CIAが入手した旧ソ連のUFOデータ「セトカ」とは? UFO情報公開に新展開はあるか/遠野そら
UFOの存在を公認したアメリカが、旧ソ連時代のUFO情報も調査に乗り出している。UFOデータ「セトカ」はUFO情報の公開にどう影響するのか?
記事を読む
伝説的天体物理学者は、強制収容所で過ごした10年で時間の謎を解明したのか? その理論を証明するために考案された円筒形の鏡に入ると、意識が変容し、上空にUFOが現れるなどの超常現象が起きるという――。
刻々と過ぎゆく時間を大前提にして人類の社会生活は営まれているが、時間とは本当に一方通行で過去から未来へと進むだけのものなのだろうか――。
旧ソ連の天体物理学者ニコライ・コズイレフ(1908〜1983)は、時間は我々が想定しているよりも流動的であり、時間は単に過ぎゆく受動的なものではなく、物質や意識と相互作用するエネルギーのような力であると提唱した。つまり「時間エネルギー」が存在するというのである。
1908年にサンクトペテルブルクで生まれたニコライ・コズイレフは、若かりし頃から将来有望な天体物理学者の一人とみなされており、20代前半ですでに恒星のエネルギー源の研究に大きな貢献をしていた。
しかし、1936年にスターリンの大粛清中に逮捕され、強制労働収容所で10年間を過ごすことを余儀なくされた。収容所の過酷な環境に耐えながらもこの間、コズイレフは天体物理学者として根本的な疑問について考えていた。それは天体の本当の動力は何なのか、という謎だ。
収容所で考え続けたコズイレフは、天体とは時間自体を伴うプロセスを通じてエネルギーを生成しており、この「時間エネルギー」は物質と相互作用し、エントロピーに影響を与え、適切な条件下では操作さえ可能であるとの結論に達したのである。
1946年に釈放されたゴズイレフは「時間エネルギー」の理論を実証するため、アルミニウム製の鏡を円筒の内側に張り、垂直に立てて内側に人が座れるスペースを確保した装置「コズイレフミラー」を設計した。
志半ばの1983年に74歳で亡くなったコズイレフだが、彼の意匠を継いだ科学者2人が後にこのコズイレフミラーを完成させて実験を行った。この実験では、さまざまな異常な現象が起きたことが報告されている。
コズイレフミラーは、ある意味でシンプルな構造である。
反射率の高いアルミニウムで作られた“鏡”を円筒の内側に張り、その中に入った生物が発するエネルギーを集中させることを意図した設計になっている。コズイレフミラーは中に入った者の知覚を変え、外部の電磁気の影響を遮断し、宇宙と太陽の放射線に深くアクセスできるようにする独特の密閉空間を作り出すと説明されている。
1990年代、宇宙人類生態学研究所(ISRICA)のアレクサンダー・トロフィモフとヴライル・カズナチェフが中心となったロシアの科学者チームが、コズイレフミラーを完成させて大規模な実験を行った。
実験参加者は鏡張りの装置内に入り、ある者はまるで時間の直線的な流れから一瞬外れたかのように過去や未来の出来事のビジョンを見たと語った。また、見知らぬ風景の中で肉体から切り離されたような体外離脱体験をしたと主張する者もいた。多くの参加者がテレパシーによるコミュニケーションの感覚が高まったと語り、自分の考えが遠く離れた場所でも簡単に伝達できそうに思えたと報告している。
驚くべき実験結果を受け、ISRICAは研究を世界規模に拡大し、12か国から5000人を超える参加者がテレパシー伝達実験に参加し、送信された情報の最大95%が正しく受信されるという驚異的な成功率を見せた。これによって人間の意識は空間や時間に制約されずに非局所的に機能できるという考えが、彼らの研究の中心テーマとなった。
コズイレフミラーは精神状態の変化をもたらしただけでなく生理的な影響も及ぼしており、科学者たちは実験中に参加者の体温、血圧、心拍数の変動など、説明のつかない症状が起きたことも確認した。鏡の中に奇妙な光るシンボルが現れたという報告もあり、一部の人々はこれらの装置が高次元の領域へのポータルであると信じた。
