直径10キロの小惑星の地球衝突で、人類は確実に絶滅! ほか今週のムー的ミステリーニュース

文=羽仁礼

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    5月23〜29日にかけて世界を騒がせたオカルト・考古学・民俗学などの最新不思議ニュースから、超常現象情報研究所と編集部が厳選!

    世界最大のチョウの化石

     1988年に兵庫県新温泉町で約250万年前の地層から見つかったチョウの化石が新種と判明した。この化石は1988年に地元の高校教諭が発見したもので、頭部などは欠けているものの胸や腹、羽がよく保存されている。完全な形で両側の羽を広げると84ミリになると推定され、今まで化石で見つかったチョウとしては最大という。日本でのチョウの新種化石の報告は2例目。5月24日付『日経新聞』夕刊に関連記事。

    https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88902830U5A520C2CE0000

    日本列島にはいつから人がいたのか

     奈良文化財研究所の国武貞克主任研究員らのチームは26日、広島県廿日市にある冠遺跡で発掘された石器群が、今から4万2300年前のものであることを明らかにした。国武主任研究員らは令和5年9月と6年9月に冠遺跡で発掘を行い、そのとき石器が発見された地層を放射性炭素同位体C14測定で調べたところ、4万2300年前という結果が出た。平成12年に発覚した旧石器捏造事件以後、日本列島への人類の到達時期については後期旧石器時代にあたる3万8000年頃という説が有力だが、今回はそれより古い中期旧石器時代の石器が見つかったことになる。5月26日及び27日付朝刊各紙に関連記事あり。

    https://mainichi.jp/graphs/20250525/mpj/00m/040/005000f/20250525k0000m040063000p

    沖縄「グスク時代」の謎

    12〜13世紀のグスク時代に築城された勝連グスク 画像は「Wikipedia」より引用

     5月28日付『朝日新聞』夕刊「沖縄の中世史、謎に光」は、4年前に沖縄県今帰仁村の「勢理客中道原洞穴遺跡」で見つかった人骨のDNA分析結果を紹介。この洞穴遺跡からは、人骨26体が見つかっていたが、国立科学博物館はそのうち9体のミトコンドリアDNAを分析した。その結果、4体は本土の日本人に多い大陸由来の渡来人系で、他の5体は沖縄に多い縄文系と判明した。また人骨の形状や埋葬の様式などにも、本土の影響が発見された。この人骨は11世紀半ばから14世紀後半のものと推定されが、沖縄ではこの時代に既に本土からの影響があったことが推定される。

    https://www.asahi.com/articles/DA3S16223752.html

    地球防衛最前線

     5月24日付『産経新聞』朝刊「テクノロジーと人類」は、小惑星の地球衝突を回避する「プラネタリーディフェンス」の手法について解説。直径10キロの小惑星が地球に衝突すれば、人類はほぼ確実に絶滅するが、このサイズの小惑星はすべて発見済で近い将来に地球に接近するものはない。直径50メートルから数百メートルのものは発見が難しく、できるだけ早期に発見して探査機を何度もぶつけ、軌道を変える必要がある。直径1キロ以上になるとこの方法では難しく、近くで核爆発を起こすなどの方法が検討されている。この規模の小惑星の大半は衝突しないことがわかっているが、未発見のものが現れる可能性もあるという。5月25日付『日経新聞』朝刊「科学の扉」も「プラネタリーディフェンス」について述べる。

    https://www.sankei.com/article/20250524-CPDNVEO3UBIWBKVZDKC5CPGXRE

    デトネーションエンジン開発

     名古屋大学などは燃料をより効率的に推力に変える、新しいロケットエンジン「デトネーションエンジン」を開発している。ロケットエンジンは燃料と推進剤を燃焼させてガスを噴出、その勢いで推力を得るが、まだ反応していない燃料や燃焼剤の一部も一緒に排出される。「デトネーションエンジン」は、燃焼室内の衝撃波によって生じる高圧燃焼反応「デトネーション」を利用して燃焼効率を高めるもので、実現すればエンジンの小型化や燃料積載量の減少にもつながる。すでに2回、宇宙空間での実験を終えているが、課題も残っている。5月27日付『日経新聞』朝刊「衝撃波利用、小型で多用途」に関連記事。

    https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=044&ng=DGKKZO88921080W5A520C2TJK000

    南極に日本の電波望遠鏡を設置

     筑波大学や国立極地研究所などのチームが南極に電波望遠鏡を設置する。計画では、この望遠鏡は南極にある日本の昭和基地から約1000キロ離れた内陸に設置される予定。すでに昨年度、望遠鏡用の架台や発電設備は設置済で、今年度中に南極観測船「しらせ」で望遠鏡本体を運ぶ。南極に日本の電波望遠鏡が設置されるのは初めて。5月29日付『読売新聞』朝刊「南極日の丸電波望遠鏡」に関連記事あり。

    https://www.yomiuri.co.jp/science/20250529-OYT1T50004

    羽仁 礼

    ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
    ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。

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