ムー完全監修のミステリー旅をご自宅で! リアル脱出ゲームのSCRAPが贈る「本当にある!? 謎が導く不可思議スポットファイル」登場
リアル脱出ゲームのSCRAPが世界を旅する謎解きキットを発売! ムー完全監修の「不可思議スポット」に挑め!
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ムー的な都市伝説に親しんでいれば陰謀論に翻弄されないーー。そんなイメージを体験的に検証できるアナログゲームが登場。その「陰謀論への耐性」の効果とは?
あらゆるネガティヴ要素「ない」からコンテンツの企画・制作を行う「ない株式会社」が奇妙なゲームをリリースする。
「都市伝説ダウト『証拠より論』」という本作は、ありもしない都市伝説をでっちあげたり、それを見破ったりする体験を通して、社会問題化している「陰謀論」にハマらないための耐性を身につけることを狙いとしているという。すでに11月12日からAmazonで発売中だ。
都市伝説ダウト「証拠より論」Amazon販売ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FZLNL37Y

実は本作「都市伝説ダウト『証拠より論』」はムーが監修している。
陰謀論といえば、巷では「ムーを読んでいれば陰謀論に耐性がつく」という、まったく根拠も実績もないフレーズが出回っているが、「都市伝説ダウト『証拠より論』」を遊ぶことで本当に「陰謀論」への耐性がつくというのか?
その思いとは裏腹に、驚きの検証結果があらわになった顛末は後述する。
都市伝説ダウト『証拠より論』で、プレイヤーは“都市伝説テラー”となり、配られた「都市伝説カード」の内容を披露していく。ただし、カードの内容は特定の界隈で実際に噂される「都市伝説」を記したものだけではない。カードの中には、お題と豆知識だけが記載された「ナシ伝説カード」があるのだ。これを持っている場合は、噂すらされていない、でっちあげ以上に虚構の“都市伝説めいた作り話”をその場で披露しなければならない。カードに記載された豆知識にそうか、湧き出る想像力で物語を創作して、もっともらしく語り尽くすかは、語り手のあなたの判断次第。もちろん、それが即席だとはバレないように。
おわかりいただけただろうか。テラーはナシ伝説がバレないように話し、聞き手はそれを見破ることが、このゲームの基本的な遊び方である。

【遊び方】
「都市伝説カード」と「ナシ伝説カード」が混ざったカードの束からランダムに2枚配られたあと、5分間のシンキングタイムを設け、各自がエピソードの準備を行う。「ナシ伝説カード」にはお題にそった豆知識が記されており、プレイヤーはこれをヒントにして、ありもしない都市伝説を創作する。良質な嘘ほど事実を巧みに織り交ぜているため、聞き手は惑わされやすくなるというわけだ。
またナシ伝説を語っていても、それが実際に存在する都市伝説と重なる可能性があるだろう(おそるべき偶然)。その疑いがある場合はネット検索で裏取りを行い、実際に特定の界隈で噂になっていたら、ナシ伝説の披露としては失敗になる。この検索体験そのものが「本当のところはどうなのか」と疑う姿勢を育み、陰謀論への耐性を強化するーー本作の仕掛け人は、そう考えているらしい。


商品情報
商品名:都市伝説ダウト「証拠より論」
発売元:ない株式会社(問い合わせ:info@71inc.jp)
価格:4,950円(税込)
発売日:2025年11月12日
内容:都市伝説カード・ナシ伝説カード(60枚)、説明書(1枚)
プレイ時間:約20分
プレイ人数:4〜6名
監修:ムー編集部
販売サイト:Amazon(https://www.amazon.co.jp/dp/B0FZLNL37Y)
*2025年11月23日の「文学フリマ東京41」(東京ビッグサイト南1-4ホール)の「ムー」出展ブース(A-07〜08/南1-2ホール)でも少数、販売します
陰謀論とは、科学的な根拠や証拠に乏しい主張であり、特定の組織や人物が社会を裏で操っているといった根拠不明の説や信念を指す。新型コロナの流行期には「ワクチンにICチップが入っている」といった噂がSNSで拡散し、社会の分断や混乱を招いたことは記憶に新しい事例だ。国内外で陰謀論は今もなお社会問題化しており、情報リテラシー教育の必要性が高まっている。
こうした状況を背景に、昭和女子大学の榊原良太准教授らが共同で行った研究では、陰謀論にハマりにくくするには熟慮性(立ち止まってよく考える力)を高めることが重要だと示唆された。
この研究結果を踏まえ、本商品は「都市伝説」という【不確かだけど魅力的なストーリーを疑いながら聞く体験】を通して、熟慮性が向上するという仮説のもと企画されているのだ。
また、自分自身が“でっちあげの都市伝説”を作り他者を騙す役割を担うことで、自分も同じように騙されているかもしれないという逆説的な気づきも得られる。こうした健全な懐疑心の育成こそが、陰謀論耐性を強化する鍵だと考え、本プロダクトの開発がスタートしたーー。
ところが、である。
本作の開発者は、2025年6月、榊原准教授らと共同で効果検証を実施している。
大学生36名を対象に、ゲーム実施前後で陰謀論に対する態度や信念の変化を測定する調査を行い、単に繰り返し態度や信念に回答してもらう「統制群」と比較することで、ゲーム実施の効果を分析した。

その結果は予想を大きく裏切るものだった。
なんと本商品によって「陰謀論耐性が高まる」という効果は統計的に確認できない。逆に一部の指標では、ゲーム後に陰謀論を信じやすくなる傾向が弱いながらも見られた。
この現象は“実在する都市伝説にはダウト(嘘)を宣言しない”というゲームの特性上、「都市伝説=本当」と受け取ってしまう構造に起因している可能性が考えられる。本商品のコンセプトと実際の効果測定の結果には矛盾が生じているため、「この商品を遊ぶと陰謀論対策になる」という前提自体が、証拠を欠いた一種の“陰謀論”になっているとも言えるだろう。この結果そのものが「論より証拠」の重要性を体現している。
▼詳細な調査結果はこちら
https://note.com/firm_crocus3834/n/na30b4e7db339

効果検証調査:昭和女子大学人間社会学部心理学科 榊原良太准教授
都市伝説や陰謀論の危うさが話題となる中、あえてそれをゲームにする発想に驚きと面白さを感じました。実験参加者たちも、慣れないタスクに最初は少し戸惑っていたものの、徐々にゲームにのめりこんでいき、終わるころには立派な都市伝説テラーになっていました。実験結果はまさかの“逆効果”の可能性も…?この“逆効果”が真実になるかならないかは、あなた次第かもしれません。思いっきりゲームを楽しみつつ、疑いの目を持つこと、根拠を確かめることの大切さに、ときどき思いを向けてみてください。

監修:webムー編集長・望月哲史
AIハルシネーションのような、もっともらしい理屈で関連や推測を促すように語ることの体験。これは罪深いゲームです。そして、ここでナシ伝説として語られたことが数年後に都市伝説になることもありえなくもないというややこしさ。ともあれ、こういった仮説や異説を唱える際、語り手の世界観、社会観が反映されます。虚実に入り混じる願望の心地よさと後ろめたさを忘れずに、都市伝説のあやしさに溺れてください。
webムー編集部
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