力無くして秘密を手に入れることを懸念した」ともいわれているが、近年の調査の結果、スフィンクスの耳の裏には空洞が確認されている。

     そもそもボリスカが何年前の火星で暮らしていたのかは明らかになっていない。だが、時空間を移動する宇宙船があったことから、彼が語る前世は未来の時間軸である可能性もある。

    火星の記憶は未来のビジョンなのか?

     ボリスカにまつわるエピソードは他にも多数あるが、上述した内容はすべて若干11歳の少年が語った内容である。だがここで疑問なのがなぜボリスカは地球人として生まれ変わったのだろうか。死して魂が新たな体に入る輪廻転生とはまた違うように思うのだ。

     ボスリカはその答えを「使命」と語っている。これはかつて核戦争で自らを滅ぼした我々と同じ道を歩んでほしくない——つまり、彼は差し迫った危機から地球の人々を救うという使命を背負った「インディゴ・チルドレン」として地球に生まれたのだという。では、地球に差し迫った危機とは一体なんなのだろうか。

     ベリモフ教授を中心にボリスカにまつわる調査研究プロジェクト「キャメロット」が始動し、ロシアのみならず海外でも取材を受けるようになったボリスカだが、これらの取材の中で、今後世界を襲う災害を以下のように予言している。

    インディゴ・チルドレンの増加
     地球規模の災害が控えている今、これからさらにボリスカのような「インディゴ・チルドレン」増えると語っている。そして火星と同じ運命を辿らないためにも、人類は彼らによってより高い次元へと進む必要があるのだという。

    世界規模の災害
     これは2つの災害が予言されている。撮影時から2年後、2009年にある大陸で最初の大災害が起こり、その後2013年にまた別の大災害が地球を襲うそうだ。そして人類滅亡へのカウントダウンが始まるのだという。

    ーーでは実際どうだったかというと、2009年にはアメリカ領サモアでM8.1の地震が発生し、これにより最大6メートルの津波が近隣諸島を襲っている。また2013年にはソロモン諸島沖でM8.0の地震が発生、最大1.5メートルの津波が観測されている。
     ふたつとも多くの死者を出しているが、ボリスカの言う世界規模の災害には一致していないように思う。しかし近年の異常気象で自然災害が多発している今、もしかしたら別の災害がトリガーとなっていた可能性もあるかもしれない。

    ポールシフト
     これは地球を襲う最終形態である。ボリスカは「両極が完全に切り替わる」と語っており、これが事実となれば人類に甚大な影響を与えることは間違いないだろう。最後のポールシフトは今から約4万2千年前、その結果、地球は大惨事に陥ったことが推測されている。

     前世のボリスカが時空間を移動し地球の未来を知っていたとしたら、人類はどのような終末を辿るのだろうか。

    世界線の調整が始まったのか?

    2018年、22歳当時のボリスカ(右)の写真だという。隣の子供は彼の家族だろうか。

     今年28歳になったボリスカだが、この11歳の動画を最後に表舞台から完全に姿を消している。ある筋の情報では、ロシア政府の庇護のもとモスクワ郊外で暮らしている可能性が高いというが、その行方は謎のままだ。はたして彼は大人になった今も前世の記憶を覚えているだろうか。

     ちなみに、公開されているドキュメンタリー動画の中で、たまにボリスカと母親や教授との意見が食い違うシーンが映されている。もしかしたら7歳から11歳という4年間で徐々に前世の記憶が薄れていっているのかもしれない。または、未来の記憶を持つ彼が現代でメッセージを発したことで、世界線が調整されていっているのだろうか。

    参考
    https://www.thesun.co.uk/news/16693385/mars-boy-reborn-earth-predictions-future-of-humanity/
    https://anomalien.com/boriska-the-peculiar-story-of-the-boy-from-mars/#google_vignette

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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