人生は取捨選択…蟠龍寺「死の体験旅行」で得たものとは?/石原まこちん・ムーさんぽ

マンガ=石原まこちん

    都市伝説ウォッチャーの漫画家・石原まこちんが散歩気分で高みを目指すルポ漫画、9回目は……「苦」を味わうべく、「死」を散歩する。目黒・蟠龍寺で「死の体験旅行®」で、一度死んでみました……。

    目黒・蟠龍寺で「死の体験旅行®」

     臨死体験、死後体験などの例もあるが、基本的には死んだら逝きっぱなしが生命の定め。未知ゆえに恐ろしい「死」を迎える「体験」を参加型のイベントにまとめたのが「死の体験旅行」だ。

     創案者は「なごみ庵」の浦上哲也住職。もともとはアメリカのホスピスで終末期医療の一環で行われていたカウンセリングが2000年代に日本で紹介されたことを受けて、日本で暮らす人の死生観にあわせてアレンジしたそうだ。
     本来はなごみ庵のほか、各地のイベントで開催しているのだが、現在はコロナ禍によって体験できる機会が現象。今回お伺いした目黒・蟠龍寺は都内で少人数参加ができる場所として、”浦上式”を学んだ吉田龍雄副住職が運営している。

     今回の参加者は、石原まこちん先生と、「ムー」で「魂活巡業」を連載中の辛酸なめ子先生、漫画家・イラストレーターでまこちんさんのアシスタントでもある蛸山めがね先生、編集モッチーの4人。本来は8名なのでやや略式で実施していただいた。

     具体的にどんな体験かというと……文字通りに「死を体験する」ことではあるは、ここで詳細は明かさない。
     さて、まこちんさんはどんな「死の体験旅行」さんぽをしたのか……。

    (2020年9月30日記事の再編集)

    「臨終を思う」体験

     取材時間は、周囲の雑音が消える平日夜。どうしても葬式・お墓を連想するお寺で「死の体験旅行」とは、いやおうにも気分が高まる。

     体験する物語の詳細は明かせないが……。
    「後悔しない死などない」
     これが最大の感想だ。もちろん、「体験旅行」なので、この思いからやり直せるということになる。

     今回の参加者で、辛酸なめ子さんは別のイベントで体験済みだったため、2回目となった。吉田副住職によると、時期を改めて参加することで自分の中の変化に気付けるという。
     何度も死ねる、というと言葉が軽くなるが、未知は恐怖の源。死を恐れすぎずに生きるために、「死の体験旅行」はある。(編集モッチー)

    取材協力=目黒・蟠龍寺

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