紛争地帯でUFO目撃!? 丸山ゴンザレスが語る「地球の歩き方ムー」の危険な魅力

文=高野勝久 写真=我妻慶一
取材協力=極楽満月

    『地球の歩き方ムー』の発売にあわせ、国内外の裏社会や危険地帯の取材で著名な丸山ゴンザレス氏にインタビュー。ジャーナリスト、國學院大学学術資料センター共同研究員、YouTuber、編集者などさまざまな顔を持つ旅の達人が考える「異世界の歩き方」とは? (2022年2月7日掲載記事の再録)


    画像

    旅の達人が『地球の歩き方ムー』を読む

    ーー事前に『地球の歩き方ムー』のゲラ(印刷前の確認用)に目を通していただきましたが、率直な感想はいかがでしたか?

    丸山ゴンザレス 情報量がすごいですね。もすごい数のムー的スポットを紹介しているから、ひとつひとつを本文だけでは掘り下げきれずにコラムで補足していて、製作サイドの苦労も伝わってきます。
    また『地球の歩き方』読者としては、「歩き方」フォーマットでムー的スポットが紹介されているのが面白いなと思いました。「幽霊ホテル」「UFOスポット」といった不思議スポットの情報と、アクセス方法のようないわゆる普通のガイドブックに載っている情報がうまく組み合わされている。その合致がとても面白いです。
    あとは『地球の歩き方』の読者であれば必ず読む、「情報収集に役立つサイト一覧」のコーナーなんかも中身がムーっぽい。持ち物リストでも「UMAを探す」「本格的な冒険の場合」等々芸の細かいパロディ的な感じがいいですね。
    個人的なことをいうと、リストで必要度が星ふたつ評価になっている折りたたみエコバッグ、これは星マックスだろうと思います。海外で変なスポットにいくと、結局なにも見つからなくて最後に八つ当たり的にお土産を買ってくるものなのでエコバッグは必需品なんですよ。

    大ピラミッドの観光情報にムー的な見解のコラムが挟まれる。「地球の歩き方ムー」ならではの誌面。
    「地球の歩き方」シリーズでおなじみの「荷物」情報。折りたたみエコバッグは、ムー的な旅だとさらに重要!?

    UMA、オーパーツを巡る旅

    ーー紹介しているスポットのなかで、これまでに行かれた場所もありましたか?

    丸山 ありましたよ、行った場所は読んでいても楽しかったですね。たとえばオレゴン州のサスカッチ出没地域。ここはその昔、現地まで行って調査した場所です。まず、マウントフットの山小屋に行ったんですが、そこで「サスカッチ探しに日本から来たんですけど」といったら店主のおばさんに手を叩いて爆笑されました。まあ夏でも雪が残るような場所で、トレッキング客しか来ない山小屋に、短パンTシャツにパーカー、サンダルばきの日本人がきてそんなこといったら、そんな反応になりますよね。
    ただ、こちらもハートが強い方なので、その人に「サスカッチはいると思いますか」とさらに聞いたら、「いるにきまってんじゃん、そこに土産のTシャツ売ってるから買って帰りなよ」と半笑いで返されました。こういうときに折りたたみエコバッグが活躍することになるんですよ(笑)。
    でもUMA探しのようなことは、そういう体験もひっくるめて面白いんですよね。この本を使ってそんな楽しみ方をしてもいいと思います。僕はもうサスカッチ探しには行きませんけど(笑)。

    ーーUMAで街おこししている地域も多いですからね。

    丸山 UMA、古代遺跡、それからパワースポットは観光と両立しやすい。旅、観光からお土産までがセットにしやすいんですね。それに、この手のオカルトスポットは「現地でヘンなお土産買って帰る」まで込みになっていないと行った側も満足できないんですよ。
    ただし、現地のお土産では注意しなければいけないことがあります。たとえば南米ボリビアの魔女通りの屋台ではアルパカの干物が普通に売られていて、観光客でも買うことができるんですが、これは日本に持ち込めません。基本的に生物は日本に持ち込めないので、どうしても必要があれば税関に申請を出して、許可を得なくてはならない。現地で「土産」として売っているから、単に珍しいから欲しいだけという理屈が通るかどうかわからないですね。多分、無理だと思いますけど。ムー的スポットの旅をしたい人は見極めにはぜひ気をつけてください。

