幽霊からの救助要請か?廃屋の防犯灯からの「SOS」発信で警察出動

文=遠野そら

    誰もいないはずの家の防犯灯が「トン・ツー・トン」と点滅している。まさかのSOSは、霊からの発信だった?

    廃屋の防犯灯が点滅している

     アメリカ・イリノイ州プレインフィールドにある築100年を超える廃屋が、「SOSハウス」として大きな注目を集めている。

    SOSハウスとして話題となった廃墟。https://www.barstoolsports.com より。

     ことの発端は、2026年1月、ジョセフと名乗る人物がTikTokに投稿した「廃屋の防犯灯が『S.O.S』信号を繰り返している。中から誰かが助けを求めているような声もかすかに聞こえたが、警察は動いてくれない」という1本の動画がきっかけであった。

     映像を見てみると、ジョセフは少し離れた場所から撮影したのだろう。夜間に電気がひとつも灯っていない廃屋で、防犯灯が一定のリズムで点滅している様子が映し出されている。点滅リズムは、短く3回、長く3回、再び短く3回と、まさにモールス信号の「S.O.S」のようだ。

    @extraordinaryjoseph

    Tonight in Plainfield, Illinois, I saw something that has been bothering me. I was driving past a boarded up house, and I noticed both the front and back porch lights were flashing like a signal. Not a power flicker, they were purposefully turning on and off, over and over. It immediately reminded me of Morse code or a silent distress signal and if someone was trapped inside, that could be their only way to communicate. I called 911 right away and stayed nearby until police arrived. They pulled up across the street at what looked like a truck stop area, and from where I was parked, it didn’t look like they got out of their car. After waiting about 10 minutes, I left thinking they were going to investigate. About 15 minutes later I drove past again and the lights were still flashing, no police in sight and I could faintly hear what sounded like someone calling for help. So I called 911 again. A Plainfield officer called me back and said They waited outside the house for 20 minutes They saw and heard nothing They weren’t going back And that a “flickering light” isn’t enough reason to investigate They also told me they “don’t know Morse code,” and acted like I was crazy for thinking flashing lights could be a signal. I don’t want to assume the worst but if someone is trapped, hiding, or being held against their will, turning lights off and on might be the only safe way to ask for help. I did what I could. I called twice. But if anyone lives near this area, please keep an eye out or call if you see something urgent. And to the person whose inside that house, If you were trying to signal for help, I’m sorry if the system failed you. I took you seriously.

    ♬ [Raw recording] Record playback noise 01 (3 minutes) – Icy Light

     他にも日中に撮影した動画を見てみると、廃屋の屋根や壁板は激しく劣化しており、窓枠には板が打ち付けられていた。道路の向かいには大型の物流倉庫が建ち並んでおり、車通りは少なくはないが、長い間放置された空き家であることは一目瞭然である。

     この謎のSOS信号について、投稿主のジョセフは2度、警察に通報したと述べている。だが、1度目は向かいの道路から警察車両から降りることなく、廃屋を目視したのみ、2度目に至っては、状況を説明するも防犯灯をSOS信号と勘違いした奇人のように扱われたことから、「最悪の事態を想定したくはありませんが、誰かが閉じ込められていたり、隠れていたり、意に反して拘束されていたりする場合、ライトを消したり点けたりすることが助けを求める唯一の安全な方法かもしれません」と、周辺住民に協力を求めるべく、この動画を投稿することにしたのだという。

     すると動画の再生回数は瞬く間に数百万回を超え、「SOSハウス」として多くの注目を集めると、人身売買や拉致監禁を危惧する声が殺到。さらには、現地取材に訪れていた地元テレビ局の映像に「2階の窓に不審な人影が映っている」「謎の光が動いている」「何かが揺れている影が見えた」などのコメントが数多く寄せられると、騒動はさらにヒートアップしたのだ。

    「中には救助を求めている人がいるのかもしれない」「声を出せない被害者の決死のSOS信号だ」「ここが人身売買の拠点だとしたら、犯人はこの動画を見てアジトを変えるかもしれない。早期救出を」といった通報が警察や消防に相次いだのである。

    機器の故障で説明できない「声」と「光」の謎

     SNSでの爆発的な拡散と通報の嵐は、廃屋の立ち入り調査が実施されるまで続いた。そしてついに郡保安事務所が、廃屋の所有者立ち会いの元、「室内を調査したが、人が隠れていた様子や事件性を示唆する痕跡は一切見られなかった。SOS点滅は屋外に設置されていたソーラー式防犯ライトの故障であった」と公式に発表したのである。

     人々が危惧していた最悪の事態には至らず、住民を震撼させたSOSハウスの騒動は無事幕を閉じた——かに見えるが、この発表に一部住民はさらなる不安と恐怖を感じているようだ。

     それは、最初に投稿されたジョセフの「誰かが助けを求めているような声が聞こえたと」という主張に対する警察の説明である。警察は「ジョセフは風切り音を人の声と勘違いしたのだろう」と説明しているが、SOSハウスは窓が板で塞がれており、撮影当日は風は強く吹いていなかったことが明らかになっている。またテレビ局の映像で捉えられた、謎の光や影の正体が依然として不明なことから、今度は心霊によるポルターガイスト現象である可能性が囁かれているのだ。

    @gnhe663

    SoS is the international code for HELP what is happening in Plainfield IL?#abandonedhouse #sos #help #illinois #sheriff @Jaclyn Carroll @ExtraordinaryJoseph

    ♬ original sound – gnhe663

     SOSハウスは道路拡張による取り壊しが決定していることから、所有者の許可なく敷地内へ立ち入りは禁止されている。このことからSOSハウスの心霊現象に関する続報は聞こえてこないものの、地元では昔からその不気味さは際立っていたようだ。

     現在は防犯灯が取り外され元の静けさを取り戻したと報じられているが、この平穏に最も安堵しているのはもしかしたらここに住み着く霊たちなのかもしれない。

    遠野そら

    UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。

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