1963年から続く神事「キリスト祭」と謎の舞踊「ナニャドヤラ」! 伝承が伝統となる信仰的文化の現在地
村民自ら「奇祭」と称する「キリスト祭」を現地取材。古史古伝を受け入れ、伝統文化に織り込む神事の実体とは……。
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イエス・キリストは八戸に来ていたし、青森にUFOは出る! 地球の歩き方とムーを混ぜた、日本の旅とミステリーについてのトークイベントの模様をお届け。
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2024年4月18日、『地球の歩き方 ムーJAPAN 〜神秘の国の歩き方〜』の出版記念イベントとして「地球の歩き方vsムー 旅のミステリー対決! 青森キリストの墓の仕掛け人も参戦!」が開催された。
登壇者は、株式会社地球の歩き方社長・新井邦弘氏と「ムー」三上丈晴編集長。ここに「青森キリストの墓の仕掛け人」こと角岸秀伸氏が参戦、さらにムー愛読者・ムー民であることを公言するアーティスト坂東工さんが司会としてこの荒馬たちの手綱をひくという異例のトークイベントだ。
事前の記者発表会見からエンジン全開だった三上編集長と新井氏。本番ではどんな激論が繰り広げられるのか?
登壇時には三上編集長だけでなく新井氏までサングラスに黒スーツというムールックで登場。早くもムーの闇に染まってしまった……のではなく、「ムーと地球の歩き方は『混ぜるな危険』なものではない」という話をするためにあえてこのスタイルを選んだそう。
イベントは、どうして『地球の歩き方 ムー』が誕生したのかというエピソードからスタートした。きっかけは株式会社地球の歩き方社長に就任した新井が、かつて在籍していたことがあるムー編集部にあいさつに訪れたこと。その雑談のなかで社交辞令的に「なにか一緒にやりましょう」といったところ、嘘から出た真のようにコラボが実現したのだという。
三上「この話は地球の歩き方のほうからきたんです。ムーが持ちかけるなんて畏れ多いことはしてませんから」
新井「地球の歩き方は基本的に海外を扱っていて、日本のネタはあまりノウハウがなかった。そしてコロナ禍で地球の歩き方の売り上げが95%減。この状況で国内に目を向けたタイミングと、ムーとのコラボの件がタイミング的にぴったりはまったんです」
三上「これはもう平将門公のお導きですね」
しかしムーはともかく、地球の歩き方はふしぎなできごと、ミステリーをどう思っているのだろう。じつは地球の歩き方の関係者は、旅先で不思議な現象にであうことがけっこうあるのだという。
新井「海外をバックパック旅行していると、ある国で仲良くなった人と、数ヶ月後に別の国でばったり出会うということが何度もあるんです。駅前を歩いていたら向こうから歩いてきて鉢合わせたとか、5分タイミングがずれていたら会わないですよね。そういうシンクロニシティ、運命みたいなことを僕も経験したし、編集部員でも経験者は多い。〝地球の歩き方あるある〟なんです。そういうふしぎなことってけっこうあるんですよ」
対する三上編集長は、取材旅行先でのこんな怪奇体験を披露。
三上「淡路島にいったときに、“出た”ことがあります。旅館で寝ていたら、お腹の上に白い服の女が正座して乗ってるんです。えっ? と思って目を閉じて見直してもやっぱり乗っている。朝になったら同室に泊まっていたライターに『うなされてたねえ』と言われて、よっぽど宿の人に尋ねようかと思ったけどやめました。ところがあとで島の人と話していたら『ああ、あの旅館のあの部屋でしょ。あそこはでるでしょう?』と……」
シンクロニシティと実話怪談という、いずれも旅先でのミステリー。地球の歩き方とムーはやはりもとから相性がよかったのかもしれない。
『地球の歩き方 ムーJAPAN』は日本中の不思議スポットを紹介し、結果400ページという大ボリュームになっている。旅行ガイドとしてはもちろん「神秘とはなにか?」について考えるためにも意味があるようだ。
