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タイとラオス国境のメコン川流域で、年に一度のある晩に「火球」が天へ昇っていく。蛇神パヤ・ナークの火球と呼ばれる神秘現象は、メコン川に棲む巨大生物とも関係があるのだという。2022年のその日は10月10日だ。 (2021年10月11日初出)
タイ北東部ラオスとの国境近くのメコン川流域では、毎年ある時期になると不思議な現象が起こるという。それは川中にいる蛇神パヤ・ナークが吐き出した炎の吐息が火球となって水面から浮かび上がってくるというのだ。
「パヤ・ナークの火球」と呼ばれるこの現象は、毎年、陰暦11月の最初の満月の夜、仏教僧たちの雨安吾があけるオークパンサー(出安吾)の日にのみ見られる。
火球は火花ほどの小さなものからバスケットボール位までと大小さまざまで、メコン川流域約100kmにも渡り多い時には数千個もの火球が現れるそうだ。また、煙や音、においは一切なく、水面からまっすぐ50~150m程まで上昇すると突然スッと消えるという。

国民の9割以上が仏教徒と言われるタイではこの「パヤ・ナークの火球」は、信仰と祝福を得ることができるまさに奇跡の現象とされている。数百年も前の文献にも「オークパンサーの日に火球が現れる」という記録が残っているというが、その正体とはいったいどのようなものなのだろうか。
パヤ・ナークとは、インド伝説にある蛇神ナーガ・ナークのことである。7つの頭を持つ大きな蛇の姿をした蛇神で、悟りを開くために瞑想していたブッダを守護したという伝説を持つ。
パヤ・ナークは、普段「メコン川のへそ」と呼ばれる川底の洞窟を住処にしているのだが、仏教僧の斎戒期間が終わるオークパンサーの日になると、ブッダへの信仰と感謝を表し、水中から火の玉を吐き出すのだそうだ。まさにタイ国民において「パヤ・ナークの火球」は宗教的な現象のひとつであり、蛇神パヤ・ナークが吐いた炎の吐息として信仰の対象なのである。
この「パヤ・ナークの火球」については陰暦11月最初の満月の夜にのみ現れることから、多くの科学者が、月の引力や、環境、時期、周辺の気温が起因していると考えているという。
現在、様々な説が唱えられているが、主流となっているのがメタン窒素ガス説だ。これは、メコン川の川底から発生したメタン窒素ガスが、水中から現れる際に発火しているとされる説で、火球は完全な自然現象とされている。その一方で、火球は電気を川へ放出することで発生したプラズマだという説も同じように支持されており、どちらもまだ決定的な確証はなく、軍配はあがっていない。自然現象だとすればオークパンサー(出安吾)の日にのみ発生するというのも偶然がすぎるだろう。
他にも打ち上げ花火など、様々な説が囁かれているが、どれも推測の域を出ないのが現状である。
だが、メコン川ではこれまで幾度となく水中を悠々と泳ぐ巨大生物が目撃されており、過去には、現れたパヤ・ナークを偽物だ指摘して川に飛び込んだ男性が水中に引きずり込まれて姿を消すという事件までもが起きている。その公開された画像にはシーサーペント型UMAのような生物が捉えられていることから、メコン川には何か巨大な生物が生息しているのは間違いないようだ。
いまだ解明されていない「パヤ・ナークの火球」。果たしてその正体とはいったい何だったのだろうか。2022年のオークパンサーは10月10日である。現地で見ることができた人はぜひご一報いただきたい。

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