ネパールのイエティ事情を現地調査! 国民的UMAの”リアル”を体験/私の思い出・登山正文
〝現存する唯一のアドベンチャーロックバンド〟として活躍する「私の思い出」。彼らは昨年11月、現地からの招待を受けネパールで”キャンプ”を決行し、大成功をおさめた! このライブの裏で、私の思い出のリーダ
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脚本段階で映倫を騒がせたことも話題のホラー映画『真・事故物件』がいよいよ公開へ。殺人事件現場といういわくつきの物件で心霊現象が……という初手の想像を超える展開はまさに「真」。大胆ホラーの撮影現場について、監督の佐々木勝己、主演の海老野心に聞いた。
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小さな芸能事務所に所属し、活躍できる日とバズりを夢見るアイドルの卵とYouTuber。事務所が用意した「事故物件に住み込んで、幽霊が撮れるまで帰れない」という企画に参加させられることになった3人は、そのアパートが「日本犯罪史上最も凄惨」といわれたバラバラ殺人事件の現場だったことを知る。にわか心霊YouTuberとして住み込みを開始した初日から、奇妙なトラブルや不気味な違和感に襲われる彼女たち。だが、そのいわくつき物件に潜んでいたのは、あの世の者だけではなかったのだ……。
2月18日より全国公開となる『真・事故物件 本当に怖い住民たち』。監督は「夏のホラー秘宝まつり」など数々の映画祭で観客をおののかせた気鋭のJホラー監督、佐々木勝己。主演をつとめるのは本作が映画初出演、初主演となる女優、海老野心。公開に先立ち、監督、主演のふたりから本作のみどころと撮影エピソードをたっぷりと披露してもらった。
ーー海老野さんは本作『真・事故物件』が映画への初出演にして初主演という大役でしたが、出演がきまった心境はいかがでしたか?
海老野心 「事故物件」と聞いた時点で「出たい!」と即答しました。私、昔からホラー大好きだったんですよ。もともと両親がホラーやスプラッター系の映画が大好きで、その影響で私も好きになったんです。なのでお話をもらったときは「おお、きたー!」と思いました。
ただ、その母は映画の予告編をみて「怖すぎて私ダメかも……」って、観にいくかどうか迷っちゃってるんですが……。でも私も、まさか初主演の役があんなことになるとは思っていませんでした。ネタバレになるので言えませんが、主役が真っ先にあんなことになって、結末もすごいことに……。
映画好きな人、とくにホラー好きな人ほど「また事故物件?」と思う方がいるかもしれないですが、この映画は全然違いますよ!
佐々木勝己 「事故物件」というタイトルで怪談ものの枠になるのかもしれませんが、たとえばこの作品をレンタルビデオ店に並べるとしたら、ホラーの棚にも置けるけれど、コメディの棚にも置けます。幽霊は出てくるけれど、スラッシャー映画の並びに入ってもいい。ジャンルがよくわからない映画にしたいと思ったんです。
「感覚を惑わせる」といったらいいかな、観終わったときの感想が複雑になるような、ただ「グロい」「怖い」では終わらない、かつ空気感のいいものにしたかったんです。だからホラー要素としても、この作品にはあえていろいろな「怖さ」を入れています。霊が怖い、スプラッターが怖い、人が怖い、理不尽で怖い。「霊が怖い」のも100、「人怖」的な怖さも100の足し算で、しっかり怖い映画にしたかった。
ーー途中、妙に明るい雰囲気で話が進んだりもします。
佐々木 そう、実はポップな映画なんですよ(笑)。この作品ではルチオ・フルチ、ブルーノ・マッティという、主にゾンビやホラー系で有名な少し昔のイタリアの監督のオマージュも入れていて、そうした好みの作品のパッチワーク的な面も少しありますね。BGMも、いかにもなおどろおどろしいものでなくポップな音楽を使ったりしています
海老野 BGMは、試写を見たとき「ここでこの音楽なんだ!」ってびっくりしました。SNSに告知をアップするとき、予告動画の最初15秒だけを載せたんですよ。そのあとはリンクを貼って、そっちで観てねという風にしたんですが、そのポップなBGMのついた15秒をみて「怖くなさそう」ってコメントつけてくれる人がいたんですよ。で、そこから「リンク飛んで観ました、すごく怖かったです」って。「やられました」とかいってくれる人もいました(笑)。
佐々木 そこもやはり、感情をひっかきまわしたいなという狙いもあります。ホラーだと思って観ていたらなんだか逆だぞ、あるいはその反対に怖くなさそうと思ったらすごく怖いとか。この映画は一体どういう気持ちで観たらいいんだ?……という感情に誘導したい。
ーー撮影中の雰囲気はいかがでしたか?
