ウシの体内で核爆発と同じ元素変換が起きている!? 科学者が唱えた「生物核変換」説の錬金術的視点/久野友萬
核爆発の時の起こる核変換が、生物の体内でも起きている――かつてフランスの科学者が唱えた現代の錬金術的な主張の中身とは!?
記事を読む
「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
フランク・クローズ 著
ヒッグスの素顔を精緻に描き出したノンフィクション
理論物理学者ピーター・ヒッグスは、「ヒッグス粒子」の提唱者として、物理学の歴史に燦然とその名を刻んでいる。彼は1964年に、質量の起源を説明するこの粒子の存在を予想した。そして2012年にその実在が確認されると、その功績によって2013年、ヒッグスはノーベル物理学賞を受賞した。
本書は、受賞10周年を記念し、ヒッグス粒子とは何か、そしてピーター・ヒッグスとは何者なのかを、ヒッグス本人や関係者への多年にわたる丹念な取材に基づいて精緻に描き出した、出色のノンフィクション。
曰く、「本書は彼の伝記ではなく彼の名が冠されたボソン(粒子)の伝記になっており、このボソンの概念から懐胎、誕生までの物語と、2012年の発見をもって最高潮に達した半世紀にわたる一大サーガの中でその創造主が抱いた感情について語っている」。
生来内気で謙虚、名声や賛辞を受けることを苦手としたヒッグスは、ノーベル賞発表当日の朝、姿をくらませていたという。そんな彼の心中とはいかなるものであったのか。
著者のフランク・クローズは、ヒッグスの友人である物理学者で、オクスフォード大学理論物理学名誉教授。「最先端の素粒子物理学を一般向けに易しく解説することに長けている」という。そんな著者が愛情込めて語るヒッグスの素顔と、その業績のわかりやすい解説。むしろ文系の読者にこそ、おすすめしたい傑作である。
(月刊ムー 2024年1月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
関連記事
ウシの体内で核爆発と同じ元素変換が起きている!? 科学者が唱えた「生物核変換」説の錬金術的視点/久野友萬
核爆発の時の起こる核変換が、生物の体内でも起きている――かつてフランスの科学者が唱えた現代の錬金術的な主張の中身とは!?
記事を読む
驚きの100年計画が!? 「【秘密宇宙プログラム:SSP】のすべて」/ムー民のためのブックガイド
「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
記事を読む
人がクルマが、まるごと消失! そして再出現!? 世界の「異次元消滅事件」ミステリー/南山宏
2019年12月30日、その日、走行中の自動車が断崖から転落、あろうことか跡形もなく姿を消していた‼ 本誌読者ならばおわかりだろう、これもまた、いわゆる異世界消滅事件のひとつである、と。こうした事件は
記事を読む
1976年「未確認動物UMA」という言葉の誕生/動物研究家・實吉達郎
UMAをはじめ、動物、昆虫から妖怪、中国の古典に至るまで、さまざまな分野の著書を持ち、日本における動物研究に大きな影響を与えたレジェンドの実像に迫る。
記事を読む
おすすめ記事