さらに、研究室の外でも異常な現象が記録され、実験中に研究施設の上空にUFOが浮かんでいるのが何度も目撃されたことが報告されている。一部の研究者は、コズイレフミラーがビーコンとして機能し、未知なる知性の注意を引いたのではないかと推測している。これらの出来事が偶然なのか、それともコズイレフミラーと関連しているのかは議論の余地がある。
主流の物理学はコズイレフの理論をほとんど無視したが、一部の科学者は電磁気と重力を超えて存在すると信じられている仮想のエネルギー場である「トーションフィールド(torsion fields)」の概念を用いて彼の発見を説明しようとした。この理論によると、トーションフィールドは情報を広大な距離にわたって瞬時に送信することができ、コズイレフミラー実験で報告されたテレパシー能力の向上を説明できる可能性がある。
これが真実であれば、携帯電話、Wi-Fi、衛星からの絶え間ない電磁干渉を伴う現代のテクノロジーが、我々が本来持っている自然な“超能力”を抑制している可能性が生じてくる。我々は人工的なノイズの障壁に囲まれて、素晴らしい認識能力を宝の持ち腐れにして生きているのだろうか。
最初の実験から数十年が経過したが、コズイレフミラーとそれを用いた実験は今も多くが謎に包まれている。コズイレフミラーは人間の意識を拡大するための真のツールなのか、それとも純粋な心理現象なのか。あるいは、そこに入った者の希望と期待を単に反映しているだけなのか。
主流派の科学者は厳密な制御実験や査読済みの研究が不足しているとして、コズイレフミラーに関する言説を否定している。しかし最近、量子力学で確認された時間反射(time reflections)は波動科学的に時間が反転する現象で、時間に関する我々の理解はまだ完全ではないことが示唆されている。
コズイレフミラーの話で個人的に思い出されてくるのは江戸川乱歩の1926年の短編小説『鏡地獄』である。この小説では、内側を全部鏡にした球体構造の中に入った者が精神崩壊してしまう話が綴られている。ひょっとするとコズイレフがこの話を知っていたのではないかと一瞬思ってしまうのだが、しかし当時のソ連で日本の大衆小説が読まれているはずもないのだろう。
いつの日か、コズイレフの理論は現代物理学によって検証されるのか? あるいは今後もずっと未解決の謎のまま棚上げにされるのだろうか? いずれにせよ彼の理論は時間に対する我々の理解を折に触れて揺るがすものであることは間違いない。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
関連記事
CIAが入手した旧ソ連のUFOデータ「セトカ」とは? UFO情報公開に新展開はあるか/遠野そら
UFOの存在を公認したアメリカが、旧ソ連時代のUFO情報も調査に乗り出している。UFOデータ「セトカ」はUFO情報の公開にどう影響するのか?
記事を読む
元KGBの大物がソ連「国家的UFO研究」の実態を暴露! 驚きの調査・報告体制と極秘情報とは/宇佐和通
元KGBの超大物に対して行われた極秘インタビュー記録が存在することを掴んだ英国人UFO研究家。かつてソ連が極秘裏に行っていた超常現象研究、その知られざる実態とは――!?
記事を読む
異星人発見の鍵は“核融合の痕跡”にある! 科学者が提唱する地球外文明の探査法
太陽系外で繁栄している文明をどうやって見つければよいのか――。その鍵を握るのが、大気中の水蒸気の重水素の量であることが最新の研究で報告されている。
記事を読む
1972年「刑事コロンボ」に映り込んだ白い気球型UFOの謎…ほか今週の不思議ニュースまとめ/web MU HOT PRESS
今週世界を驚かせた最新不思議情報を一挙紹介!
記事を読む
おすすめ記事