中国のホワイト・ピラミッドは実在するのか!? 水晶のように光り輝く巨大建造物の目撃譚を探る/遠野そら

文=遠野そら

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    中国で報告される超巨大なピラミッドの数々。中国当局は陵墓をピラミッドと見間違えていると主張するが……?

    航空隊大佐が発見した西安の巨大ピラミッド

     中国には、超巨大なピラミッドが存在する。これは長年、多くの目撃者たちが主張しているものだ。特に、第2次世界大戦以降からは、各国で「中国のピラミッド」の存在が囁かれているが、中国側は「武帝の茂陵——陵墓をピラミッドと見間違えている」と一蹴、真っ向から否定している。だが、謎めいた遺物が数多く発見されているのは周知の事実である。当局は往々にして沈黙を貫いているが、これらが公開されれば、超古代文明を示唆する有力な証拠となるのは間違いないだろう。

     1947年3月28日。アメリカの大手新聞社「ニューヨーク・タイムズ」紙は、中国・陝西省(せんせいしょう)の首都・西安から南西に65キロ程離れた場所に位置する秦嶺(しんれい)山脈付近で巨大なピラミッドが発見されたと報じた。

     それによると、ピラミッドの大きさは高さ450メートル、下辺の長さが300メートルほど。エジプトのギザの大ピラミッドでも、高さ約146メートル、基部の一辺が約230メートルであることから、超巨大ピラミッドの発見に、全米中で大きなニュースになったのだ。

    1947 年に発見された中国のピラミッドを広めた新聞の ひとつ、「マデラ トリビューン」紙。
    画像=https://codigooculto.com/wp-content/uploads/2023/03/piramide-china-madera-tribuna.jpg より

     発見者は、当時トランス・ワールドエアラインの極東ディレクターであり、対日本の支援衛兵航空隊「フライング・タイガース」の隊員であったモーリス・シーハン大佐である。シーハンは、西安南西部の秦嶺山脈を横断していたところ、巨大な建造物を偶然発見したのだという。
     氏はそのときの状況について、「完璧なピラミッドの形と、その大きさに感動しました。これほど大きな構造物が世間に知られていないなんて信じられなかった」と語っており、他にも同じように巨大なピラミッドが数基あったことを明かしている。

    秦嶺山脈付近で発見されたという巨大ピラミッド。
    画像=https://codigooculto.com/wp-content/uploads/2023/03/piramide-xian.jpgより
    現存する数少ないモーリス・シーハン大佐本人の写真。
    画像=https://codigooculto.com/wp-content/uploads/2023/03/maurice-sheehan.jpgより

     これについて当時の南京当局は新聞社に対しすぐさま「根拠のないデマである」と、正式な抗議文を提出している。

     しかし、西安周辺でピラミッドを見た、と証言しているのは、なにもシーハンだけではないのだ。

    もうひとりの発見者が見た輝く白いピラミッド

     第2次世界大戦も終わりに近づいていた1945年3月。米空軍パイロットだったジェームス・ガウスマンもまた同じ様に巨大なピラミッドを目撃したと証言している。ガウスマンは、当時、戦時首都となっていた重慶へ物資を輸送し、インド北部のアッサムへ戻る途中のことだった。西安・南西部の山岳地帯上空で、突如エンジントラブルに見舞われたのだ。
     周囲は山々に囲まれ、着陸できる場所はない。そこでガウスマンは徐々に高度を下げるため、山を大きく左にそれた。すると、峡谷の真下に巨大なピラミッドを発見したのだ。

    「そこには見たこともない巨大な白いピラミッドがありました。とても幻想的で、真っ白に光り輝いていました。表面は金属製、または滑らかな石でできているようでした。特に驚いたのは頂上部で、巨大な水晶か宝石のように輝いたのです」

     ガウスマンはピラミッドを近くで見ようと着陸を試みたが、複雑な地形のため断念。辺りを周回することしかできなかったそうだ。
     無事、アッサムへと戻ったガウスマンは、すぐさま上官へ報告。そのとき撮影した写真は軍の機密情報として提出したとされるが、残念ながら伝えられる情報はここでストップしており、その後、写真はもちろん、ガウスマンの行方についても一切が不明となっている。

    ロシア系メディアでも「中国のホワイト・ピラミッド」について考察されている。https://cruisermoscow.ru/en/belaya-piramida-velikaya-belaya-piramida-v-kitae-zagadochnye-fakty-anglo-amerikanskaya-voina-i-tekumse/

    上空から撮影されたホワイト・ピラミッドはどこに?

     筆者が個人的に疑問なのが、ガウスマンが上空から撮影したというホワイト・ピラミッドの写真である。
     どのような経緯でこれが「ホワイト・ピラミッドの写真」として出回っているのかは明らかになっていないが、ガウスマンやシーハン大佐が語るピラミッドの姿や、「渓谷の中にあった」という状況とは大きく異なっているように見える。
     一説によると、これは当時の米軍の軍事調査資料とも伝えられているが、確かに茂陵のようにみえる。

    当時の米軍の軍事調査資料か。茂陵に見える。
    画像=https://www.bibliotecapleyades.net/imagenes_piramide/piramide_china03_05.jpgより

     だとすれば、シーハン大佐やガウスマンが目撃した、巨大なピラミッドはいったいどこにあるのか。最も有力視されているのが、別名「中国のバミューダトライアングル」と呼ばれる『黒竹溝』の奥地であるが、現地の調査を行うには国の許可が必要で、近くを中国軍が巡回しているということだ。
     文化的背景からこの地を保護しているのか、それとも人の目に触れさせたくない何かがあるのか。中国の超古代文明を思わせる遺物については、今後も論争を呼びそうな予感がするが、また折に触れて報告していきたいと思う。
     
    【参考】
    https://cruisermoscow.ru/en/belaya-piramida-velikaya-belaya-piramida-v-kitae-zagadochnye-fakty-anglo-amerikanskaya-voina-i-tekumse/
    https://codigooculto.com/enigmas/misterio-antiguas-piramides-chinas/
    https://www.messagetoeagle.com/mysterious-black-bamboo-valley-strange-unexplained-events-heizhu-valley-chinas-bermuda/
     

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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