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正解は「B:神秘の陰陽道神符セーマン・ドーマン」
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「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2023年2月号、第466回目の内容です。
米フロリダ州マーゲートの警察が、飲酒運転の容疑で44歳の中年女を現行犯逮捕した。
フラフラ運転の軽トラックが、ファストフード・タコベル店の立て看板に衝突、そのまま逃走したが、すぐさまパトカーが追跡して運転していた女を捕まえた。
女の名はタニーシャ・ブーズといい、皮肉なことにこの苗字には〝大酒呑み〟という意味がある。
歴史的に重大な出来事が起きるとき、しばしば天にはそれを象徴する徴しが現われるとか。
2022年9月8日の午後3時10分ちょうど、英国のエリザベス2世女王が崩御された直後、首都ロンドンにある女王の居城バッキンガム宮殿の上空に、高々と美しい二重の虹が懸かった。
その日は長く続いた夏の日照りが終わって、朝から土砂降りの雨がひとしきり続いたが、その雨が降り止んだとき、宮殿の外に駆けつけた一般市民のだれもが驚いた。
英国史上最長の在位期間、70年と214日を達成した偉大な女王の逝去を悼むかのように、華麗な七色の虹が、それも二重になって出現したからだ!
女王を心から敬愛する国民のだれもが、この二重の虹は前年の4月9日に99歳でひと足先に他界した夫のエディンバラ公フィリップ殿下と女王とが、天上で再会することを暗示する徴しと解釈した。
このニュースにはさらに続きがある。二重の虹を撮影したカメラマンのクリス・ジャクソン氏によると、その後しばらくして、ロンドン西郊にあるユニオンジャック(英国旗)を半旗に掲げた新国王チャールズ3世の公邸ウィンザー城の上空にも、ごく短時間だけながら1本の虹が懸かったのだ。
ジャクソン氏はツイッターに、次のように投稿した。
「ウィンザー城のほうに出た美しい虹は、ほんの数分たらずですぐに消えた。私は思わず落涙した。あの虹はまぎれもなく女王から私たちに贈られたサインだった!」
インドのグルグラムで牛泥棒たちのトラックを追跡していた警察車は、思わぬ逆襲にたじろいだ。
逃走するトラックから、盗まれた牛たちが次から次へと放りだされて、進路妨害をされたからだ。
それでも警官たちは牛盗っ人どもを最後には追いつめて、犯人5人全員の現行犯逮捕に成功した。
放りだされた牛たち4頭は、幸いにもいずれも軽い打撲傷を負っただけで済んだ。
ドイツの首都ベルリンの野外に棲息する猪たちは、今では都会生活にすっかり慣れてきたらしく、道路を渡るにはどうすべきかもちゃんと弁えるようになった。
首都野生生物保護局のデルク・エーレルト局長は、驚嘆と感嘆をこもごも交えながら告白した。
「猪の親子連れが交通ルールをきちんと守って、信号が青のときにだけ横断歩道を渡っているのを見たときには、心の底から驚きを禁じ得なかったね!」
「何よあれ? 木が歩いてる!」
米ケンタッキー州サンデイフック郊外の路上で、その謎の生き物を見たとたん、ニーナ某(仮名)は金切り声の悲鳴を上げた。
2018年10月18日の午後8時近い黄昏れ時、車を運転していた夫は、妻の悲鳴にはっと振り向いたが、もうそのときには、〝歩く木〟の影らしきものは、路傍の茂みに消えかけていた。
「悲鳴を上げたら、まっすぐこっちを振り向いたのよ。2メートル以上はありそうだった。体がやけに細くて木の色をしていたわ!」
それは、いわゆるビッグフットを思わせるものだった。30メートルほど離れていたが、藁か木の枝らしきものを握っていたという。
この目撃事件を調べた「ビッグフット野外調査者組織」のジャック・スマール氏は指摘する。
「この事件の目撃時間はわずか3秒から5秒だ。また30メートルは離れていたので、部分的には誤認の可能性があるかもしれない」
さらにまた近隣のノースカロライナ州バーンズヴィルのチャールズ・プレズネルのフェイスブックによれば、彼もまた〝歩く木〟のような細身と体色のビッグフットを、地元で目撃したという。
「ひょっとするとこれまで目撃報告されてきたビッグフットとは、別種か新種の可能性があるかも」
とプレズネルは指摘している。
キューバから出航した男ふたりと女ひとりが乗るボートが、フロリダ半島の沖合いで転覆した。
3人は命からがら無人のアンギラ環礁島に泳ぎ着くと、椰子の実と巻き貝と野鼠を食いつないで、なんとか33日間生き延びた。
34日目の2021年2月9日、たまたま沖合いを通りかかったアメリカの沿岸警備隊の船にのろしの遭難信号を送って、ようやく救出された。
ただし、遭難者3名の氏名と身元は、亡命者の可能性があるためか、いまだに伏せられたままだ。
フランス南部で、ふたりのカトリック教僧侶が5G(携帯電話第5世代)用マストに放火しようとしている現場を警察が発見して、緊急に現行犯逮捕した。
ふたりは当地のカプチン派修道院の修道士で、前の晩にも同じ5G用マストに放火しようとしてうまくいかなかったため、翌晩にもう一度再挑戦したらしい。
その後ふたりの修道士は〝発火性着火薬剤を使用した放火および放火未遂〟の容疑で、検察官に起訴された。
ふたりの主張によれば、彼らは〝5G〟が人類の福祉と未来にとって、いかに有害で危険なテクノロジーの産物かという〝恐るべき真実〟を、一刻も早く世界に広く知らしめなければならないというので、義憤と公憤に駆られてとった非常手段だったという。
しかし、専門家によれば、広汎で徹底的な確認調査を行ったにも拘らず、5Gのような無線技術が有害だという証拠はまったく見つからなかったとか。
南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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