『シン・仮面ライダー』で話題の「プラーナ」とは何か? 古代インドの宇宙的生命エネルギーの謎/羽仁礼・ムーペディア
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文・写真=うえまつそう

怪談師・YouTuberのうえまつそうがパワースポットを訪問。沖縄県伊良部島の知られざる聖地は、ひたすらに心地いい空間だった!
2022年11月、沖縄県宮古島に上陸した。
宮古島と言えば世界有数のイヤシロチ(弥盛地=エネルギーが活性化するとされる場所)として名高いが、確かに島内には神聖な場所、立ち入ってはいけない聖域もかなり多い。特に琉球神道における祭祀を行う御嶽(うたき)は宮古島地方だけで900か所以上あるという。

私は島の有名なパワースポットはほとんど行ってきたので今回の旅でもその場所をまたゆっくり回ろうかと思っていると、島民からこんな話を聞くことができた。
どうやら「知る人ぞ知る秘境のパワースポットが伊良部島にある」という。宮古島から車で伊良部大橋を渡りたどり着く島だ。
何度も来島していたがそんな秘境パワースポットがあるというのは初耳だった。
戦時中は防空壕として使われていたというそこへ、さっそく向かうことにした。
伊良部大橋を渡り、車を降りて一面サトウキビの畑道を迷子になりながらひたすら進むと、場所案内の看板がひっそりと出てきた。看板の近くの細い抜け道のような場所に入ると、わかりづらいが一筋の道になっている。
どうやらこの先にお目当ての場所があるようだ。雨上がりだったこともあり足元はかなりぬかるんでいて今にも滑りそうな地面。生憎、島ぞうりで来てしまったことを早々に後悔するが先を目指す。何度も転びそうになりながら数分歩くと道は急に下に降りていく。生えている蔦につかまりながら頼りない石階段を下っていくとついに、それは現れた。

地上から下に約22メートルも広がる大きな穴……。
その洞窟、空間の中に私は佇んでいた。
ここが知る人ぞ知る秘境の超パワースポット『ヌドクビアブ』である。

伊良部島の方言で「ヌドクビ=喉首」「アブ=洞窟」。まるで喉首のような形の洞窟だというネーミング。
喉を鳴らすように息を飲むほどの圧巻の光景。洞窟のような鍾乳洞のような雰囲気だが何とも表現しがたい気持ちの良い空気が流れていた。
そこには特に祭壇があるわけでもなく神様的なモニュメントもあるわけでもなく、ただただゴツゴツした岩場と上から垂れ下がっているガジュマルの根っこが見える。
パックリと割れたような天井からはお日様の光が優しく降り注ぎ、聞こえてくるのは地上で鳴いている鳥の声と上から落ちてくる雨水のしたたる音だけ。
ガジュマルの根っこは昔から氣(パワー)を蓄えている根として生きる力の象徴ともされている。
「超」がつくパワースポットと囁かれるこの場所で、私は、ただただ立ったり歩いたり、目をつぶってみたり深呼吸をする時間を過ごした。それがまたたまらなく心地よかった。


面白いのがこの場所、他のパワースポットと呼ばれる場所には必ずと言っていいほどある神聖な云われや、神や精霊と密接に関わる信仰にまつわる施設としての役割があるわけではないということ。
入り口の看板にはこう書かれている。
【ヌドクビアブは、カナマラアブから南西方向に1.5km程の森の中にある。深さは22m程で、洞口は2ヶ所にある。大きな洞口は幅3m、長さ25mで北東側から階段で降りることができ、もう一つの洞口は、天然橋でくぎられ幅3m、長さ7mの大きな井戸状の縦穴になっている。階段から洞底に降りると、広間になっていて右側はつらら石が発達し、床は、礫と土、腐植土が混ざっており、気根や樹根が垂れて底まで届いている。入口から南西に伸びた洞穴の奥には、戦時中に日本軍が使用していたカマド跡もある。】

この看板を見てもパワースポットの「パ」の字もない。それがなぜパワースポット化したのか、どうやってそれが広まったのだろうか。
洞窟内に見られるつらら石は1万年では足りないほどの年月を経て出来ているのがわかる。何万年もかけ作り上げられる自然の神秘が産み出す雄大な景色と、そこに根を張り、命を宿す植物。それらが生み出した奇跡の空間は、戦争中には防空壕として人々を守る場所となった。何層にも重なった「生きる力」がこの場所には残っている。それらの化学反応によって奇跡のパワースポットとして受け入れられるようになったのかもしれない。
ヌドクビアブは宮古島市指定の史跡として登録されているが、地元の人に話を聞くと「このあたりの他のアブ(洞窟)からは人骨が出てきたりで、どっちかというと怖い場所かと思っていた。昔から地元の人間はあまり近づかない場所ではあったから良い意味かどうかはわからないけどパワーが特別強いところであることは間違いないさ」と話してくれた。
地元の人でもこの場所の存在を、ましてやなぜ超パワースポットになったのか、むしろここが超パワースポットだということを知る人間は少ないようだ。

いつまでもここで深呼吸をしていたいと思えるような神秘的で心安らぐ、そして心身ともに充電できるような、そんな場所だった。聞きなれない「ヌドクビアブ」という言葉だったが、気づけば何人もの知り合いにここの話をし続け、この数か月で言い慣れた言葉となっていた。
この場所に来れたことを感謝しながら、私はまた行ける日を心待ちにしている。

うえまつそう
怪談・都市伝説などをテーマに活動する怪談師、YouTuber。現役教師で「地獄先生」の二つ名ももつ。新島出身で「渋谷モヤイ像」の持ち主でもある。
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