海老野 夜中の撮影が多かったんですよ。役に入るためには「怖い」と思わなきゃいけないんですが、すでに現場の雰囲気が怖い。気持ちを作らなくてももうじゅうぶん怖いんです(笑)。
印象深かったのはいちばん最後の撮影のときで、このときも時間帯は真夜中、そして現場は血糊だらけ。もう「真っ暗で真っ赤」な世界(笑)。そんな状況でオールアップを迎えて「終わったー!」と外に出たら、すごく明るいんですよ。撮影している間に夜が明けて朝になっていたんです。そのときの景色はすごく印象に残っています。
佐々木 あのエンディングは、最後まで頑張って観てくれたお客さんへのご褒美、お礼でもあります。
海老野 基本的にこの映画はぜんぶ台本通りだったんですが、一番最後だけは台本にはない流れで、演者が現場で話し合ってできあがりました。観てもらったらわかるんですが、新しいですよ!
海老野 あと忘れられないのが、撮影の合間に心霊スポットにいかされたんですよ!たまたま撮影が早く終わった日だったんですが、突然「じゃあこのまま心霊スポットにいきます」って、夜中に衣装の制服のままでカメラ持たされて。あれって映画の役柄の「心霊YouTuber」を実際にやってみる、みたいな企画だったんですよね?
佐々木 それ、僕もよく知らないんですよ。
海老野 えー!? 「コンテンツ用」っていわれましたよ! なんのコンテンツかは聞いてないですけど! カメラで撮りながら、ある場所に花が置いてあるから持って帰ってきたらミッションクリアということだったんです。ところがその花が置かれているあたりにたまたまカップルの方がいて、私おばけだと思って「ぎゃーーーっっ」て思い切り叫んじゃって、そしたら向こうも「ぎゃーっ」って……。ただ3人が叫び合っているという大変な状況になってしまいました。
とにかく「ごめんなさい、お花だけください」ってカップルの方にいって花だけもらって、どうにか帰ってきました。ひとりでですよ、カメラ持って。ほんとにガチです!
特に役作りということでもなく……あの動画何に使うんですか?
佐々木 あれはプロデューサー主導の企画で、その後どうなったか僕は分からないんですよ。そんな面白いことが起きてたんだって今聞いて知ったくらい。
海老野 ほんとに頑張ったんですよ! 心霊スポットで絶叫して、めっちゃ謝りましたし、めっちゃ走りました(笑)。霊的な怖いことは何もなかったのでそこだけはよかったんですが……。だけどこの映画を撮り終えてから、ドアが少し動いただけでも「なにかいる!」と思ったり、ちょっとした物音にも敏感になっちゃいました(笑)。
ーー現場はなかなかハードだったようですが、撮影をするなかでお互いに印象はいかがでしたか?
