「天の逆手」の呪いは現代に受け継がれている!怪談「裏拍手」と古神道の呪術
いまやメジャーな怪談、都市伝説のひとつである「裏拍手」。知られるようになったのは10年ほど前だが、その恐怖のルーツは神話にまでさかのぼりうるものだった。 『教養としての最恐怪談』著者が、裏拍手に隠され
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ヘイズ中村氏によれば、われわれ日本人がドール・マジックを行う場合、最初のステップは、術者である自分自身を癒すことだという。願望の内容が何であるにせよ、自分に欠けた部分があると術がうまく動かない。まずはその部分にじっくり向きあう必要があるそうだ。そのための具体的な手順を紹介する。
※上の画像は「ムー」2025年6月号の巻末とじ込み付録。紙版の本誌をお求めください。または実践に用いる人形は、こうしたシンプルなものでよいので、必要があれば自作してください。
ここでご紹介するドール・マジックの大きな特徴は、最初のステップとして、術者である自分自身の癒しを願うことだ。願望の内容が何であるにせよ、自分に欠けた部分があると術がうまく動かない。そのため、まずはその部分にじっくり向きあう必要があるのだ。かなり多くの問題が、自分を癒すだけで消滅することに驚くだろう。
ヒトガタをつくる前に(「ムー」2025年6月号が手元にある人は巻末とじ込み付録を使用)、自分自身の聖別儀式(精進潔斎ともいえる)を行う。信仰している宗教があるなら、その宗派の流儀に従って行えばよい。日ごろから神道の教えを実践しているならば大祓祝詞を、仏教徒ならば『般若心経』をあげるのもおすすめだ。
特別な信仰がない人は、これから説明する手順に従っていただきたい。
なお、今回は東西の技法を慎重に統合させたため、自己流で真言や魔術的文言、儀式を追加すると、全体のバランスが崩れてしまい、百害あって一利なしという状態になりかねない。
どうしても何かが足りないと感じるのであれば、BGMとして静かで歌詞の入っていない音楽を流すか、海や雨の音などの自然音を流す程度にするのが無難である。自然音は常にプラスに働いてくれるので、雑念をそらすためには最適だ。
魔術儀式を行う前に、自分自身を聖別する必要がある。これには1週間かけて行う方法、3日かけて行う方法、1日で行う方法という3種類がある。1週間法を行うのが基本だが、緊急度や自分の体調、仕事のスケジュールなどと照らしあわせて、無理のないものを実行すること。
食事の制限などもあるが、療養中の人は体調と相談しながら緩めてかまわないし、きちんと栄養を摂取しよう。無理をすると、それが結果に響いてくるので、コンディションに合わせて加減してほしい。
◆基本となる1週間法
7日間、次の点に留意して過ごす。
①毎日の食事から、ファストフードやコンビニ弁当などをできるだけ除く。
②赤身の肉を避ける。
③コーヒー、紅茶、緑茶などを外で買うのをやめ、自分でいれるようにする。
④酒、タバコなどの中毒性のある嗜好品をやめる。それでイライラしてたまらないようならば、一日に1回などと回数を決め、最小限の量を摂取する。
⑤決まった時間に起床し、就寝する。
⑥スプラッター映画のような、猟奇的な娯楽作品を避ける。
⑦できるだけ自室を掃除する。
⑧7日目に術を行うが、その前に体を清める。シャワーでも沐浴でもかまわない。身を清めるだけなので、泥や汗で汚れていなければ石けんは不要だ。
ここで滝行だの水ごりだのに手を出さないことも重要である。いらぬことをして術者の体力が減少すると、術は成立しない。
◆3日法
基本となる1週間法の②〜④を次のように変える。
②毎日の食事から肉と魚、乳製品を除く。
③コーヒー、紅茶、緑茶を断つ。
④酒、タバコはやめる。
①と⑤〜⑦については1週間法に同じ。⑧については「7日目」を「3日目」にする。
◆1日法
術を実行する日の朝から断食する。嗜好品もすべて断つ。水分はたっぷり取る必要があるが、食事をしていないので、体温が落ちないよう、少し温めてから飲むのがベターだ
事前の聖別儀式が終わったら魔術儀式を行う。開始時刻に制限はないので、落ちついて取り組める時間を選ぼう。
◆用意する物
ヒトガタ、水、果物、少量の塩。用意できるなら酒、香と香炉、ロウソクとロウソク立て。
◆儀式の手順
①ヒトガタを祀る祭壇を用意する。神棚があるならそれを使えばよい。ない場合は、机などを拭き清めて代用する。
②きれいに洗った器に水と季節の果物(なければ炊いた米かパンでもよいが、あとで自分が食べられるものであること)を入れて、祭壇に捧げる。あれば香と香炉、ロウソクとロウソク立てを用意する。
祭壇は、自分の目線より高くなければならない。机などを利用する場合は、儀式のときに、あなたが床に座ればよい。
③自分に似せてヒトガタを着色する。どこかにケガをしているなら、そこに包帯を書き込み、失恋で心が痛いならば心臓のあたりを赤く塗るなどの工夫をしよう。金運に恵まれていないなら、利き手に当たる場所にお札や硬貨を書き込むとよい。最後に、背中側に自分の氏名と生年月日を書き込んだら完成だ。
④できあがったヒトガタを祭壇にのせる。このとき、ヒトガタを寝かせるのではなく、立てることが大切だ。本などを積んでそこに立てかけるか、両面テープを背中側につけて、壁などに軽く貼りつけてもよい。ヒトガタとあなたが、しっかりと向きあうようにしよう。
⑤呼吸を整えて祭壇の前に座る。ロウソクや香があれば点火し、ゆっくりと深呼吸をくり返しながら、目の前のヒトガタに、神あるいは宇宙の力が集まってくるとイメージしよう。
イメージに必要な時間はとくに決まっていないが、ロウソクを使う場合は、それが燃え尽きるまでにすると区切りがよい。だいたい30分から1時間程度が集中力の限度なので、それ以上つづける意味はない。
⑥イメージする時間が終わったら水と供物を下げて、ゆっくりといただく。
⑦最後のひと口を咀嚼したら、ヒトガタを祭壇から下ろし、酒または水を少し振りかけ、さらに塩を振る。これでヒトガタから魂が抜けるので、あとは地域のルールに従って処分する。
⑧儀式が終わったら、普通の食事に少しずつ戻す。効果が実感できるまで、嗜好品の類いは最小限にするのが望ましい。
以上ですべて終了だ。
それだけか!? と思うかもしれないが、この術式を行うと、自分に不足していた部分がじわじわと埋まっていくのを実感できるだろう。恋愛運も金運も、自らが満たされた状態でこそ、本当に必要なものを引き寄せることができるのだ。
効果が感じられない場合、この術を何度くり返してもかまわないが、1か月ほどは間を空けて、様子を見るほうがよい。
ヘイズ中村
魔女・魔術師・占い師・翻訳家。中学生頃から本格的に西洋密儀思想の研究を開始。その後、複数の欧米魔術団体に参入し、学習と修行の道に入る。現在はタロットを使った魔術的技法に関する本を執筆しながら、講座などでの身近な人との触れあいを大切に活動中。
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