イルミナティカードがトランプ前大統領暗殺未遂事件を予言していた!/MUTube&特集紹介 2024年9月号
世界中を震撼させた、トランプ前大統領銃撃事件をイルミナティカードは弾道までが予言されていた! 三上編集長がMUTubeで解説。
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オカルト界隈を賑わせる「イルミナティカード」。その実態はアメリカ発の“バカゲー”だった? 謎多き「予言カード」の真相に迫る!
イルミナティカードという名前はご存じだろう。オカルトに興味を持つ人であれば、この名前を聞いたことのない人はいない。特に近年はホットなトレンドとして、界隈のメディアでたびたびとりあげられている。また、この12月に飛鳥新社から本邦初となる「Illuminati: New World Order」の完全日本語訳版が発売されるというビッグニュースが飛び出したこともあり、あらためて大きな注目を集めている。
おおまかにまとめると、(いわゆる)イルミナティカードとは今から四半世紀以上前に発売されたアメリカ製のカードゲームだ。だが、その絵札に9・11テロでのツインタワー崩壊や米国防総省ペンタゴンへの攻撃、トランプ大統領の誕生など世界のさまざまな事件、できごとを予言する絵柄が多く含まれていたことが明らかになり、さまざまな憶測を呼んだ。しかもこのカードがなぜか短期間で生産停止、絶版状態となってしまったこともあり、実態は多くの謎に包まれている。
……といったところが、漠然としたイルミナティカードの印象ではないだろうか。しかし実はこのカード、ボードゲームの世界では割と有名な存在で、来歴についてもかなりはっきりしたことがわかっているのだという。“謎めいた予言カード”の実態について、アナログゲーム界で活躍するベテランライター・翻訳者の進藤欣也さんが教えてくれた。
「まず前提から少々ややこしいのですが、イルミナティカードには『Illuminati』と『Illuminati: New World Order』というふたつがあります。近年話題になっているのは後者ですね」(進藤さん)
「Illuminati」は1982年の発売で、その後1994年にトレーディングカードゲームとして「Illuminati: New World Order」が発売されている。一般的というか都市伝説界隈でイルミナティカードと呼ばれているのは「Illuminati: New World Order」のほうだ。パックで販売されていた通常版と、全カードがそれぞれ1枚ずつ入ってすぐに遊べるコンプリートセット『One With Everything』が販売されていた。今回、日本語版が発売になるのはコンプリートセットである。
イルミナティカードを製作したのはアメリカの著名ゲーム開発者、スティーブ・ジャクソン。ゲームの開発、デザインともにスティーブ・ジャクソンが手がけ、話題になっているイラストはダン・スミスほか2名のイラストレーターによって描かれたことが明らかだ。
ともあれ、「Illuminati: New World Order」のカードのイラストから、さまざまな予言が発見されていることが都市伝説界隈で話題になっている。
スティーブ・ジャクソンが社長をつとめるその名もスティーブ・ジャクソン・ゲームズはボードゲーム、カードゲームの老舗として有名で、特に『マンチキン』というTRPGの素行の悪いプレイヤーをネタにしたゲームが大ヒットしたことから、ゲーマーの間ではいわゆるバカゲーの大家として知られているという。イルミナティを冠した謎めいたネーミングから誤解されがちだが、じつはイルミナティカードもバカゲー(いい意味で)の一種だった。
ちなみにイギリスのアナログゲーム界にも同姓同名のスティーブ・ジャクソン氏がおり、こちらも大ヒットゲームブック『火吹き山の魔法使い』等で知られる有名人のため混同されがちだが全くの別人。イルミナティカードは“ふざけてる方のスティーブ・ジャクソン”とも呼ばれる人物が作ったゲームだというのが重要なポイントだ。
「『イルミナティカード』といっても、近世ヨーロッパで結成された秘密結社・イルミナティが関係している……わけでは当然ありません(笑)。話はさらにややこしくなるのですが、じつはイルミナティカードはとあるSF小説をオマージュしてつくられた、パロディゲームなんです」(進藤さん)
イルミナティカードのネタ元になった小説とは、ロバート・シェイ、ロバート・ウィルスンというアメリカ人作家によって書かれた、その名も『illuminatus!』(イルミナータス! ※日本語翻訳版タイトルは『イルミナティ』)。
