「火星に暮らす人類の肌は緑色になる」生物学者が主張! 移住に向けて放射線量の課題を提示
火星に進出した人類は突然変異を遂げるのか――。未来の転居先である火星で暮らしはじめた人類は、肌が緑色になる可能性があるという。
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いつかやってくるかもしれない地球脱出の日。移住先の候補地である火星では、なんと「人間の血」を使って住居が作られることになるという──。
人類にとっては極めて過酷な環境の惑星として知られる火星だが、地球に近いことから我々の移住候補地としてさまざまな研究が進められている。人類が火星で命をつなぐためには食料や水が欠かせないが、生活の拠点となる住居も必要となる。はたして、火星にある資源で住居建設は可能なのか? そんな疑問を解決するのが、実は人間の血だという事実をご存じだろうか。
もちろん火星に移住するためには、大前提として火星を地球上の生物に適応した環境へ作り変えること(テラフォーミング)が求められる。さらに、地球からセメントや水などの建築資材を運ばなければならないが、そのコストは莫大なものに。輸送力は限られているため、都市を形成するほどの規模となると想像もつかない額になるだろう。
コンクリートを作るためには主に石灰が必要だ。火星では探査機「フェニックス」が着陸した地点で炭酸カルシウムが検出されているが、石灰を作るためには炭酸カルシウムを加熱して二酸化炭素を除去しなければならず、石灰を固めるための水も欠かせない。
しかし、研究チームの論文によれば、火星のレゴリス(地表を覆う堆積物)と血液を混ぜれば、優れた圧縮強度を持つ「アストロクリート」が作れるという。血を使うなんて物騒だと思われるかもしれないが、そもそも人類の歴史においては古代ローマ人が、動物の血を混ぜたコンクリートを使用していた過去がある。モルタルの耐久性と作業性を向上させるために、血液を含む有機添加剤が使われていたそうだ。
アストロクリートの製造プロセスも単純で、レゴリスは血漿に含まれるタンパク質「ヒト血清アルブミン(HAS)」との接触によって結合。血液に限らず、涙や汗といった体液でも生成できるといわれている。
研究チームによると、宇宙飛行士は72週間で新しい乗組員1人分の居住スペースを作るのに十分なヒト血清アルブミンを生成できるという。また、尿素に含まれる化合物を加えることで素材の脆さをさらに軽減し、引張強度を高めることも可能だと説明している。
「血で作る住居」とよく似た構想として、2020年には尿素を材料に建設する月面基地のアイデアも注目を集めた。固まる前のコンクリートを整形できる程度に柔らかくするため、宇宙飛行士が自分の尿を使って独自の可塑剤を生成。月面で使用する「ジオポリマーコンクリート」を作るという、コロンビア・カルタヘナ大学のラモン・パミエス教授が提唱した案だ。
いずれにせよレゴリスと体液でコンクリートの代替ができるなら、コストだけでなく運搬の労力を省けるという点でも非常に有効な手段といえる。人類はいつの日か、自分の体液でできた住居で暮らしているのかもしれない。
webムー編集部
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