「最終結論 皇都ヤマトは阿波だった」/ムー民のためのブックガイド
「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
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この世界は、私たちが想像可能な領域を遥かに超えて複雑、かつ不確かに、そして、〝かなり興味深く〟成立しています。そのような奥深い世界を覗き込むために、サイエンスからオカルト、都市伝説まで縦横無尽に横断することで、〝世界解読〟を試みる「真実の目」氏の『宇宙奇譚集』。その気になる中身を抜粋、再構成し7回にわたりプレビュー公開いたします。7回目は、人類はどう発展しようと滅亡に向かうことが示唆される(!?)実験についてーー
人類を絶滅に導くものは、他にも未知のウイルスによるパンデミックや、地球温暖化による環境の変化などの仮説シナリオが提唱されています。webムーの読者の皆さんなら、そこに異星人の襲来、大洪水などを加えて考えてもいいでしょう。
しかし、そのような大きなことが起こらなくても、そもそも人類は絶滅するように決まっている生物なのかもしれません。そう思わされる、ある実験があります。「Universe25」です。
これは、1940〜1970年代にかけて、アメリカの動物学者ジョン・B・カルホーンがマウスを用いて行った動物実験とされ、ざっくり言うと「マウスたちに、広い空間、食料や水を無制限に与え、病気を予防し、天敵のいない環境で暮らすようにするとどうなるのか?」というもの。つまり、マウスに〝楽園〟を用意したわけです。
マウスが3480匹収容できる空間を、自由に行き来できる4つの部屋に仕切り、そこに4組のつがいのマウスを放ちます。その環境におけるマウスたちの行動パターンとマウス社会の観察を行いました。
マウスには「ネズミ算」という言葉があるように、身の危険もなく、食糧も豊富であれば、マウスは旺盛に繁殖し、300日も過ぎると600匹以上に増加しました。そこからは、繁殖のペースはゆるやかになりましたが、次第に、オスのマウスが権力闘争を開始しました。
4つに仕切られていた部屋のうち、強いオスが統治する、比較的〝人口〟密度の低い快適な「富裕層の部屋」から、多くのマウスが密集する「貧困層の部屋」まで、部屋の密度にばらつきが生まれました。
マウスの間に〝格差〟が生まれはじめたのです。
また、本来、マウスは縄張りをもち、単独行動をとる生き物ですが、貧困層の部屋のマウスは群れで行動をとるようになっていきました。強いわけでもない単独で行動していたマウスも、やがて不安からか、群れに加わるようになったそうです。
富裕層の部屋では、メスによる子育ても熱心に行われ、子供の死亡率も50%にとどまっていましたが、貧困層の部屋では、大きな変化が起こります。群れの中で攻撃的な行動をとりだすマウスがいる一方、人間で言えば〝引きこもり〟 のようなマウスも現れたのです。
彼らは繁殖もせず、エサを食べて眠り、毛繕いをするのみ。また、子育て用 の巣を作るスペースもないためか、子育てを放棄したメスのマウスも現れ、子供の死亡率は90%を超えました。
また、縄張りを守らないマウス……など、本来のマウスでは考えられない異常行動が目立つようになったのです。
実験開始から500日以上が過ぎると、最大2200匹にもなった個体数の 増加はついにストップ。ここから減少に転じます。若いマウスは繁殖や縄張り にも興味を示さず、自分のためだけに生きるのみ。高齢化が進みます。子供は母親から攻撃され、巣から追い出される。エサが豊富にあるにもかかわらず、共食いも発生。
与えられた環境条件は申し分ないのに、もはや、混沌とした地獄絵図が展開されていきました。
そして920日目に最後の妊娠が確認されましたが、とうとう子供は生まれず、1780日目に最後のオスが死亡。マウスの数は、0になりました。
実験は、実験の名前の由来でもあるようにスケールを変えながら25回行われましたが、やはり一定の数に達すると、数は増えなくなり、その後減っていく。必ず最後は0になってしまいます。
どうでしょう。私たち人類はマウスとは違いますし、この実験ではスペースが決められていますから、一概に比べたり当てはめたりはできませんがーー格差社会、出生率の低下、若者の欲望の低下など、現代の人類社会でもこのような傾向が見られます。
人類は、社会を便利に、理想的にと目指しています。でも、その道を進めば進むほど、自ら滅亡に突き進んでいくのでしょうか。
真実の目
2021年12月に開設したYouTubeチャンネル「真実の目」は動画総再生回数1000万回を超え、謎に包まれた超新星サイエンス×都市伝説チャンネルとして注目を集める。YouTubeでは、独特な視点から、様々な現象や謎を論理的に分析し、この世界のあまり知られていない奇妙な一面を紹介する動画を投稿している。
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