「引き寄せの法則を全部やったら、効きすぎて人生バグりかけた話」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

関連キーワード:

    「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

    引き寄せの法則を全部やったら、効きすぎて人生バグりかけた話

    角由紀子 著

    「TOCANA」の創設者が「引き寄せ」の技法に挑戦

    「引き寄せの法則」とは、「思考が現実を引寄せる」という、いわゆる「ポジティヴ・シンキング」のことで、スピリチユアル業界の一大トレンドである。この分野の嚆こう矢しともいえるロンダ・バーンの『ザ・シークレット』(角川書店、2006)は空前のベストセラーとなった。
     何しろトレンドであるから、この「引き寄せの法則」に関しては、それこそ星の数ほどの本や技法が、世にあふれかえっている。その内容や効果のほどもまさに千差万別で、素人衆が手を出しにくいのもまた事実。

     そこで本書である。本書は、「オカルト系編集者、YouTuber」であり、あの「TOCANA」の創設者である著者が、自ら身を呈して、さまざまな「引き寄せ」の技法に挑戦。その実体験を生々しく語る、迫真の案内書である。採り上げられるのは、「シータヒーリング」「倍音セラピー」「タマエミチトレーニング」「ヘミシンク」「ブレインマシンKASINA」「アイソレーションタンク」そして「ブッダ直伝瞑想」、その他(そしてこの「その他」の部分が相当ヤバい)。
     文字通り「涙と根性」でそれらを体験した著者は、その結果として実際に幽体離脱はするわ、観音様のヴィジョンは見るわ、超絶美肌を手に入れるわ、「無」の境地に辿り着くわと、ともかく迫真のエピソードが目白押しなのである。

     引き寄せやスピリチュアルに興味はあるが、いまいちやる気が出ない、という人の背中を押してくれる一冊。

    扶桑社1650円(税込)

    (月刊ムー 2025年10月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

    関連記事

    おすすめ記事