    ーー海外から刃物の呪物を持ち込もうとして税関で没収された人を思い出しました。

    丸山 他に実際見たものでオススメというと、ギリシャの「アンティキティラ島の機械」です。あれはギリシャ市内の考古学博物館に展示されているんですが、博物館がわりと街の奥まったところにあるので観光客が少ないんです。最近パルテノン神殿のほうに新しい博物館ができたために観光の流れが変わって、団体客なんかみんなそっちにいってしまう。そんな背景もあって僕が見に行った時はガラガラでした。

    ーーオーパーツ界ではスター級の存在なのに! 現地ではそんなマイナーな扱いなんですね。

    丸山 その時は、博物館でも僕だけが見て興奮してるんですよ、「おお、これかー」と。意外に穴場、狙い目のオーパーツですよ。

    「地球の歩き方ムー」の”合致”と”情報量”に驚いたという丸山ゴンザレス氏。

    銃撃戦の最中にUFOを目撃?

    丸山 ところで、「ムー」の編集さんともなるとUFOって目撃するんですか?

    ーーこの仕事を始めてからは逆にないんです。丸山さんはいかがですか?

    丸山 お断りしておくと、僕は今もアカデミックな立場に身を置いているので、UFOを研究対象として本気で調査するということはできないんですよ。でも信じる、信じないではなく、そういうものがあったら面白いなとは思っているんです。
    ただ、一度奇妙なものをみたことはありました。
    メキシコの麻薬戦争の取材にいった時なんですが、取材旅行も最終盤に差し掛かったあたりで、市街地で抗争が勃発し銃撃戦がはじまったんです。軍隊も出動する規模になって、取材チームは市街から少し離れた場所に待機していたんですが、僕はもうぜひ取材にいきたい。その時に同行していたのはテレビ番組のディレクター(カメラ持参)が一人だけ。その彼は「そこまで命は懸けられない」と言い切った。すごく真っ当な意見なんですが、それで結局銃撃戦の現場には行かずに取材を終えることにしました。
    銃撃戦以外にもこの取材はいろいろ奇跡的なことが重なって、もう二度とこういう経験はできないだろうと思っていたんですね。その最後の最後が「取材せず」という終わり方で、もやもやした気持ちを落ち着けなきゃいけないと思い、ひとりで頭を冷やしていたんです。
    そんな状況でふと空を見上げたら、なにか白く、白銀に光る物体が上空をシューっと流れていくんですよ。落ちてくるのではなくて、下から上に「くいーん」とあがっていく感じで。

    ーーそれはまさか!

    丸山 で、それをみて、「どうでもいいわ」と(笑)。
    文字通り命からがらの取材の最後がそんな終わり方で、当時の気持ちとしては「なんだよUFOかよ」と。やさぐれてました(笑)。そういう時は多分ネッシーをみても何も感じないんだと思いますよ。
    それから最終日にメキシコを発つ飛行機に乗り、旅を振り返っているところで、「あれ…そういえば取材の最後になんか飛んでたな…あれUFOだったよな!」と。何で俺は写真撮っておかなかったんだ!と思ったのがもう目撃から数日たってからでしたね。
    UFO取材が目的で行っていれば違ったんでしょうけど、当時はUFOよりも麻薬カルテルや銃撃戦のほうがリアルに怖かったですからね。

    ーー「恐怖」や「不思議」への感覚が痲痺してしまっている状態ですね。

    丸山 ……ところが、話は終わらないんですよ。今日は「ムー」の取材だしそんなUFO目撃の話をしようと考えていたんですが、まさに数時間前、海外ニュースをチェックしていたら気になる記事が目にとまったんです。それは、僕が取材していた麻薬カルテルがドローンを使ってミサイルを落とす兵器を開発していて、その映像が流出した、というニュース。
    映像をみたら本当に上空からミサイルをばんばん落としているんですが、そうなってくると、あれ待てよ、俺がみたアレはもしかしたら……。

    ーードローン兵器のテスト飛行だった可能性が!?

