シュメールの神々は宇宙から飛来し、地球に文明を授けた!? 惑星ニビルと異星神アヌンナキ/羽仁礼・ムーペディア
毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、古代シュメールの神話に秘められた惑星と異星神、そして人類と文明誕生に関わる仮説について取
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書評家・ゲームコラムニストの卯月鮎が話題のゲームから連想されるオカルト、超常現象、不思議をピックアップ。これらを知っておけばゲームがもっと楽しくなるかも!?
ゲームファン注目の新たな和風オリジナルタイトル『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』が、7月19日にカプコンから発売されました。舞台は神住まう緑豊かな「禍福山」。しかし、いずこからか黒煙がたちのぼったかと思うと、山も村も穢(けが)れで覆い尽くされてしまいました……。
プレイヤーは巫女の護人「宗(そう)」を操り、昼には村人を浄めて職業を与え、夜には巫女に襲いかかる異形を鎮めていきます。異界の門から現れる魑魅魍魎「畏哭(いこく)」、神楽を舞い踊る美しき巫女「世代(よしろ)」など、エキゾチックで鮮烈なビジュアルが心に焼き付きます。
では、『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』から連想されるムー的キーワード3つを挙げていきましょう。
ゲームのタイトルは『祇(くにつがみ)』ですが、日本神話には天照大神を代表とする高天原に住まう天津神(あまつかみ)に対して、地上に土着する国津神(くにつかみ)という神々が存在します。国津神は「地祇」と表記されることもあります。
日本民俗学の父・柳田國男は、国津神が二分化し、大半は里へ下って常民(大衆)に混同し、残りは山に入り、または山に留まり、山人(やまびと)と呼ばれるものとなった……と、代表的な論考のひとつ『山の人生』に記しています。
天津神を奉じる渡来民族(農耕民)によって山に追われたのが、国津神であり、国津神を奉じる先住民だったという解釈もなされます。そして彼らは鬼や天狗といった妖怪とも同一視されるようになっていきました。
日本神話における国津神として名が通っているのは、「みちひらきの神」として信仰される猿田彦大神(さるたひこのおおかみ)でしょう。天孫降臨で瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が葦原中国に天下った際、案内するためにやってきた神で異様に長い鼻と赤く輝く目を持っています。案内の後、天宇受売命(あめのうずめのみこと)とともに伊勢の地へ戻ったと伝えられ、三重県には猿田彦大神を祀る神社の本宮として知られる椿大神社もあります。
その姿から天狗のルーツになったともされる猿田彦大神。手塚治虫のマンガ『火の鳥』の各エピソードに共通して登場する人物「猿田彦」「猿田」や、カフェ「猿田彦珈琲」の由来としても親しまれています。
『祇(くにつがみ)』では、山腹にあった村が穢れに覆い尽くされて変貌し、村人たちも動けなくなってしまいます。
現実でも怪異に襲われた村の話は世界各地にあり、日本でも地図から消えた村の噂がまことしやかに囁かれていますが、アメリカ史にはっきりと残る奇妙な出来事としては、「ロアノーク島植民地集団失踪事件」が思い浮かびます。
北米大陸の発見後、イングランドが初めて16世紀に移民を派遣した植民地・ロアノーク島(現在のノースカロライナ州の島)。1587年、100人余りの開拓者がこの地に上陸したものの植民地づくりは難航。そこで一行の総督を務めていたジョン・ホワイトは、救援隊を組織するため一旦本国へ戻りますが、帰還した彼を待っていたのは驚きの光景でした。
ホワイト自身の記述によれば「波打ち際近くに錨を降ろし、ラッパや呼び声で合図して、そのあとは誰もが知っているイギリスの曲や歌を演奏し、親しく呼びかけた。しかし答えはなかった」。翌日上陸したものの、雑草に覆われた小屋が残されていただけで、100人以上いたはずの開拓者の姿や形跡はまったくなし。木の幹には「C R O」という謎の3文字が刻まれていたといいます。開拓者たちがどこへ消えたかは歴史上のミステリーです。
『祇(くにつがみ)』では、穢れから助けた村人に、神の力を秘めた面をかぶせることでさまざまな職業を与えていきます。
人類と仮面の関わりは古く、紀元前4000年頃の北アフリカの洞窟遺跡タッシリ・ナジェールの壁画には、仮面をかぶった人物が踊っているような光景が描かれています。日本では青森県八戸市の一王寺遺跡から2021年に見つかった縄文時代中期前半の土面が国内最古とされています。
仮面は精霊や動物の力を憑依させるためシャーマンがかぶるほか、死者のための仮面もありました。19世紀ドイツの考古学者シュリーマンが発掘したギリシアのミュケナイの黄金仮面や、ツタンカーメン王のミイラにかぶせられた古代エジプトの仮面などが有名です。死者を悪霊から守護したり、逆に霊を封じたり、さまざまな呪術的役割があったとされています。
神秘的な力を持つ面は、ひとたびかぶると仮面が本人に取って代わり、外れなくなるという恐怖を秘めています。日本で有名な逸話としては、福井県あわら市の「肉付きの面」伝説があります。姑が嫁を脅すために鬼の面をつけたところ、顔に貼り付いて取れなくなってしまい、嫁が念仏を唱えることでようやく外れたそうです。
また、愛知県岡崎市の瀧山寺には天下の奇祭と称される「瀧山寺鬼まつり」で用いられる「孫面」「祖父面」「祖母面」という3枚の面が現存しています。なぜ「父面」と「母面」がないのか。それは、ある年の祭りに2人の男が身を清めず面をかぶったところ、顔から離れず息が詰まって死んでしまったそう。2人と2枚の面は本堂の西にある「鬼塚」に埋められました。こうした類話は少なからず存在します。
最近では、コロナ禍明けでマスクを外せなくなる「マスク依存症」が話題になりました。これも仮面の妖力なのかもしれません。
【参考文献】
柳田國男『遠野物語・山の人生』岩波文庫
ポール・ジョンソン『アメリカ人の歴史 1』共同通信社
クロード・レヴィ=ストロース『仮面の道』ちくま学芸文庫
祇(くにつがみ):Path of the Goddess公式サイト https://www.kunitsu-gami.com/ja-jp
©CAPCOM
卯月鮎
ゲームコラムニスト・書評家。雑誌、Web等でゲームの紹介、書評を中心に活動する。著書に、ゲーム実況のはしりとも言われる『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。
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