墓で暮らす人々が集まったセブ島「キャレータ墓地」に潜入! フィリピン社会の悲しい現実を物語る衝撃の内部/小嶋独観
珍スポを追い求めて25年、日本と世界を渡り歩いた男がフィリピン・セブ島の「キャレータ墓地」で目撃! 現代フィリピン社会を象徴する光景とは?
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文=大槻ケンヂ 挿絵=チビル松村

予告編でお腹いっぱい、むしろ内臓破裂の衝撃ホラー映画の思い出。令和では別角度から、映画がらみの怪奇現象がオーケンを襲う。
子供の頃にオカルト映画ブームというのがあった。だから僕らは毎日怖かった。町のいたるところで恐怖映画の主題曲が流れ、おぞましいデザインの映画ポスターが電信柱に貼りつけられていたからだ。それらを避けながら学校へと歩いていく様子はまるで、ダルマさんがころんだでもしているかのようだった。下手に怖い曲を耳にしたり怖いポスターを目にしてしまった日には「エクソシスト」のリンダ・ブレア―のように首が180度も回転してしまうのではないかと呪いを恐れた。
74年に日本公開されたオカルト映画「エクソシスト」は、それまでの怪奇映画とは一線を画したニューウェイブホラーと言えた。斬新なポイントを挙げたならキリが無い。特に使用されている音楽が旧来のハマーホラーなどとは全く違った。ポリリズムを多様した無機的な、でもどこか切なさを感じさせる曲だった。マイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」というアルバムからのものだった。
77年公開の「サスペリア」もまた、ゴブリンの演奏による無機的なポリリズムの哀しげな曲だ。「エクソシスト」と「サスペリア」によって“70年代オカルト映画サウンド”の方向性が示された。80年代になっても“80年代スラッシャーサウンド”として「ハロウィン」等に継承されていった。
オカルト映画ブームの“耳”が無機的音楽だとすれば“目”はポスターだった。
まぁどれもこれもおぞましい絵柄なんだが、昭和のヤバ過ぎるところは、それらがフツーに町のいたるところに貼ってあったことだ。我が家の近所のパープルセンターというスーパーの二階に映画館があった。普段はポルノ映画の3本立てをやっているのに夏になると怪談映画をかける。これが「生首情痴事件」とか「怪談バラバラ幽霊」といった古い大蔵映画で、ポスターの安っぽさが逆にリアルでこわかった。しかも、すぐ隣には先週まで上映のポルノ「犯す」「犯して」「犯されて」3本立てポスターが貼ってあるのである。そんなもん見ちゃって子供が将来どうなると思う? …こうなっちゃうんだ。
★この続きは二見書房から発売の書籍「医者にオカルトを止められた男」でお楽しみください。
https://www.futami.co.jp/book/6281

大槻ケンヂ
1966年生まれ。ロックミュージシャン、筋肉少女帯、特撮、オケミスなどで活動。超常現象ビリーバーの沼からエンタメ派に這い上がり、UFOを愛した過去を抱く。
筋肉少女帯最新アルバム『君だけが憶えている映画』特撮ライブBlu-ray「TOKUSATSUリベンジャーズ」発売中。
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