    丸山 犯罪組織ってけっこうドローン使うんですよ。麻薬の運搬にドローンを使ったのもそのカルテルが最初だったはずです。そう考えていくと、UFOだと思ったあの白銀のものも実は兵器だったんじゃないか……という、宇宙人よりも怖い方向につながってしまった。

    ーーそれこそ「UFO米軍兵器説」はずっと昔からありますが、新説「麻薬カルテルのドローン兵器説」、説得力があります。話が1回転半して、最終的にはUFOさえも「人怖」、裏社会ネタになってしまいました……。

    丸山氏が「気づいてしまった」ドローン活用の情報。

    「ムー」「ムー的なもの」を楽しむ力

    ーー危険地帯は死が身近な現場でもありますが、海外で霊体験の経験はありますか?

    丸山 まったくありません。幽霊がいて、会えたら面白いなとは思います。魂や目に見えないものがあるという考えは興味深いですが、たとえば海外の取材先で暗闇があると、そこは幽霊が怖いというより「ヤク中」がいるんじゃないかとか、やっぱりそっちの「人怖」になってしまうんですよ。
    お墓だったら、海外だと墓地に住んでいる人がいたり、麻薬の受け渡し場所として使われていたりする。そういう方面の怖さには実際に遭遇もしたし、巻き込まれたこともある。それが染み付いているので、暗闇を見て「幽霊怖い」という方向に感覚が向かわないんですね。

    ーー「幽霊よりも、そんな場所にいる人間のほうが怖い」は、実話怪談、怪談現場取材でもよく聞く話です。

    丸山 でも今回『地球の歩き方ムー』を読んで思いましたが、オカルトスポットや「ムー」的なものって、楽しむ側にもセンスや努力が必要ですね。そういうものが求められますよね。
    「ムー」を楽しむ力があるかどうか。「ムー」というとそれだけで顔をしかめる人もいると思うんですが、オカルト的なものを正論で攻めたり上からものをいったりしても、面白くもなんともない。もしも読んでいろいろいう人がいたら、それはあなたの「ムー」的な力が足りていないということ。理系の人でも「ムー」的な興味はあっていいし、宇宙人に会いたいからNASAを目指すんだって人がいてもいいわけじゃないですか。
    「ロマン」というのは、正論や理詰めで突き詰めるものではないと思うんです。最近は正論を吐く人が増えているようですが、そういうことをするたびに魂が削れていくんじゃないかな。相手を正論でやり込めるよりも、楽しんだ方がいいじゃないですか。
    それと、話が逸れるかもですが、『地球の歩き方ムー』にはカッパドキアもとりあげられていますが、僕も地下空間が好きなんですよ。ただ惹かれるのは観光地化されていない、観光マップの外にある地下。海外だと継ぎ足しで掘り続けているためにもはや行政ですら把握できていない地下空間が広がっている街も多いんです。
    ニューヨークでは地下鉄のなかにさらに下に降りるマンホールがあり、「このずっと先は軍の基地に繋がってるんだぜ」なんてことをいう人もいる。さすがに秘密基地となるとウソっぽいんですけどね。でも廃棄された謎の駅とか秘密の空間みたいなのは実際にあるし、行ったこともありますから。そういう類のロマンはやっぱりあったほうがいいですよね。

    ムー的な旅のネクストブレイク候補はタイ

    ーーこの先チェックしておくべき、まだ注目されていない海外のミステリースポットはあるでしょうか?

