君と悪魔と幽霊とで滅亡預言ミラクル3を結成したことはあるか?/大槻ケンヂ「医者にオカルトを止められた男」
突然の訪問者といえばセールスか勧誘か。そう身構えるオーケンが預言者であったかもしれないパラレルを回想する。
記事を読む
あたたかく、切なく、「尊い」、現代のおとぎ話集
会社帰りの熱帯魚店で人魚をみかけ、ついつい衝動買いしてしまった。通学路に落ちていた卵をあたためてみたら、ハーピーのひなが生まれた……。
先月発売されたコミックス『OLと人魚』は、おとぎ話に登場する美女と、ふつうの女性、少女とのふれあいを描いた7つの物語からなる短編集だ。
「熱帯魚ショップで人魚を買う」といわれるといかにもなファンタジー設定の作品のようだが、本書が放つ雰囲気は少々独特。この現実とほとんどかわらない日常のなかに、ごく当たり前に雪女や鬼の一族が隣り合っている、そんな世界観、距離感が全編を通して貫かれているのだ。
だから、何十年ぶりに出会った幼馴染みが天狗だった、といった理性で考えると一瞬「??」となるような導入も、ふしぎと違和感なく、すっと受けいれられてしまう。妖怪好きのムー民にも、ぜひおすすめしたい一冊だ。
各話それぞれの結末には、人の心のほの暗さや社会の切なさを感じさせるものもあって、全てがハッピーエンドとはいえない。だがその余韻も含めてじんわりと心にしみる、「尊い」物語たちなのだ。
『OLと人魚』(司馬舞著、税込903円、イースト・プレス)
webムー編集部
ランキング
RANKING
おすすめ記事
PICK UP
関連記事
君と悪魔と幽霊とで滅亡預言ミラクル3を結成したことはあるか?/大槻ケンヂ「医者にオカルトを止められた男」
突然の訪問者といえばセールスか勧誘か。そう身構えるオーケンが預言者であったかもしれないパラレルを回想する。
記事を読む
昭和怪奇タッチで「人類滅亡」を描く! 画報スタイルで甦る怪奇世界
妖怪、都市伝説ときて…最新作は一冊まるまる「人類滅亡」だ!
記事を読む
巨大“おそそ”神輿「大縣神社豊年祭」ほか 3月の奇祭まとめ
全国各地に春を呼び込む、ユニークな3月の奇祭の数々。
記事を読む
映画『忌怪島/きかいじま』で心霊ホラーと民俗ホラーが融合する! 清水崇×吉田悠軌 対談
映画『『忌怪島/きかいじま』で描かれる異界と恐怖について、監督・清水崇とオカルト探偵・吉田悠軌が対談。島の民俗ホラーとVRで現出する心霊ホラーの両界にまたがる作品構造とは?
記事を読む
おすすめ記事