NASAは月面基地を完成させている!/宇佐和通「陰謀論時代の闇」

文=宇佐和通

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    都市伝説研究家の宇佐和通氏の新刊「陰謀論時代の闇」から、知っておくべき陰謀論的常識を紹介。

    UFOと異星人の陰謀論

    〝アポロ11号ミッション〞という言葉を聞いて、ニール・アームストロングやバズ・オルドリンの名前を思い浮かべる人は多いに違いない。しかし、マイケル・コリンズという名を最初に挙げる人はほとんどいないのではないだろうか。マイケル・コリンズはアポロ11号司令船のパイロットを務め、アームストロングとオルドリンが月面活動を行っている間、周回軌道上を飛行しながら月面の撮影などを行っていた。

    月面探査を行うバズ・オルドリン。

     周回軌道上を飛行していたということは、〝ダークサイド・オブ・ザ・ムーン〞=月の裏側も目の当たりにしたということだ。2019年に放送された『60ミニッツ・オーストラリア』という番組のインタビューで月の裏側について尋ねられたコリンズは「そんなに楽しい場所ではない」とだけ答えている。
     インタビュアーの女性がどのような意図で月の裏側に関する質問をしたのかはわからないが、陰謀論においてもかなりの興味が集まる点であることは間違いない。アポロ計画に関しては、別項で紹介している〝人類は月に着陸していない〞という有名な陰謀論がある。ここではまず、もうひとつの有名な話を紹介していきたい。

    「60 Minutes Australia」のマイケル・コリンズインタビュー。

     アポロ11号の月面着陸は、人類が成し遂げた偉業のひとつだ。この出来事は本格的な宇宙時代の到来として受け取られたのだが、それと同時に奇妙な噂が流れた。これがアポロ11号陰謀論と呼ばれるものの始まりだった。
    〝アポロ11号は月に着陸していなかった〞という話と同じくらい根強く支持されているのが、コリンズが月の裏側にある奇妙な構造を目撃し、撮影していたという話だ。アポロ11号ミッションに関しては、この10年で初めて公開された交信記録があったり、NASAが月面着陸に関する書類や音声の一部を紛失したりという事実がある。こうした傍証的な要素が、この種の陰謀の論拠となっている。

    アポロ計画で得られた月面のデータはすべてが公開されているわけではない。

     NASAによれば、月の裏側はクレーターが多く〝海〞の部分は少ない。地球から見える面と比べると、かなり荒れた状態であるという。
     ただ軍情報部の関係者によれば、それだけではない。月周回無人衛星ルナ・レコネサンス・オービターが送ってきた画像を部下と共に解析したラングレーの戦術航空軍団本部所属の技術官カール・ウルフは、レーダーアンテナや直線から成る建造物など、人工建造物の存在を確認したという。

    「月の裏側には、隕石の激突など自然によって形成されたはずがない構造が多数存在する。こうした構造は、人工建造物にほかならない。最も顕著な例は、外見がレーダーアンテナそのものとしか形容できない構造である」

     それだけではない。インドが打ち上げた月探査機チャンドラヤーン1号が撮影した画像には、地下トンネル状の構造が張り巡らされている様子が写り込んでいた。話はいよいよ、月の裏側に秘密基地があるという方向性に流れていくことになる。

    月面には異星人の基地がある

     2012年には、中国の宇宙開発局と共同研究を行っていたマイケル・サラ博士という人物が〝稼働状態にある月面基地〞についてのコメントを行っている。サラ博士は、この基地が地球外軍事/産業複合施設であると語った。しかもNASA自らが地球外生命体の存在の痕跡を消し去るため、月面に残る古代遺跡をはじめとするさまざまな人工建造物を破壊し、その後に地球人類用の施設を建設したと言い切った。

     月面の異常構造に特化した研究を行っているリサーチャーも数多くいる。〝キャッスル〞や〝破片〞、〝塔〞などさまざまな人工建造物らしき構造が発見され、画像に解析が加えられた。ちなみにこうした異常構造に対する検証は今も行われており、NASAがまさに今推進しているアルテミス計画によって再びクローズアップされているのが事実だ。アポロ11号のミッションそのものが、月の裏側にある地球外生命体の施設なり基地なりを破壊することだったという話もあった。そこからつながるアルテミス計画の目的の一部は、月の裏側の完全制覇にほかならないとする人たちもいる。

    月の裏側に謎のドーム状構造物が多数ある、という情報まで出回った。
    https://www.express.co.uk/news/weird/1275853/alien-city-moon-dark-side-of-moon-nasa-conspiracy-theory-aliens-ufo

     この話には、さらなる進化が見られる。『Artemis Moon Base, Secret UFO, and Alien Space Programs』というビデオの中で、月面前哨基地の性格が語られている。アポロ計画は11号のミッションを通して地球外生命体のインフラを叩いて活性化したが、17号のミッションで終わった。以来NASAが月面探査プログラムを再開しなかった理由は、すでに月面を占拠していたエイリアンがアポロを侵略者として認識し、NASAに対する激しい抵抗をしたからだ。陰謀論的な進化はそんな方向にも延びている。

    Artemis Moon Base, Secret UFO, and Alien Space Programs

     アルテミス計画の隠された本質は、NASAが月に異常構造を残した地球外生命体についての事実の把握と、この先考えて行くべき共生か対抗というふたつのシナリオを可能にする体制の確立だ。言うまでもなく、こうしたアプローチの芽はアポロ計画を通して育まれた。
     ひょっとしたら、NASAは本気で太陽系制覇を狙っているのかもしれない。陰謀論のパワーは、そんな思いまで生み出してしまう。

    <書籍情報>
    「陰謀論時代の闇 日本人だけが知らない世界を動かす〝常識〟の真相」
    宇佐和通・著/笠間書院
    https://shop.kasamashoin.jp/bd/isbn/9784305710024/

    宇佐和通

    翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。

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