「精霊を呼ぶ」実験の想像を超えた結末! 音と電磁波で精霊が見えるメカニズムを徹底考察/久野友萬
世界各地に共通する“よく似た精霊”の存在。これは単なる偶然ではなく、私たちの体に起こる変化が関係しているからだった!? 今こそ科学的に紐解く!
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いわゆる「気」は電磁波の一種ーー。であれば、測定も可能なのでは? 占い師の「気」を測定実験!
2023年3月、私はちょっと怪しげな機械を買ってみた。電磁波測定器である。
私は昔から超常現象的なことに興味があり、幼少期から「気」やら何やらに関するテレビ番組を見ているうちに「電磁波」という単語が関係していることを知った。犬が主人の帰りを認識できるのは足音や臭いとかではなく電磁波であるという説などは記憶に残っている(参考)。ここ最近読んだ町好雄先生の「『気』を科学する」という本の中でも、町先生は電磁波の一種である遠赤外線が「気」に関与していると考え、サーモグラフィーによる実験を試みている。
というわけで、私は試しに電磁波測定器を買ってみたのである。
Amazonで4000円弱で買った代物なのでどのくらい正確かは定かではないが、家電に向けるとノートパソコンで電界26〜34V/m、電子レンジで電界240〜246V/m・磁界11.9〜21.3mGと、わりと反応するのではないか。それではということで、私はとある知り合いの占い師さんにご協力をお願いした。
2023年9月7日下北沢某所。私はキツネツキさんが経営する「結び屋キツネツキ」というお店に来ていた。キツネツキさんはサイバーパンク関連のイベントで何かとお世話になっているカメラマンさんで、「結び屋キツネツキ」は彼のスピリチュアル的な嗜好が反映されたお店だった。
このお店はお酒と食事を楽しみながら占い師の方に占って貰える期間限定のバーで、私は同じくサイバーパンク関連でお話させて頂いている占い師の秋津安紀さんにお願いしていた。
秋津さんは10代で山修行を経験したことのある元巫女さんで、現在は本業の建築業の傍ら占いをされている人だ。主観的になりがちな精神世界を客観的に語るスタンスは私も共感するところ。
この日もお酒を飲みながら占いをしてもらうことにしたのだが、その際に秋津さんにちょっとお願いをしてみた。
「秋津さん、これでちょっと測ってみてもいいですかね?」
私は鞄から例の電磁波測定器を取り出した。秋津さんは電磁波測定器を見て「わぁーすごーい!」と喜んで協力して下さった。前向きである。
実は以前秋津さんに手相を見て頂いた時、ちょっと手のひらが電気風呂に入った時みたいにピリピリしたので、もしかしたら反応するかもしれないと淡い期待を込めて秋津さんにお願いしてみたのだ。ちなみに私は何度測っても無反応である。
私は周りに電子機器が無いのを確認して机の上に電磁波測定器を置く。秋津さんには電磁波測定器に手をかざすようお願いした。
そして、秋津さんは「気」を出すように手に意識を向けた。
すると、驚いたことに電磁波測定器の数値はみるみる上がっていくのである。
最終的には69V/mを記録。しかも数回試しても2ケタは出るのだ。
反応するのはどうやら電界の方の様である。
私は興奮してキツネツキさんを呼び、店内にいた他の占い師さんにもご協力をお願いするよう、声をかけてもらった。占い師さん2名に秋津さんと同様、電磁波測定器の前で手をかざしていただくと、おふたりとも10V/m以上を記録。
電磁波の記録が出ないスタッフさんが占い師さんで手を繋いで試してみると0V/m。断線したケーブルの様に「気」を出し慣れていない人だと「気」が体の中を通っていかないのだろうか?
それでは「出る」占い師さん同士で手を繋いだら、一時的にだが25V/mを記録。先程の実験で1人あたり10V/m以上だったのでこれは2倍に匹敵する。直列繋ぎと同じような結果になったのである。
ちなみに秋津さんは「気」を出す時左手を使うそうで、右手を測った時は0V/mになることもあった。しかし秋津さんが「右手の自己肯定感を高めれば出るかもしれない」と言うので、試しにもう一度右手を測定してみる。秋津さんが右手に対して「私はできる…私はできる…!」と唱えると(なかなかシュールである)、なんと電磁波測定器の数値が少しずつ上昇したのである。
「気」の通電性は意識によっても変えられるのだろうか?
ちなみに体の一部が電子機器に触れた状態だと測定結果が変わりうるが、今回はもちろん何も触れていない状態での測定である。
実を言うと、この実験の前後に知り合いの霊感の強い方2名と気功をやっている方1名に対しても同様に電磁波測定器で測らせて頂いていた。どなたも秋津さん同様、私自身が身体に電気的な異変(一緒に心霊スポットに行って鳥肌が立つ、気功的なアプローチをして酒の味が薄まるなど)を感じた人たちだったのだが、電磁波測定器では何も測定されなかった。
もしかしたら「気」の出し方の問題かもしれない。
秋津さんに伺ったら、秋津さんは測定時に手のひらの全体から真ん中へと意識を集めるようにしていたという。その気を集める場所は東洋医学で言うところの経穴(ツボ)の一つである「労宮(ろうきゅう)」付近。これは町先生のサーモグラフィーの実験で「労宮」を中心に温度が上昇したこととも一致する。
まるで虫眼鏡で日光を集めるが如く手に「気」を集めて出している可能性があり、「気」を分散せず一点に集中させることができた(これが「自己肯定感を高める」ことだった?)からこそ電磁波測定器が反応したのではないだろうか?
今回実験にご協力いただいた方々は、タロットやカードを用いる占い師である。秋津さん曰く、占う際は「集合的無意識」に質問を投げて目の前の人の意識につなげてカードをたぐり寄せ、そのうえでシンボルを読む、のだそうだ。一見無意味に見える偶然の重なりが可能性を導き出すという点において個人的にはAIのディープラーニングに少し似ていると感じた。スピリチュアル的な意味での「集合的無意識」はおそらくインターネットで言うところの「クラウド」のようなものなのかもしれない。
しかし、もしこの「集合的無意識」が存在するとするならば、こういったプロセスが「気」を一点に集中させるのに効果的ということなのだろうか?
我々が現在普通に使っている「電気」も原理がわかる前は、不思議な力として扱われていた。この「気」の正体、仕組みが明白になれば、将来的に生活を豊かにするエネルギーとして使われる日も来るかもしれない。
今回の実験は「気」の存在を証明することが主目的ではない。
電磁波は電気コードなど電流の流れる所からも発生することが知られているが、人間も神経から電気信号が発せられている、複雑な電気コードのようなものと考えれば、電磁波が出るのも不思議ではないのかもしれない。
町先生の著書では、実験によって「気」を発すると体温に変化が生じる、術者と被術者の脳波が同調するなど「気」の存在に関してポジティブな結果が記されている。電磁波を意図的に、意識して出せるとなれば、今後の研究に価値があるという問題提起としたい。
余談だが、キツネツキさんは占いも何もやっていないのに測定したら3V/m出た。気功を扱う太極拳をやってて1V/mも出なかった私はちょっぴり悔しいのである。
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