野生児を通じて教育の意味を問う奇譚「狼少女・アマラとカマラ」の悲劇
昭和の怪しげなあれこれを、“懐かしがり屋”ライターが回想。今回は、”キョウイク”テキストとなった「狼少女」について。
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トルコのアララト山に存在する「ノアの箱舟」地形の謎と真実に迫る。
『旧約聖書』の「創世記」に登場する「ノアの箱舟」。ノアとその家族、すべての動物のつがいを乗せた巨大な船は、神々がもたらした大洪水から彼らを守り、現在のトルコの東端にあるアララト山に流れ着いたという。
「創世記」で語られる箱舟の物語は、あくまで宗教的神話として受け止められてきた。しかし、歴史的事実をもとにした可能性がある。なぜなら、伝説の箱舟がまぎれもなく実在していたからだ。
ノアの箱舟が”発見”されたのは1959年。トルコ陸軍のルハン・ドゥルピナー大尉が、イランとトルコの国境近く、高度1900メートルの山岳地帯を撮影した航空写真に、奇妙な物体が写り込んでいることに気づいた。巨大な構造物が地上から突き出していたのである。
一帯は小さな村が点在する程度の僻地で、写真に写っている巨大な構造物に関する報告はいっさいない。不可解に思ったドゥルピナー大尉は、オハイオ州立大学の教授を務めるブランデンバーガー博士に分析を依頼した。当時、ケネディ政権下でキューバが隠し持っていたミサイルを発見したことで知られる博士は、写真解析の権威であった。
彼が出した結論は、物体が“船”であることは疑いの余地がないというものだった。
航空写真に写る山岳地帯は、「創世記」のノアの箱舟が流れ着いたとされるアララト山である。ブランデンバーガー博士の解析結果に、だれもが巨大な遺物が伝説の箱舟であると考え、アメリカで発行されていた雑誌「ライフ」でも大々的に報じられた。
だが翌年の1960年、アメリカの研究グループが行った調査では決定的な結論には至らず、「自然の地形である可能性が高い」というコメントを発表するに留まった。しかしてまた一転、政府から正式な許可を得て1977年から数年にわたって詳細な調査を行ったロン・ワイアット率いる調査グループは、まったく別の結論に至っている。「この巨大遺物は間違いなくノアの箱舟である」と主張したのである。
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ワイアットが最初に行ったのは、構造物の各部位を正確に計測することだった。間近で見る物体は流線型で、まさしく船そのものだった。一方の先端が船首、もう一方は船尾のような形をしていた。この船首から船尾までの長さは約157メートルあり、聖書に記述される箱舟の全長と一致。横幅の平均値も同じ長さで、やはり聖書に記されたサイズと同じだった。
また右舷側の船首近くの部分には、泥から突き出ている垂直方向の突出部分が4か所あるのがわかった。しかも、突出した部分の間は均等に間隔があけられている。これぞ船体の肋材として機能していた部分だと推測できた。一方、左舷側にはひとつの突出した部位が泥から突き出ていたが、大部分が泥に埋まった状態であることがわかった。
調査の過程で、グループの地質学者は、固くなった泥の層に埋もれた状態にあった物体が、崩れて姿を現したのではないかと指摘した。確かに、仮に物体がノアの箱舟だとすれば、気が遠くなるほどの時間の経過で、全体が石化して大きな岩となっていてもおかしくはない。
実は、それを裏づける証言もある。近隣の村に住む人々によれば、1948年に大地震が起きたのち、巨大な構造物が出現したというのだ。村人たちの話が事実であれば、地震によって化石化した箱舟の一部が崩れ、姿を現したということだろう。
ワイアットのグループは、地中探知レーダー装置(GPR)による計測も行った。GPRのアンテナは電波を発信し、受信までの時差と電波の強弱で地中にある物体の硬度と深さを知ることができる。調査の結果、地中深くにも物体が埋まっていることがわかった。
聖書の記述から、箱舟は6層構造で中央部が膨らんでいると想像されているが、レーダースキャンの結果、地中に中央部が膨らんだ形状が確認されたのだ。