佐々木 海老野さんはとても撮りやすかったですね。被害者的にもすごくいい顔なんですよ、いい意味で。カメラを通すとまた全然表情が違って見えて、ホラー映えというよりも、もっと広く「映像映え」する方です。それはお芝居も込みでとてもよくて、今回あまり細かい演出はしてないですよね。
海老野 私は初めての映画だし、主演もホラーも初めてでわからないことも多くて、ここで監督は何を求めているんだろう、と確認しにいくんですが、そのたびに「好きなようにしてください」って言われるだけ(笑)。
佐々木 僕の好きなお芝居のテンポや「間」というのは、もちろんあるんですよ。そのうえで海老野さんを撮っていて、ああもう特に何も言うことがないなと。やっているうちに何も言えなくなっちゃったという感じですね。
海老野 でも「OKです」「言うことないです」っていうのが、妥協のOK、諦めの「言うことない」なんじゃないかとずっと不安でしたよ!(笑)
佐々木 海老野さんにはホラーの勘所があるんでしょうね。「そうじゃないんだよ」と撮影をとめることが全くなかった。今回はカメラマンも長く一緒に仕事をしている信頼の置ける仲間だったんですが、彼からも特に指摘はなかった。やっぱり演技の勘のいい方なんだと思います。そして何より、最初にこの映画の主演をやり遂げたんだから海老野さんは今後どんな作品がきても絶対に耐えられると思いますよ。
海老野 映画の撮影に先立って、ほぼ同じタイミングで青春ドラマにも出演させてもらっていたんですが、そこからいきなりのホラー。すごい振り幅でした。しかも、お化けにああいう目にあわされるって、現実で絶対に経験できないじゃないですか。「体験できない演技」ってすごく難しいんだ、と勉強できました。そしてびっくりするくらい演技の幅が広がりました。
佐々木 これは本当に、今回の役に海老野さんがピタッとハマった、という感じでしたね。海老野さんはじめ、今回は出演者、スタッフ陣にも恵まれた現場でした。
海老野 そうですね、出演者がみんなちょっとズレてるというか(笑)、他の出演者もホラー好き、怪談好きで、血糊を浴びて喜んでるような人ばっかりだったんですよ(笑)。撮影の合間にも「なんかおかしな人たちが集まっちゃったね」とみんなで話してました。
ホラーやスプラッター系が好きな人がプライベートでは周りに全然いないので、ようやくこの人たちに出会えた!と思いつつ、「私たちおかしいよねー」っていいながらの撮影でした。
ーー血糊で喜んでくれる俳優さん、貴重ですね(笑)
佐々木 また今の時代って、血糊はメディア全般的にNGなんですよ。今回は大量に血糊が必要になる内容になっていますが、そのせいだけではないのですが台本段階で映倫から「これでは許可が出せません」という連絡があったくらいです。ただ台本を活字で読むのと実際の映像とでは印象に違いがあるのは当然なので、そこは説明を重ねて、公開されたものはもちろん観てもらって問題ないものになっていますよ。
海老野 でも撮影している最中も不安でしたよ。大丈夫なのかな、これ映画館で流せるの……?って(笑)。
ーー出演者といえば、映画には「ムー」もお世話になっている島田秀平さんがスペシャルゲストとして出演されていますね。
佐々木 この作品では色々なジャンルの「怖さの見せ方」を探っているんですが、島田さんには「怪談」という怖さをみせてほしくて出演をお願いしました。この映画に「怪談」を入れておきたいと思ったんです。
島田さんの演技をみて、やっぱり「ことば」って最強だなと思いました。耳で聞いたり、読んだりするものって、映像にしたら意外と怖くならないこともあるんですよ。想像するからこそ怖い。そういう部分を、島田さんの力を借りて伝えられていたらいいなと思います。
海老野 島田さんはすごかったですよ。ゲスト出演なのにセリフがすごく多くて、でもいっさい噛まずに逆にこちらのミスをカバーしてくださるくらいでした。独特な語りの世界に飲み込まれてしまいました。
佐々木 島田さんももちろん、他の出演者の方も、スタッフもみんなこの映画に理解がありました。だからこそ「お祓いをしない」ということについても了解してもらえたんだと思います。
ーーえっ?お祓いされてないんですか??
佐々木 お祓いをせずに、それでなにか心霊的なことが起こったらそれもネタになるかなと。
海老野 私も最初は耳を疑いましたよ!本当にしないんですか??って。映画全体でお祓いするものだと疑いもしていなかったので個人的にもお祓い受けていなくて、現場でも監督に「本当にしないんですか?」って聞いたんですよ。そうしたら今と同じようにお答えがあって、そう言われたら、よしわかった、だったら私もお祓いいってる場合じゃないな、と覚悟を決めて結局最後までいきませんでした。
ーーすごい役者魂ですね。……でも本当に、何も起こっていないんですか……?
海老野 撮影中はおばけが出るといったこともなかったんですが、ただこの撮影をしてから、体にちょっと不調があるんですよ。最初にめまいがするようになって、そのあと蓄膿にもなり、あとこれは耳鳴りなのかなんなのか原因不明なんですが、右耳からだけなぜか心臓の音が聞こえるんですよ。
寝ているときだけなんですが、横になると心臓の音が聞こえてくるんです。病院で検査もして、特に異常なしと診断されたんですが……。
佐々木 それって耳の横に霊がくっついてるんじゃない?(笑)
ーーハードな撮影の影響もあったのだと思いますが、気をつけてくださいね。この手の話は、本当にナニかが起こることも少なくないといいます。もしかしたら映画が公開されるまでに、新しい恐怖エピソードが増えているかもしれないですね……。お二人とも、どうかご無事で!
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