    丸山 今後版を重ねていったときに、入れて欲しいなと思うのが東南アジアですね。以前、タイ在住のライター高田胤臣さんの『亜細亜熱帯怪談』という本の製作に協力したことがあるのですが、タイや東南アジアには今もまだオカルト的な現場が残っているんですよ。
    たとえば日本では「昔ここにあったお屋敷で事件があってね……」といった導入の怪談がありますが、タイだとまだその古いお屋敷が実際に残っているわけです。現場が残っていて、見学できる。そういう面白さがある。
    最近はだいぶ有名になってきているけど、タイの人は本当に怪談やオカルト話が好き。その本の取材で深夜に幽霊が出るという場所にいった時も、現地の人が様子を見にくるんですよ。タイでは幽霊をピーというんですが、「この辺にピーが出るというので……」と話をふると、「ああ、そこの道でしょ」なんて、その手の話を誰でも知っているんです。そして現地の人たちがピー話ですごく盛り上がる。僕がいつもやっている裏社会取材と反応がずいぶん違う(笑)。
    それとタイですごく印象に残っているのが、「タイのシマウマ」です。タイにいくと、シマウマのフィギュア(人形)がそこらじゅうに置いてあるんですよ。ある時なんとなく高田さんに「なんでシマウマのフィギュア置いてるんですか?」と聞いたら、当たり前のことのように「そんなの人が死んだからに決まってるじゃないですか」と。そういわれてもこっちは「は??」という感じで、そこではじめて「タイ人は人が亡くなるとその場所にシマウマを置くんです」と教えてもらった。
    それこそ20年以上タイに通っていましたが、その瞬間までそんな風習は全く知らなかった。そしていざ「シマウマ」の事実を知ってしまうと、見える世界が一気に変わってしまった。
    あそこにもある、ここにもある、立派なホテルの敷地内にも原寸大のシマウマ像が置いてある……!と、それまでもシマウマは目には入っていたけど、見えてはいなかったんですね。ここにはものすごくたくさんシマウマがある!と思ったら「病院の跡地だから当たり前ですよ」なんて言われたり。
    オカルトスポットって、気づきだすとどんどん見つかるんです。そしてそれはタイに限ったことではない。いちどその目が開くと、世界の見え方が変わってしまう。

    ーー知ることで世界の見え方が変わるのは、文字通りのオカルト体験です。

    丸山 アジア圏はまだ妖怪がいきていますし、手付かずでもあり掘り下げ甲斐がある。ただ取材は難しいんですよ。こうした取材は会話のなかの微妙なニュアンスを取りこぼさないことが肝なので、現地語をネイティブレベルで扱えて、土地の文化にも造詣が深く、さらに文章も書けるという人でないとできない。そこが難点ですね。

    「確認作業」ではない旅をするために

    ーー丸山さんレベルになると『地球の歩き方』はもう参考にならない、なんてことはありませんか?

    丸山 そんなことない、『地球の歩き方』は今でも使っていますよ。最近は旅行ガイドブックに文句をつける人も多くなっていますが、これは旅人に限らず日本人のメンタリティが変化した象徴みたいなものです。ガイドブックが「正解」だと思ってしまっている。ガイドブックはあくまで目安、指標としてチェックするものなんですよ。このくらい時間がかかると書いてあるけど実際はどうかなと窓口で確かめる、そんなことは旅の常識です。
    「こう書いてあるのに間違ってるじゃないか」なんて文句いうのは、使い方がわかっていない。たとえば旅慣れた人は、ガイドブックだけを参考にそのままホテル決めるなんてしないですよ。あくまで宿代はいくらぐらいのものなのかな、と現地の相場観を知るためにあるのがガイドなんです。

