迫り来る宇宙災害の危機!「怖い宇宙」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

    怖い宇宙

    片岡龍峰 著

    宇宙の本当の怖さがこれでもかと詰め込まれている

     今現在、地球の表面にへばりついて生きる多くの人は、それこそ日々の暮らしに忙殺され、「宇宙の脅威」などわれ関せずとばかりに、のほほんと暮らしている。だが実際には近年、迫りくる「宇宙災害」の危険性は、ますます高まっているという。

     たとえば、「通信を遮断してしまう電磁波バースト(太陽フレア)、停電事故を引き起こす10億トンクラスのプラズマの大噴出(コロナ質量放出)、ほぼ光のスピードで襲いかかる放射線の銃弾(太陽プロトン)」等々である。いずれも「核爆弾数億発に匹敵する驚異のエネルギー」というのだから、常人には想像すら覚束ない。だが本書を一読すれば、その災害の激甚ぶりが、具体的に理解できるようになるのだ。

     著者の片岡龍峰氏は、宇宙空間物理学を専門とする理学博士で、現在は沖縄科学技術大学院大学主幹研究員。当然ながらSFファンでもある。

     表題は『怖い宇宙』であり、そして実際、宇宙の本当の怖さがこれでもかと詰め込まれているわけだが、恐怖をあおるだけの本ではない。「宇宙空間における地球の立ち位置と、その見取り図を示す」という骨太の意図が、本書を貫いているのだ。
     しかも本書の語り口は、あくまでも優しく親しみやすい。そして何より、著者自身の「宇宙愛」が随所に炸裂しているのだ。そんなわけで、読み終えると、恐怖よりもむしろ、ほっこりほのぼのとした気持ちになる。何とも不思議で魅力的な本だ。

    早川書房/1320円(税込)

    (月刊ムー 2026年09月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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