松原タニシVS樹齢3000年の屋久杉! 謎の石像との遭遇に超人の気配を感じられるか?/超人化計画

取材=松原タニシ 構成=高野勝久

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    松原タニシの超人化計画、今回訪れたのは、あの大ヒットアニメ映画のモデルになったともいわれる神秘の島だ!

    『もののけ姫』の島で超人を探す!

     松原タニシが超人の足跡を追い、自らも超人になることを目指す「松原タニシの超人化計画」。今回超人を追ってやってきた場所は……

     この写真でわかるかな?

     世界自然遺産、屋久島だ!

     屋久島は鹿児島県に属する面積約500平方キロメートルの島で、熊本県の天草下島に次ぐ日本でもトップクラスの大きな島だ。1993年には日本初の世界自然遺産に選ばれ、太古の森「白谷雲水峡」はスタジオジブリ作品『もののけ姫』のモデルになったということでもおなじみ。

    鹿児島の南沖合にある世界自然遺産、屋久島。画像=GoogleMap
    屋久島は『もののけ姫』シシ神の森のモデルといわれる。画像=ジブリ公式サイトより。

     島にきて初めて知ったのだが、じつは今、屋久島の杉は伐採することができない。世界自然遺産に登録されて以降、自然遺産の保護のため一本も切ってはいけないことになったのだ。

     そのかわりに利用されてきたのが、これ。

    「土埋木(どまいぼく)」と呼ばれている、過去に倒れたり伐採されたりした杉だ。屋久島での杉の伐採は江戸時代にはじまったが、きったものの江戸時代の技術では運び出したり利用したりが難しかった杉の木などが「もういいわ」ということで森のなかに放置されたままになっているものがけっこうある。

     屋久島の杉は硬く密度が高いので、倒れたり土に埋まったりしても腐らずに残るのだそうで、自然遺産化以降はそうした土埋木が工芸品などの材料に使われていたのだ。

     しかし、この土埋木も2019年には利用禁止になってしまった。だから屋久島の杉を使った工芸品は、現在確保されている木材のぶんしか作れないのだ。今買っておかないともう手に入らなくなってしまうかもしれない。

     これがまさに土に埋まった土埋木。マイナスイオンもたっぷり。

    屋久島の巨大杉に囲まれる

     屋久島が世界遺産に選ばれた理由は、その気候のユニークさにある。屋久島は島全体がいわば巨大な山で、海辺と島のてっぺんでは全く気候がちがう。さらに雨が多いこともあって、亜寒帯から温帯、亜熱帯まで、日本全土のさまざまな環境が屋久島のなかだけで網羅できてしまうのだ。

     ところで、屋久島といえば屋久杉と思うけれど、島に生えている杉が全部屋久杉というわけではない。

     屋久島は標高によって環境がまったく違うのだけど、そのうち標高600〜1600メートルの間に生えている杉で、しかも樹齢が1000年を超えるものだけを「屋久杉」と呼ぶのだ。それより若い、999年以下のものは「小杉」といわれる。

     たとえばこの杉は屋久杉ではなく小杉。こんなすごいのにまだ屋久杉になれないんだから、屋久島のレベルはすごい。

     屋久杉は巨大なだけでなく、木材としても優れている。屋久島は地下が花崗岩でできているため、樹木がゆっくりと育つ。雨が多いためにコケに覆われてしまうのだがそれもいい影響を与えるらしく、良質な木材になるのだとか。

     これはヒメシャラという種類の樹木だが、この木はコケが嫌いなので表皮にコケが生えてきたら自分ではいでしまうらしい。そのおかげでこの島でも生き残ったそうだが、これも木材としてはむちゃくちゃかたいものになるのだという。屋久島の自然が木を進化させるのだ。

     この木は「紀元杉」と名付けられた巨木のひとつで、樹齢は3000年なので立派な屋久杉。上のほうは枯れてしまっているが横に太く、近くでみるとこのサイズ。これがバスでいける範囲でみられる、一番太い屋久杉だ。

     有名な「縄文杉」をみようと思ったら、バスや車では不可能。徒歩で往復10時間のみちのりをいかなければならず、さすがにそれはしんどいので今回はいっていません。

    屋久島の神社で謎の石像を発見

     屋久島にはもちろん神社もある。難しい字だが「益救神社」で「やく神社」と読む。

     益救神社、入り口の景観からすごい。奥に見えるのはモッチョム岳だ。

     益救神社に入ってみると、不思議なものが目に飛び込んできた。入り口に、なぜか石像が。

     さらに同じような石像がもう一体。

     神社の近所には公民館があって、そこに神社の絵が飾ってあったのだけど、その絵をみると石像だけでなく五輪塔が描かれている。神社に石像と五輪塔? お寺ではないのに? 不思議な神社だ。

     この謎を解明する鍵を探して、神社近くにあったお寺、永昌寺にいってみる。するとその入り口に……。

     さっきのやつがいる! 比べてみると、この通り。これは阿吽の仁王像だ。

     なぜ神社とお寺におなじ像があるのか。その理由は謎のまま、屋久島1日目の昼は終了!

    屋久島超人化伝説の動画はこちらから

    松原タニシ

    心理的瑕疵のある物件に住み、その生活をレポートする“事故物件住みます芸人”。死と生活が隣接しつづけることで死生観がバグっている。著書『恐い間取り』『恐い旅』『死る旅』で累計33万部突破している。

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