アメリカのある出版社が爆破テロの標的にされるのだが、その事件現場からイルミナティ計画としるされた大量のメモが発見され……というところからはじまるSF伝奇小説で、秘密結社イルミナティはもちろん、古代アトランティス文明に、ナチスの冬眠軍団&アドルフ・ヒトラー、果てはクトゥルフ神話の旧き神々から巨大生命体リヴァイアサンなどなど、とにかくSF、オカルト的なモチーフがこれでもかと登場し、世界中が巨大な陰謀にまきこまれるというとてつもない物語だ。
世界の支配を目論むイルミナティの陰謀を阻止することが小説の主人公たちの最終目標なのだが、作中では爆弾テロや東西両陣営国の対立(原作小説が発売されたのは1975年)、ヒトラーの復活など、あらゆる衝撃的事件が巻き起こる。
「そんなカオスな小説が大ヒットしてるからカードゲームを作っちゃおうぜ!……というノリで作ったのが『Illuminati』。そのあと、『マジック:ザ・ギャザリング』が大ヒットした後の1994年にトレーディングカードゲームの形態でパックに入れて発売したのが『Illuminati: New World Order』です」(進藤さん)
カオスな小説のストーリーにゲームとしての着想を得たスティーブ・ジャクソンが、プレイヤーが世界支配を目論む側になって遊んでしまうという“ぶっ飛んだ”コンセプトのゲームとして生み出したのだ。
発売当初からアメリカでは、バカゲーとして認知されているわけだが、となると、現在、予言書のような存在として扱われているのは奇妙に思える。
予言として有名になったイルミナティカードに、炎上するペンタゴンと崩壊する2つのビルがあることは有名だ。
一方で小説「illuminatus!」では、「五角形に封印された邪神を解放すべく、秘密結社イルミナティによりペンタゴンが爆破される」というシーンがある。カードの絵柄はまさにそのシーンが元になっているように見える。
陰謀論をネタにした1975年の小説が、現実を追い抜いて2001年のペンタゴン爆破を先取りしてしまったというのが予言のほんとうのところ、ともいえるだろうか。
また、小説には強毒化された炭疽菌兵器をめぐる攻防も描かれるのだが、9・11テロの直後に米国で炭疽菌テロがおこったことはよく知られるところ。「illuminatus!」はそんな大事件までを(結果的に)予言してしまっており、それがイルミナティカードにも影響したというわけだ。ちなみに現在、この「悪魔の疫病」カードはコロナ禍の予言ではないかともささやかれている。
小説のストーリーをベースとした陰謀論の表現(=カードのイラスト)が、つぎつぎと「予言」として発見され、読み替えられていくーーそれが「イルミナティカードの予言」の真相ともいえる。
ただ、だからといって「なあんだそうだったのか……」ということではない。
小説「illuminatus!」そしてイルミナティカードにはいまだ発見されない膨大な「未来に起こりうる状況」が先取りされている可能性があるともいえるからだ。発売当時は「いやな予感」「ネガティブな予想」「あやしい関係性」としてネタになっていたものが、今になって次々と現実化している……と考えると、なかなか背筋が寒くなるではないか。
今回、日本語版が発売され、多くの人(版元の飛鳥新社によれば、日本語版イルミナティカードは想定を大幅に上回る予約数になっているとのこと)が全てのカードに目を通すことになったあかつきには、あらたな「予言」が続々と発見されていくことになるのかもしれない。
イルミナティカードの来歴はある程度整理できた。では、肝心のカードゲームとしての面白さはどうなのだろう? 記事後編では実際にイルミナティカードをデモプレイしてみた様子をお届けしよう。
商品概要
「イルミナティ ニューワールドオーダー 日本語版」
本体価格12,000円(税込13,200円)/飛鳥新社/2024年12月7日発売予定
https://www.amazon.co.jp/dp/4868010379
スティーブ・ジャクソン(ゲームデザイン)、宇佐和通(翻訳)
箔押し豪華BOX+カード450 枚+ゲームルールブック
<カード種類の内訳>
・イルミナティカード 27枚(9種×各3枚)
・グループカード 167枚
・リソースカード 36枚
・プロットカード 175枚
・ニューワールドオーダーカード 15枚
・ゴールカード 10枚
・空白カード 20枚
※この商品は1994年米国STEVE JACKSON GAMES社より発売された『ILLUMINATI New World Order -FACTORY SET-』の日本語版です。ILLUMINATI New World Orderの増補セットである『ASSASSINS』のカードは含まれません。
webムー編集部
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