画像解析チームのひとりは、「データを見る限り、電波の反射があまりにも規則的で、自然にできた地形とは思えない特徴を示している。人工的に作られた構造物だろう」と語る。
また、構造物の右側に大きな空洞があることも判明。空洞から、興味深いサンプルが採取されている。化石化した動物の排泄物と角、猫の体毛が発見されたのだ。構造物がノアの箱舟だったとすれば、つがいで舟に乗り込んだ動物たちが残したものに違いない。
さらに、ワイアットたちはアララト山で大きな梁のような形状をした木の板を発見している。持ち帰られた板は、アメリカ、テネシー州ノックスビルのガルブレイス研究所で分析にかけられ、0.7パーセントの有機体炭素が含まれていることが判明。板が“化石化した木材”であることが証明されている。このほかに、板は3枚の木を有機物で作られた糊で張り合わせた合板で、木材の表面が瀝青[れきせい](天然、または人工で作られた炭化水素からなる化合物)でコーティングされた痕跡も認められた。
金属探知機を用いた調査でも、驚くべき発見があった。金属反応が最も強かった地点を発掘したところ、無数の円盤形の留め金が出土したのだ。見ただけでも、人工的に作られたことは明白だったという。留め金の成分を調べると、鉄8.38パーセント、アルミニウム8.35パーセント、チタンが1.59パーセントで形成された合金であることが判明した。
実は、留め金は2005年にロシアの専門誌「The Russian Chemical Bulletin」によって再分析が行われ、新事実が発覚している。酸化アルミニウムで作られたフィルム状の薄い層の存在が明らかになったのだ。しかも、層は錆や腐食を保護する効果が認められたのである。さらに、留め金が製作された年代は少なく見積もっても鉄器時代よりも遙かに古い時代であるという。
当時、アルミニウムは自然界に存在していなかったはずだ。空洞から採取された化石化した動物のサンプル、瀝青でコーティングされた木の板、留め金、これらの存在こそ、構造物=ノアの箱舟を裏づけるものだとはいえないだろうか。
実は、物的証拠のほかに、アララト山の周辺からは船体を安定して停泊させるために用いられた“錨”とみられる巨石群、古代の都市と思われる遺跡群も発見されている。しかし、こうした有力な“根拠”があるにもかかわらず、巨大な構造物が大規模調査の対象になることはなかった。世界的にもマスメディアが公表してもいいはずだ。なぜか?
近年、新たな事実が判明した。CIAの報告書に、構造物が発見された翌年から11 年の長期間にわたって調査を行っていたという情報があるのだ。国連大使も務めたジョン・ダンフォース上院議員、共和党右派の大物バリー・ゴールドウォーター上院議員らが名を連ねた報告書が公表されたのである。
報告書は、衛星写真やスパイ偵察機による航空写真を駆使して調査するも、成果は得られなかったという結論で締めくくられた期待はずれのものだ。ただし、機密保持のもと、文書の一部と写真がいまだ公開されていない。つまりCIAは調査の事実を公開しただけで、肝心の部分を秘匿したのだ。おそらく、そこに決定的な“証拠”が隠されているのは容易に想像がつく。
これはあくまで筆者の推測だが、一部が非公開にされたのは、ノアに箱舟の建造を命じた神の存在にあるはずだ。時代にそぐわない先進的な冶金技術と高度な工学知識を授けた神の正体に目を向ければ、太古の地球に叡智をもたらしたとされる地球外生命体と同等の存在であったと考えるのがもっとも筋が通る。CIAはそれを確信する“証拠=不都合な真実”を発見したからこそ、箱舟をアンタッチャブルな存在としたのではないだろうか。
CIAの情報公開はこれ以上期待できないだろう。だが、ワイアットに続く有志による調査が今日の技術で行われれば、さらなる“証拠”が発見される可能性もある。新たな報告に期待したい。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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