アトランティス 現代文明を凌駕する超文明/世界の新七不思議

文=並木伸一郎

    超巨大建造物から超常事件の現場まで、各地のさまざまなミステリーを、超常現象研究の第一人者・並木伸一郎がセレクトした〝世界の新七不思議〟をご案内! 今回は〝7つの超古代文明〟に選定したなかから、ムー大陸と並ぶキング・オブ・超古代文明、アトランティスです。

    1万2000年前に天変地異で海底に没した超文明

     はるかな太古に、繁栄していたとされる「アトランティス大陸」。温暖な気候と豊かな実りに恵まれたこの大陸の住民たちは、きわめて徳が高く、聡明で、超能力を駆使する者もいた。彼らが必要とするエネルギーはレーザーを用いた遠隔操作で供給されていた。また、オリハルコンと呼ばれる超金属を操り、航空機や船舶、潜水艦なども自在に建造。さらには、テレビや電話、エレベーターなども普及していた。
     だが、そんな文明の極みに達していた彼らの住む大陸は、約1万2000年前に突如として起こった大地震と大津波に襲われ、一夜にして海中に没したのである。

    大西洋上の中央にアトランティス大陸が描かれた地図。右はアメリカ大陸、左はアフリカ大陸だ。

    哲学者プラトンが世に知らしめる

     この悲惨な末路を迎えた大陸について歴史上、最初に記録したのは、古代ギリシアの哲学者プラトンだった。彼はかつてギリシアの政治家だったソロンが、エジプトの神官から聞いた話として、その大陸の詳細を著書『ティマイオス』と『クリティアス』に記している。それによると、アトランティスは100万年前、海神ポセイドンの子である5組10人の双子たちが治めた広大な大陸だった、10人の王たちは善政を敷き、アトランティスは平和と繁栄を享受していた。やがて王たちに驕りが生じ、彼らは突如として他国に侵入。これが神々の逆鱗に触れ、アトランティスは滅びの日を迎えたのだ……。

    アトランティス大陸の存在を著書『ティマイオス』『クリティアス』の中で紹介した古代ギリシャの大哲学者プラトン。
    ジュール・ヴェルヌ作『海底二万里』に描かれた、アトランティスの光景。プラトンの伝えたアトランティス伝説は、後の人々を魅了した。

    今なお発見されない比定地

     プラトンによる幻の大陸の記述は、後世の西欧世界を引きつけた。そして、著書に示されたアトランティスが沈んだとされる「ヘラクレスの柱」すなわちジブラルタル海峡の彼方=大西洋に向かい、人々は地中海から大海に進出したのである。この衝動がやがて大航海時代をもたらす動機のひとつとなった。
     その後も多くの人々が謎の文明の痕跡を求めて研究を重ねたが、今なおアトランティスは発見されていない。やはりアトランティスは伝説上の大陸にすぎないのか? だが21世紀の現代に到っても、幻の大陸に比定される土地を発見したとの報道が、ときおり世界中を湧かせることもまた事実なのだ。

    アトランティスの痕跡ひとつとされる、アメリカ、フロリダ半島沖海底の遺跡ビミニ・ロード。
    地中海のマルタ共和国ゴゾ島に遺るジュガンティーヤ神殿遺跡。この地はアトランティスの版図だった?
    カナリア諸島のグイマー・ピラミッドは、海上に残されたアトランティス大陸文明の名残りとされる。

    フランス、ブルターニュ地方のバルヌネの石塚は、アトランティスの子孫が祖国をしのび築いたという。
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    並木伸一郎

    「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。

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