新井「ただスポットをおすすめするのではなく、『なぜここにこんな話が伝わってるんだろう?』という点を追究したい。青森にキリストの墓があるなんて普通なら何それ? で終わるような話ですよね。でも、なぜそんな話が伝わってるんだろう、というところを考えてみたい。たとえばポルトガルにファティマという場所があります。「ファティマの予言」で有名になった場所で、今ではすごい聖地になっているけれど、予言があったのは20世紀の話です。つまり新しいからフェイクだということでもないんです。時代が新しくても人の心を動かすものはある。そういうことを考えてみたいですね。その根本にあるものは、ドラマ、ストーリーでしょう」
三上「そして、ドラマは増殖していく。人々が語り継ぐうちに、単純な話だったものに枝葉がついて増殖していくわけですが、それはある意味では神話が生まれるプロセスをみているようなものです。神話といえば日本でもかつては『日本書紀』が主流で、『古事記』はごく一部しか読んだことがなかった。近代は『古事記』リバイバルの時代。体系化されたのは19世紀ですが、しかしそれをした人たちがアヤしい。平田篤胤なんて霊界通信してますから。オカルティストなんですよ」
新井「オカルティズムの流行は19世紀ですね。19世紀には、それまでは宗教的な観念で済んでいた色々なことが、科学的な説明を求められるようになる。するとそれまで信じていたことが信じられなくなっていくわけです。だけど一方で、不思議なものは残っている。それじゃ不思議なものを説明できないじゃないか、となったところでオカルティズムが出てくる。その残滓となっているのが、今のファティマや『キリストの墓』なんじゃないか」
今の時代ホットなテーマである「オカルトリテラシー」が話題となる場面も。
新井「現代はフェイクニュースが増えている時代、しかも政治や実社会に与える影響が加速度的になっている時代です。オカルトに対して『あやしいけど面白いね』と余裕と距離感を持って、『なぜ』という部分にも関心を払う。意図的なフェイクに惑わされないためにも、適度にオカルトに触れておくことも大切だと思いますね」
三上「『地球の歩き方 ムー』では、地球の歩き方の枠とムーの枠がパッとみてわかるように分けられている。子どもが読んで『ここにこんなこと書いてあるよ』といっても、親御さんは『よくみてね、ここはムーのところでしょ』と教えることができるようになっているんです」
新井「そこは意図的にそう編集しましたね(笑)」
ムーと地球の歩き方のパートを一目瞭然に分けるというテクニカル(?)な編集のほかにも、『地球の歩き方 ムーJAPAN』には前作の世界編とも違った工夫が凝らされているという。
新井「『地球の歩き方ムー JAPAN』は、『行ける異界』ガイドを目指しました。世界のミステリースポットをコンプリートするのはなかなか難しい。僕もイースター島いきたいなと思うけど、簡単にはいけない。世界編がインドアな『妄想旅』のための本とすれば、日本編は実用版です。そのため、旅行ガイドとして実用してもらえるよう本書は都道府県別の編集になっています。青森の温泉入るついでにキリストの墓もいってみようか……という使い方ができる」
三上「あとは、自分が住んでいる場所のオカルトね。近所に花見にいったら、ここにこんなスポットあったの? 見てみようか、というふうにも使える。なんといってもまずは本物を見ることです。話はそこからですよ。本物をみると、思ってたのと違う……となることもあるんだけど、その絶望を味わってからです(笑)。たどりついたのがどんなガッカリであっても、本物が持っている意味を感じてほしい」
話は右へ左へと展開し、後半はいよいよ「青森キリストの墓の仕掛け人」こと新郷村ふるさと活性化公社の角岸秀伸氏が登場。キリストの人生の謎に迫るさらにディープなトークが展開された。青森のキリスト伝説とは……。
