岡本天明による数霊研究の決定版「古事記数霊解序説」/ムー民のためのブックガイド

文=星野太朗

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    古事記数霊解序説

    岡本天明 著

    ほぼ入手不可能な幻の数霊論書を集成した一冊

     本書に収録された数々の論文の著者である岡本天明は、明治から昭和初期にかけての画家にして神道家であり、そして本誌の愛読者の方ならどなたもご存じであろう超弩級の霊界文書『日月神示』の受信者である。
     その天明は晩年、『大祓に秘められたる純粋日本学講義』等の著書で知られる言霊学者・武智時三郎の数霊学に「感心」を寄せ、その研究の成果を『古事記数灵解序説』に結実させた。数霊(もしくは「数灵」)とは、数に秘められたエネルギーや霊性を探求せんとする試みであり、本邦の霊学においては「言霊」と対をなす概念であるという。

     本書は、天明による数霊研究の決定版である『古事記数灵解序説』を中心に、同じ著者による数霊論『新しき太陽』『みどりの新太陽』『祝詞と太占』を集成したもの。
     本書の底本は、天明自身の手によって、昭和30年代にごく少部数のみ頒布された幻の孔版本であり、現在市場にはほとんど存在しないもので、いずれも本書の編集に携わった武田崇元・黒川柚月両氏の、私的な秘蔵本である。
     税込5500円と、体裁のわりには、安価とはいいがたい本だが、何しろ底本は、現在ではほぼ入手不可能な超稀覯書ばかり。これをすべてそろえようとすればいったいいくらの金額を要するか、想像もつかない。ならばこの価格は実に良心的であり、文字通り万難を排して入手すべき、貴重極まりない資料である。

    八幡書店5500円(税込)

    (月刊ムー 2025年11月号掲載)

    星野太朗

    書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。

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