    ーー正解を求めすぎる、検索結果、掲載情報を絶対視したい世間の傾向は感じます。

    丸山 だいたい、ガイドブックにある通りにコース巡ってスポットいって……って、それじゃあ自分で歩いてないでしょう。「日本人のメンタリティの変化」といったのはそこで、やることが「確認作業」になってしまっているんです。ガイド通りの計画を立て「はい、ここ来られたね、ここにも来られたね」と回って、誰かが撮ったのと同じ写真を撮って「同じもの見られたね」って、それはもう確認作業ですよね。
    面白いこと、旅の醍醐味というものは、予定外のこと、想定外の事態に直面してこそ出てくるんですよ。『地球の歩き方ムー』はサブタイトルが「異世界の歩き方」ですが、僕にとっての「異世界」とは、文化の違う場所のことです。言語や風習の違うところにいけば、そこが僕の異世界なんです。異世界、すなわち自分の想像を超えるものに出会いたいじゃないですか。
    「ガイドブックの時刻表が間違ってた。こんな本は信用できない」なんてね、そう思うのなら最初から電車やバスでなく、車をチャーターすればいいんです。身もふたもないですが、基本的に旅のトラブルはお金があればカタがつく。車をチャーターしてスケジュールをきっちり固めていけば、全くトラブルのない旅ができる。それを車からタクシーに、バスに、徒歩に……と金額を下げていけばそれだけリスクはあがっていく。自分がどのレベルの旅を求めているのか、それは意識していないといけない。お金をかければリスクの少ない旅ができる。だからといって「貧乏旅」だったらいいということではありません。僕も若い頃はずいぶんやりましたが、結局「貧乏旅」って経験できることが誰でも同じなんですよ。やれることが限られるから同じようなことしか体験できない。むしろカネやコネを使ったほうが面白い旅になる。それは当然ですよね。
    「ムー」的な旅をするにしても、たとえばコネがあれば入れる場所というのはある。コネといっても悪い意味ではなくて、たとえば海外の宗教的な聖地にも、日本の宗教者の推薦がもらえたら入りやすくなるということがあるかもしれない。そうなれば、ただの観光旅行で得られる以上の体験ができることになります。
    だから普段からちゃんと日本で働いて、社会的なポジションを築くといったことも旅の大切な準備になってきたりするんです。もちろん、とりあえず行ってみる、見てみるという旅のありかたもまったく否定しませんが、ただ「見た」で終わりの旅にはしてほしくないですね。

    次に行きたい場所は……?

    ーー新型感染症の流行で渡航が難しい現在ですが、今後、行っておかないと、という場所はどこでしょう?

    丸山 オリンピック前にフランスには取材に行きたいと考えていますが、しかし次回のオリンピックがそこまで注目されるかどうか……。ロシアとアフリカは主に政治的なリスクが高くて、投資とリターンの釣り合いが難しい。中南米も行きたい地域ですが、変化の速度が尋常でないのでいくタイミングが難しい。
    そんなところで考えると、今一番行っておきたいのはアメリカです。イリノイ州にカホキアというピラミッド遺跡群があるんですよ。マウンド型のピラミッドが広範囲に100基以上も現存する、ミシシッピ川沿いに栄えたアメリカ先住民の遺跡です。じつはアメリカには古代遺跡も多いのですが、「古代遺跡とアメリカ」って意外に意識が結びついていない人も多いので、そのあたりを掘り下げていきたいなと思っています。

    ーーミシシッピのピラミッド群、気になります!

    丸山 あと、「沈没都市」に注目しています。南太平洋の国々なんか海面上昇で悩まされていますが、歴史を紐解けば数多くの都市や集落が海中に没しています。日本だと、例えば、北海道東部にある野付半島。ここは江戸〜明治時代には海洋交易の要地になった港町で、かつては役所が存在し遊郭まであったといわれるんですが、今ではその建物がすべて水没してしまっている。
    これからの時代は温暖化による海面上昇の影響で水没する土地も増えるといわれていますが、「沈没都市」的なものはこれから探っていきたいスポットです。
    あとは、「ムー」的な意味合いとはやや一線を画するんですが、いま宇宙に興味を持っていて、宇宙に関連のある街を回りたいなとも思っています。
    日本ならば、北海道の大樹町はいま「宇宙のまちづくり」「大樹から宇宙へ」をスローガンに掲げてロケット発射施設や実験基地を誘致している。そのような宇宙開発に関わっている町だとか、海外ならばそれこそエリア51や、『未知との遭遇』のデビルズタワーのような場所も広く含めて「宇宙に近い町」というものをまとめてみたいと考えています。国によっては宇宙基地は軍事施設扱いになるので取材が慎重になる部分もあるんですが、観光で回れるスポットだけでも面白くなるんじゃないかと構想しています。

    ーー「地球の歩き方ムー」、もし増補版を出すことになれば……またまた分厚いことになりそうです。

    ●丸山ゴンザレス/ジャーナリスト、國學院大學学術資料センター共同研究員。日本の裏社会や海外危険地帯の取材を重ねる、旅の達人。

    関連記事

    おすすめ記事