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かつて寺山修司が住み、演劇実験室「天井桟敷」が生まれた地・世田谷で開催される展覧会、その名も「寺山修司展」。生誕90周年に向けたイベントの見どころを紹介する。
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9月30日に公開されたばかりの映画『”それ”がいる森』の謎に迫る、ネタバレにはならない範囲のインタビュー。あなたなら、それに遭遇したとき、どうする?
山であれ湖であれ、「〇〇の主(ヌシ)」という言葉で呼ばれるものがある。“もの”という言い方をした理由は、それがごく普通の生物であるとは限らないからだ。精霊とか自然霊的なもの。地球上の物質世界の概念には当てはめられない存在。そういうものが深く関わる場合もあるのではないだろうか。
中田秀夫監督の新作映画『“それ”がいる森』は、まさにこうした感覚をテーマに据えた作品にほかならない。

公開前に、中田秀夫監督と主演の相葉雅紀さんにこの映画についてのお話をうかがう機会を得た。映画を見る側にいる人間たちのイマジネーションをかきたてるタイトルの向こう側には、どんな世界が構築され、広がっているのか。そして何より、“それ”とは何なのか。
筆者は、映画の舞台となっている「天源森」に見覚えがある。冒頭の引きの映像を見て、福島県飯野町の千貫森であることがすぐにわかった。
そして試写を見終わった後、千貫森が映画の舞台に据えられた理由も、よくわかった。“○○の主”とか“それ”という言葉で形容されるもの存在感を漂わせるのに、これ以上ふさわしい場所はなかったはずだ。
まずは、中田監督に映画の基本コンセプトについてお尋ねした。ジャンルミックスという印象の今回の作品において、言葉では明瞭に表しきれないものをテーマに据えたのはなぜか。
「最初は、千貫森で不思議なものの目撃が多いと言う話も聞いていたので、そこを舞台にして、パニックホラー的なジャンルの話になっていかないかと思っていました」(中田)
言葉では表せない存在と、それが宿る場所としての千貫森が主要の条件であり、それがきっかけとなって企画が走り出したようだ。
すでに映画を見させていただいている立場だからこそ言えるのだが、筆者は作品の核の部分となるキャラクターの特徴や特性に惹かれている。これまでにない描き方なのだ。
「まず、相葉君が演じる田中淳一・赤井一也の親子が”取り込まれる”という設定がありました。演出面での要素とか、気に入っている外見も生かして考えていって、最終的な答えを出しました」(中田)


こうしたテーマの映画に主演俳優としてかかわった相葉さんに、「ムー」が取り扱うような不思議体験はあるのだろうか。
「僕は、残念ながらありません。でも、共演の小日向文世さんが、撮影中にずっと現場に置かれていたムーを見ながら、『これ僕のバイブルなんだ』と熱く説明していただいたので、今は僕も何か見えたらなと思っています」(相葉)


見えるという話で広げるなら、本作のプロデューサー秋田周平氏がロケハンを含めた撮影現場でのさまざまな作業の中で何回か不思議なものを目撃し、映像に収めたという話もしていただいた。
中田監督は、こういう映像を見て子どもの頃の心躍るような感覚を思い出し、映画の具体的なイメージを膨らませていったようだ。
映画の観客に多く含まれるだろう子どもたちに向けてのメッセージを相葉さんにお願いした。
「僕が小学生だったら、本当に手に汗握って見るだろうと思う内容の映画です。そしてこの映画には、多くの子どもたちが出てきます。同世代の人が出ているというだけでも共感が持てるだろうし、もし自分があの場にいたらどういうふうに対処するだろうとか、どう対応するだろうとか考えると面白いと思います。僕が小学生だったとして、映画の通りのシチュエーションに置かれたら、危険であると言われれば言われるほど、そちらに惹きつけられるでしょう」(相葉)


『”それ”がいる森』という企画は、マスコミを含めてネタバレ厳禁という形でものごとが進んできた。今回お話を伺ったお二人は、監督そして主演というそれぞれの立場で、秘密を抱えながらの生活を強いられたということになる。このインタビューが行われたのは公開まであと1か月というタイミング。どのような心境で日々を過ごしていたのか。
「僕は、辛い感じはそれほどありませんでした」と笑う中田監督の言葉を受け、相葉さんが語ってくれた。
「僕のことは応援しているけれど、怖いのがダメなので今回は…というファンの方もいらっしゃいました。どなたかと一緒に観れば大丈夫だから観てください、と伝えておきました(笑)」(相葉)

さて、タイトルにもなっている“それ”とは何か。残念ながら、この原稿の中で具体的に紹介することはできない。
そのかわりに、「ムー」という媒体に長年関わっている筆者に特に刺さったシーンを紹介しておきたい。
森の中で奇妙なものを見つけた小学生二人が、ランドセルに差していたリコーダーで、そのものを叩いてみる。次の瞬間、意表を突くような甲高い金属音が鳴り響くーー。
このシーン、登場人物と映画のテーマの関係性を説明する上でかなり重要だと思うのだ。
観客一人ひとりがこうした“刺さる”シーンを見つけられるに違いない。
大勢で行って観て、帰りにファミレスに寄っていろいろ話す。
『“それ”がいる森』は、昔みんながしていたごく普通の映画の楽しみ方を思い出させてくれる作品だ。


映画『”それ”がいる森』
2022年9月30日(金) 全国公開
©2022「“それ”がいる森」製作委員会
公式サイト https://movies.shochiku.co.jp/soregairumori/
監督:中田秀夫
脚本:ブラジリィー・アン・山田、大石哲也
音楽:坂本秀一
製作:髙?敏弘、藤島ジュリーK.、田中祐介、井田寛
エグゼクティブプロデューサー:吉田繁暁、新垣弘隆
プロデューサー:秋田周平
撮影:今井孝博(JSC) 照明:水野研一 美術:塚本周作 録音:秋元大輔 編集:青野直子 装飾:松葉明子 衣裳:加藤哲也 VFXプロデューサー:浅野秀二 VFXディレクター:横石淳 特殊メイク・造形:中田彰輝 音響:大河原将
助監督:佐伯竜一 スクリプター:杉原奈々子 製作担当:篠宮隆浩 音楽プロデューサー:高石真美 企画・配給:松竹 制作プロダクション:松竹撮影所
出演:相葉雅紀、松本穂香、上原剣心、江口のりこ、眞島秀和、宇野祥平、松浦祐也、酒向芳、野間口徹 / 小日向文世
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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