古代エジプト王族が西太平洋を横断していた!? オーストラリアに残されたヒエログリフの謎/遠野そら

文=遠野そら

    かつてオーストラリアに、古代エジプト人が残したとヒエログリフとされるものが話題になった。これが、約2500年前のエジプト王族ものもであると、古代エジプト研究の第一人者が断定したのだ! その詳細とは!?

    オーストラリアの「ゴスフォートグリフ」

     約3000年もの長きにわたり続いた古代エジプト文明。時を超え伝えられる彼らの高度な学問や技術は、現代のわれわれにとっても驚くことばかりである。

     過去にはオーストラリアで古代エジプトの象形文字が刻まれたヒエログリフが発見され、“エジプト人がコロンブスの大航海時代よりも昔に太平洋の西部を横断していた証拠”として話題になったのはご存じの方も多いだろう。
     これには賛否両論、今なおさまざまな見解が飛び交っているが、エジプトを拠点に活動するケミトロジー・プラットフォーム「古代エジプト神秘ケミット学術団体」が、ついに全文の解読に成功、「今から約2500年前にオーストラリアに上陸した古代エジプト王族のヒエログリフで間違いない」と発表したのだ。
     問題のヒエログリフがあるのは、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州カリオンとゴスフォートにまたがるブリスベンウォーター国立公園。週末ともなると多くの観光客が訪れる人気のハイキングコースだが、その岩壁にヒエログリフがあるのだ。地元では地名にちなんで「ゴスフォートグリフ」と呼ばれている。

    ブリスベンウォーター国立公園の「ゴスフォートグリフ」。
    画像引用=https://www.ancient-code.com/ancient-egyptian-hieroglyphs-in-australia-this-video-will-blow-your-mind/

     ケミトロジー(古代エジプト研究)の第一人者であるモハメド・イブラヒムとユセフ・アブデル・ハキム・アウィアン率いる研究チームは、ゴスフォートグリフを徹底的に分析。300ある文字の細部まで調べたところ、これらはエジプト王朝初期の古代象形文字であることを突き止めたのだ。

    ケミトロジーの第一人者モハメド・イブラヒム。
    画像引用=https://codigooculto.com/civilizaciones-antiguas/reescribir-la-historia-hallan-jeroglificos-egipcios-de-5000-anos-de-antiguedad-en-australia/

    「ゴスフォートグリフに刻まれていたのは、2012年にやっと知られるようになった古代文字でした。このことから多くの研究家が解読できず、“本物”として受け入れなかったのでしょう」

     実際に画像を見てみるとゴスフォートグリフは向かい合った2枚の岩壁に刻まれており、古代エジプトで死者の守護神とされていたアヌビスや、王名を示すカルトゥーシュなどをあるようだ。 
     イブラヒム氏は、ゴスフォートグリフは少なくとも2500年前のもので間違いない、と断言。風化せず鮮明に残っている理由については、岩壁の上に落下した巨石が、偶然にも屋根のような役割を果たしていたことが大きかったようだ、と述べている。

    クフ王の息子が「太陽の船」で大西洋横断!?

     それだけでも驚きだが、特に注目を集めたのはその内容である。
     要約するとこうだ。

     上下エジプトの王・クフの息子であるネフェル・ジェセブ王子と、ネフェルティル王子のふたりの兄弟は、神託を受け、船に乗り西へと遠征することとなった。厳しい環境のなか、やっとの思いでたどり着いた一行だったが、ネフェルティル王子は毒蛇に2度もかまれて亡くなってしまった。彼の死を嘆き悲しんだ一行は、この地で命を落とした悲運と、死後の祈りをここに記し3つの扉で封印し埋葬したーーというものである。

     そう、なんとこの地にはギザのピラミッドで有名なクフ王(起元前2637年ごろ〜紀元前2614年ごろ)の息子が埋葬されたというのだ。
     そしてその後の伝えられる記録では、ジェセブ王子はエジプトに戻り、父王にネフィルティルの死を知らせた。クフ王は亡き息子のため王家の谷にピラミッドの建設を開始。完成を待って、ネフィルティルの遺体をオーストラリアからエジプトへ搬送していたが、途中で船が座礁し、すべて海の中へと沈んでしまったという。

     そしてネフィルティルが眠るはずだったピラミッドについては、若くして逝去したツタンカーメン王の墓となった可能性も指摘されているようだ。他にも、ジェセブ王子はのちの第4王朝ジェドエフラー王である、ツタンカーメン王の墓から発見されたブーメランはアボリジニと交流を示している、などの見解がある。
     謎多き古代エジプト文明だけに、どれも「絶対にない」とはいい切れないだろう。さらにいえばネフィルティル一行が使用した大西洋横断船が、クフ王の「太陽の船」であった可能性さえあるように思う。

    クフ王の「太陽の船」。(Jenkins, 1980)  (Photo by John Ross)
    画像引用=https://suichukoukogaku.com/ancient-egypt/

     ここまで話題になっているゴスフォートグリフだが、不思議なことに詳しい調査は行われていない。その理由については不明だが、ここを最初に調査し、「偽物」と発表した元サウスウェールズ州国立公園野生動物局の職員が今になり、腐葉に埋もれた文字の上の部分だけをみて判断したこと、そして上層部からもそのように発表するよう圧力がかかっていたことを証言している。その背景までは明かされていないが、真実をひた隠しにしたい“何か”がここにあることは間違いないのではないだろうか。
     謎多き古代エジプト文明の鍵を握るかもしれないゴスフォートグリフだけに、今後の調査にぜひとも期待したい。
     
    参考:
    https://codigooculto.com/civilizaciones-antiguas/reescribir-la-historia-hallan-jeroglificos-egipcios-de-5000-anos-de-antiguedad-en-australia/ 
    https://www.ancient-code.com/ancient-egyptian-hieroglyphs-in-australia-this-video-will-blow-your-mind/
    https://suichukoukogaku.com/ancient-egypt/

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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