超古代文明カタカムナの夢の跡ーー「六甲山系金鳥山」の歩き方/ムー的地球の歩き方JAPAN

文=中村友紀

    ムーと「地球の歩き方」のコラボ『地球の歩き方ムー JAPAN』から、後世に残したいムー的遺産を紹介!

    超古代のテクノロジーを伝える技術書

     遠い昔、兵庫県神戸市東灘区にある六甲山には、カタカムナという高度な文明が栄えていたという。

     昭和24(1949)年、楢崎皐月という電気技術者が土地のエネルギー調査のために、六甲の金鳥山に入った。するとそこで平十字という猟師と出会う。平十字は、彼の父親が宮司をしていた「カタカムナ神社」のご神体だという、謎の古代文字が書かれた巻物を楢崎に見せた。
     平十字によれば、太古の六甲山中でトウアンを首領とするアシア族はカタカムナの神を祀り、独自の文明を発達させていた。ところが天皇を中心とする「天孫族」と戦い、敗北して歴史の闇に消えたというのだ。
     興味をもった楢崎は巻物を写しとり、その解読に入る。
     文字は「カタカムナ図象文字」というもので、丸と十字の組み合わせになっていて、ふちには最大で8つの小円が並んでいた。渦巻き状に記されており、中央から外側に向かって読んでいくものと思われた。
     巻物には「ウタ」が全部で80首、載っていた。解読は苦難をきわめたが、楢崎はついに解読に成功。最初は次のような「ウタ」で始まっていた。
    「カタカムナヒビキ マノスベシ アシアトウアン ウツシマツル カタカムナウタヒ」
     アシアトウアンがカタカムナのウタヒを写しとった、という意味だ。「カタカムナのウタヒ」は、今日でいう自然農法やフリーエネルギーの技術であり、エコロジー思想にも通じる万能の科学書だった。
     超古代の六甲山中には、こうしたすぐれたテクノロジーが存在していた、ということになる。

    カタカムナ図象文字。丸と十字で構成された文字が、渦巻き状に並べられていく。

     金鳥山登山の途中には、保久良神社がある。境内には巨大な岩──磐座がいくつもあり、しかも神社の周囲にも岩がサークル状に配置されている。おそらく古代の祭祀場だったのだろう。実際、楢崎が平十字と出会ったのも、この保久良神社のあたりだった。

    保久良神社をはじめ、金鳥山には古代の祭祀場を思わせる巨大な磐いわ座くらが点在している。

     また、金鳥山にはゼロ磁場があるともいわれている。まさに第一級のミステリースポットなのである。

    (月刊ムー 2025年3月号)

    中村友紀

    「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。

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