南極の氷床下に14本の腕を持つUMA・有機体46-Bが潜む!? 科学者3人を襲った怪物を捕獲したロシアの謀略
南極の氷床の奥深くに広がる湖に、14本の腕を持つ巨大軟体生物が生息しているという。「有機体46-B」と名づけられたこの謎の生物は、一説によれば恐るべき“生物兵器”として14本の腕で手ぐすねを引いて出番
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邪馬台国やアトランティスがどこにあったのか依然として議論が続いているが、ロシアには湖底に沈んだ謎の都市があるという――。
ロシアのアトランティス、あるいは「見えない都市」として知られるキーテジ(Kitezh)は、一説ではロシアのスヴェトロヤール湖に沈んだ都市といわれている。
古代都市キーテジの記述はロシア帝国史の初期にまで遡ると考えられており、最初に文書で言及されたのは1780年代、ロシア正教の一派である古儀式派によって書かれた「キーテジ年代記」とされる。ちなみに、この古儀式派は教会改革に対する抗議として1666年に正式なロシア正教会から分離した。
この年代記によると、レッサーキーテジ(Lesser Kitezh)市は13世紀初頭、ロシア中部のニジニ・ノヴゴロド州ヴォスクレセンスキー地区のヴォルガ川のほとりに、ウラジーミル大公ゲオルギー王子によって創設された。
その後、彼はさらに上流のスヴェトロヤール湖畔に美しい場所を発見し、そこに大キーテジの都市を建設することに決めた。こうして全住民が神聖視する修道院都市が誕生した。
「王子は街を美しく整備し、教会、修道院、貴族の宮殿を建てた。それから彼は、街を塹壕で取り囲み、銃眼のある壁を築き上げた」(2010年刊『The Russia Reader: History, Culture, Politics』より)
1238年、ロシア北東部は遊牧政権「ジョチ・ウルス(Golden Horde)」の創設者であったバトゥ・カーン率いるモンゴル人勢力によって侵略された。やがてカーンはキーテジのことを聞き及び、この繁栄した都市も占領することを決意した。
モンゴル軍がレッサーキーテジに進軍すると、ゲオルギー大公はそれを迎え撃とうと馬で向かったが、最終的には密かに大キーテジに逃げざるを得ず、大キーテジの位置は依然としてモンゴル軍から秘匿された。
バトゥ・カーンは捕虜に対し、大キーテジの場所を吐かせるべく拷問するよう部隊に命じた。どんなに激しい拷問を受けようとも、捕虜たちは聖都の秘密を漏らそうとはしなかった。そうすることは自分たちとその子孫に永遠の呪いを課すことになると信じていたからだ。
しかし捕虜の1人、クテルマは拷問に耐えられず、スヴェトロヤール湖へ向かう秘密のルートを明かしてしまったのだ。
その次に何が起こったのかについて、年代記の記述は曖昧である。
「知られているのは、王子が神聖な器と典礼用具を湖に隠すことに成功し、その後、戦いで亡くなったことだけです。神の意志により、都市自体は見えなくなり、水面と森だけが見られました」(『The Russia Reader: History, Culture, Politics』より)
こうして“見えない都市”としてのキーテジの伝説が語り伝えられるようになったのだ。
キーテジに何が起こったのか、正確には明らかではないが、その謎に満ちた消失については何世紀にもわたって伝説や民間伝承として伝えられてきた。
ある有名な物語によると、都市が持つ数々の宝物がモンゴル人の手に渡らないように、神の意志により都市全体が湖に沈められたという。このためスヴェトロヤール湖は「ロシアのアトランティス」と呼ばれることもある。
また、ある言い伝えではモンゴルの大軍はキーテジの街が湖に沈むのを狼狽しながら見守り、街の象徴である白く輝く大聖堂のドームの頂上にある十字架が、水面に沈むのを見届けたという。
しかし、都市の消滅はそれほどドラマチックなものではなかったかもしれないという見解もある。一部の考古学者は都市が地滑りに見舞われ、無残にも湖に沈んだ可能性があると示唆している。
さらに、とある民話によるとキーテジの街は、心と魂が純粋な人にしか見えないと言われており、この伝説を信じる人々は湖から教会の鐘の音が聞こえたり、水面下の光や建物の輪郭さえ見えたと報告することがあるという。つまり、キーテジとはスピリチュアルな存在であるというのだ。
その昔、一部の巡礼者たちは鐘の音が聞こえることを期待してこの湖を訪れていた。彼らは、祈りのためにそこに赴き、都市の住人に施しを残したという。また第二次世界大戦中には母親たちが戦死した息子の冥福を祈るためにこの湖を訪れたといわれている。
2011年、スヴェトロヤール湖周辺でどのような考古学的遺跡が発見されるのか、ヴェトルジュスキー考古学調査(Vetluzhsky archaeological expedition)が行われた。発掘調査ではロシアの伝統的な陶器の破片と共に、古代の集落の痕跡が発見された。調査チームはさらに調査を続ける予定である。
彼らによると湖畔の丘は常に地滑りが起こりやすく、そのうちの一つが古代都市を湖に水没させ、“見えない都市”キーテジの幻想的な伝説を生み出した可能性があるという。
はたして今後の調査によってこの“見えない都市”であるキーテジが実在していた証拠が得られるのだろうか。“ロシアのアトランティス”の悲劇の物語を憶えておきたい。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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