角岸「キリストは青森を歩いてたんです。キリストの墓は1935年、昭和10年に新郷村、当時の戸来村を訪れた竹内巨麿という人物が、これがキリストの墓だと発見した……と、オフィシャルではそういうことになってます」
三上「聖書には、キリストの12歳から30歳までの17年間の記録がいっさいない。つまりどういうことか。この間キリストは中東にいなかったんです。この時期が第一次キリスト日本上陸。そして、次にはりつけにされそうになったところで弟のイスキリが身代わりになり、キリストは青森に帰ってきた。これがキリスト再上陸。ここまでは基本中の基本です」
角岸「今、インバウンドでキリストの墓にくる外国の人もすごく多いんですよ。夜遅くまで大人数で墓のまわりにいて、ぐるぐるまわりだしたりして。怖いから夜7時で帰ってくださいってお願いしたこともあるぐらい(笑)。毎年キリストの墓でやっているキリスト祭りも今年で60周年です」
新井「地球の歩き方のスタンスとしていうと、『キリストが青森まで行けるわけないだろ』という反応もありますが、Googleマップで検索するとエルサレムから青森までの距離は12050キロ。徒歩でのルートと時間まで表示されるんだけど、それをみると2540時間とある。1日8時間歩くとすると1年かかりらない距離です。つまり『行けるわけないだろ』ということではないんだよね……と、これが地球の歩き方的にいえることですね」
角岸「青森にはお釈迦さまの墓もありますし、ピラミッドもあります。地元では数十年前でも赤ん坊の額に墨で十字を書く伝統があった。同級生にも書かれた人がいます」
新井「私は大学では史学専攻だったんですが、歴史は事実立脚性と論理整合性を重視するんです。つまりファクトと論理を大切にする。これは地球の歩き方でもやっているし、じつはムーもやっている。なのになぜ水と油だと思われるのか。大きな差は、違いに注目するか、似ている部分に注目するか、です。たとえば青森でキリストの墓を守ってきた家の家紋である桔梗紋と、五芒星が似ている。あるいは新郷村に伝わる祭り唄『ナニャドヤラ』がヘブライ語に似ている。お神輿は聖櫃(アーク)に似ている。こういう似ているところを見ながら、かつ違う部分を探すのが歴史学なんです。逆に似ているところに注目するのがムー。どちらもベースはファクトにあるんだけど、フォーカスする部分が違うんです」
ところで、偉人の墓もピラミッドもある青森は、なんとUFO目撃情報の多発地帯でもある。角岸さんのもとにはそんな目撃談が寄せられるのだが、新郷村の公社としては「UFO見た」といわれてもどうしようもない。……ということでムーに相談が持ちかけられ、2023年、とあるイベントが誕生した。それが「新郷村×ムー ミステリーキャンプ」だ。ミステリーキャンプは、新郷村の特設会場でキャンプを行い、キャンプファイヤーでUFOを呼ぼうというイベント。昨年の好評を受けて2024年にも9月に開催が決定している。
……と、そんな話をしているイベント最終盤になり、新井氏の口から
「僕も昔UFOみたことがあるんですよ」
と衝撃的な思い出話が発された。目撃したのは中学生時代の、部活動の帰り道。ふとみあげた上空に葉巻型の大きな光があり、そこから小さな光がいくつもでていたというのだ。まさに母艦と小型艇UFOのパターンだ。この話はこれまで三上編集長にも話したことがなかったという。
三上「そういうUFOが、新郷村のミステリーキャンプにいけば見られます!」
新井「その言い方は旅行業法的にはよくないんだけどね(笑)」
三上「ムーだから!」
旅行業法では、不確実な要素を前提に集客してはいけない。ミステリーキャンプについて「UFOが出る」確証については、一応は不明とさせていただく。
ともあれ、ミステリースポットとはなんなのかという視点からUFOに至ったトークイベント。ムー日本各地のコラボはこの先も深く、広くなっていきそうだ。
webムー編集部
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