電気と細胞の関わり「生命は生体電気で動く」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

関連キーワード:

    「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

    生命は生体電気で動く

    ロバート・O・ベッカー ゲイリー・セルデン 著 

    現在の再生医療に一石を投ずる一書

     オオサンショウウオのような一部の生物は、身体の一部を切断されても、それが自然に再生することで知られている。そしてどうやらその再生メカニズムには、生体内を流れる電気が関わっているらしい。この事実に着想を得た著者のロバート・O・ベッカー博士は、30年におよぶ研究の末に、電気を用いたある種の細胞の「脱分化」実験に成功する。
     かくして博士は再生医療の分野で大きな足跡を残すとともに、生体に対する電磁波の悪影響にも警鐘を鳴らした。惜しくも2008年に逝去されたが、その業績により2度、ノーベル賞候補にノミネートされている。

     本書は、そんな博士の長年の研究の集大成。原書の刊行は1985年であるが、日本に紹介されるのは今回が初。博士の業績があまり知られていなかったのは、電磁波の害を説いたために医学界・産業界から目の敵にされたことも一因らしいが、監訳者によれば「本書を読む価値は極めて高」く、「少なくとも医療に関わる人間にとっては必読書」である。
     監訳者のケイ・ミズモリ氏は、すぐ下でご紹介している、『≪反重力アパジー≫秘密開示』の著者でもある(同一人が、本欄の同じ号に2度も登場されるのは極めて珍しく、いかに著者が精力的に活動されているかの証左でもある)。
     2段組で400ページ強と、非常に読みごたえがあり、医療従事者ならずとも、現在の再生医療に一石を投ずるとして無視し得ぬ一書である。

    ケイ・ミズモリ 大喜多由行 訳/ヒカルランド/4400円(税込)

    (月刊ムー 2026年06月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

    関連記事

    おすすめ記事