高知の長頭宇宙人と兵庫の「ええもん」…宇宙的怪奇体験/松原タニシ・田中俊行・恐怖新聞健太郎の怪談行脚
伝説のコラムを再録! 異色の怪談ユニットが、行く先々での怪奇体験を公開。3回目はなんと「UFOとの遭遇」がテーマ。地球・日本の田中家の状態は、地球外知的生命体にも筒抜けなのだろうか。 (2020年3月
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メキシコの最高学府、UNAMで開催されたUFO展示会。現地におけるUFO目撃の歴史と、教授が語った「我々は淡々と受け入れている」の真意とは――!?
ある日の夜、ニュース番組を見ていると、メキシコの最高学府のUNAMが面白い展示会を開催するという。なになに? 興味深く画面を見つめていると、なんと「UFOに関する展覧会」を開催するという衝撃的な知らせが!
メキシコの最高学府が一体UFOの何を展示するのか!
UFOの破片か? 写真か? それとも宇宙人の剥製か?
……それは日本のバラエティー番組になってしまうが。
初めまして。webムーのマジカルラテンアメリカ特派員の嘉山です!
ともかく、「メキシコ最高学府でUFO展覧会」のニュースを見た筆者は、早速、UNAMに連絡を入れて二つ返事で今回の取材OKをもらった。企画担当のダルマシオ教授が会ってくれるという。
そして、とある昼下がりにUNAMへと向った。
担当者との待ち合わせ時間に5分遅れて到着した筆者。すいません、道が混んでて……。慌てて受付を済ませると、UNAMの担当者が現れる.
「ダルマシオ教授はあと25分後に来ます。(キリッ)」
おお、いいね。オレが5分遅れ、教授は30分遅れ、それでこそメキシコ、UFOは逃げない。心配すんな!
気持ちを落ち着けた筆者は待ち合わせに指定された場所をゆっくり眺めてみることに。そこには「国立図書館」の文字。国立図書館! なんだ! ここは? 日本で言うところの国会図書館か。
今回の企画を担当したダルマシオ教授は時間通り遅れて登場。丁寧で慇懃な挨拶を交わし(さすが最高学府! こうじゃなくちゃ!)、案内してくれます。
「こちらへ、どうぞ」
そして、通された先で発見したものは!
「これがメキシコで最初に発見されたUFO、の新聞記事です」
え? 新聞記事?
「そうです、今から125年ほど前です!」
え? 125年前! スゴい、125年前っていうと1897年、日本じゃまだ明治時代じゃないですか。
「当時はUFOという言葉もありませんでした。空飛ぶ怪物(EL MONSTRUO AEREO)と呼ばれていました」
空飛ぶ怪物!
「今回のUNAMの展示はUFOが如何にメキシコで報道されてきたのかを125年前から遡って展示しています」
すごい! なるほど。今回の展示はUFOがメキシコでどう報道されたかなんですね! 載っている記事も、老舗の新聞社ウニベルサル(UNIVERSAL)! 日本でいうところの朝日とか読売みたいな大手新聞社ですね。
少し教授に話を聞いてみました。
「今回心がけたのは、できるだけ『中立』な新聞記事を選んだということです。やはり大学の展示なので。2000ほどあった記事の中から厳選して選びました」
2000も!
「報道としては大手新聞の記事から大衆紙まで選んでいます。大切なことは、これらの記事が長い間にわたって、メキシコで報道され続けていたという事実です。報道がなくなった時期も増えた時期もなく、いつも報道され続けています」
報道され続けている! 日本の月刊ムーも43周年を超えてますけど、その3倍の年月もメキシコでは報道されてたんですね。どういった内容の報道が多いんでしょうか?
「報道されているのは、やはり未確認飛行物体が現れたという話です。街のニュースの延長のような形で。いわゆる社会面の記事です」
確かに! 先ほど少し見ましたが、「強盗発生!」の記事の下に「未確認飛行物体発見!」の記事がありますね。強盗とUFO……まるでメキシコそのものじゃないですか!
「ハハハ(何言ってんだこの記者……)」
UFOはメキシコではどんな受け止め方をされているんですか?
「メキシコはマヒコとミティコの国ですからねぇ」
マヒコとミティコ……魔術的(マヒコ)と神話的(ミティコ)……。
「だから、そういう分からないものを受け入れるという土壌があるんです。メキシコにはね」
最高学府の教授から、その言葉が聞けるとは、感動です。メキシコと日本にも共通性がありますよね。日本のイタコ、メキシコのシャーマン、神話も根強く残っていますし。
「メキシコではUFOは淡々と受け入れられています。一部には熱狂している人もいますけれど、結構普通にUFOを語る人が多い印象がありますね」
では、展覧会で気になったものを次回の記事で紹介します!
「あ、そうそう、今日はね、この展覧会に合わせてUFO講演会が開かれるから、そっちも覗いていってください」
え? ちょっと待ってください! 講演会まで!? 紙面足りなくなりそうです!
~つづく~
嘉山正太
撮影コーディネーター、映像作家、脚本家。
1983年、埼玉県生まれ。横浜国立大学人間科学部卒業。日本の映像制作会社で働いた後、2008年よりメキシコに移住。以降、ラテンアメリカ全域でのテレビ番組・映画・CM・VPなどのコーディネートを行う。
制作業務(企画・演出・撮影・編集)をはじめ、国際映画祭などのイベントの通訳、翻訳、脚本執筆まで幅広い分野の仕事を行う。2022年、初の著書となる『マジカル・ラテンアメリカ・ツアー』(集英社)を上梓。
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