「聖母マリアの落涙現象」新たにメキシコで発生! バチカンも“超常現象識別の新基準”に則った調査を開始!
メキシコの民家に置かれた聖母マリア像から“血の涙”が流れ出た!? 新たに発生した聖母マリア像の落涙現象は、先日バチカンが発表した「超常現象を識別する新基準」の手順に従って今も調査が進められている!
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ローマカトリック教会の総本山・バチカンには、古来からの膨大な数の美術品や文献が収蔵されているが、17世紀にバチカン図書館から分離された「バチカン使徒文書館」には、どんな文書が収蔵されているのか。科学者と研究者のグループが、UFOや超常現象に関する情報を求めて、その“宝庫”へのアクセスを要求している――。
ローマ教皇庁のバチカン図書館には、教皇の手書きのメモから大統領の書簡に至るまで、膨大な量の貴重な文書が収蔵されている。とりわけ17世紀に教皇パウルス5世の命令の下、同図書館から分離された「バチカン使徒文書館(Vatican Apostolic Archive)」はその機密性の高さで知られるが、超常現象研究家たちの間から今、アクセスの緩和を要求する声があがっているようだ。
現状、バチカン使徒文書館へのアクセスは不可能ではないものの、閲覧申請にはきわめて厳しい条件が求められ、閲覧が禁止されている資料も数多く存在する。
米ノースカロライナ大学ウィルミントン校の宗教学教授であるダイアナ・ウォルシュ・パスルカ氏は、バチカンのアーカイブには修道女たちが部屋に入ってくる謎のオーブを目撃したり、家が空を飛んだり、奇妙な空中現象が起きたりするなど、超常現象に関する報告が満載であると指摘している。同氏は、これらの出来事についてカトリック教徒が伝統的に理解している“奇跡”ではなく、UFOのような超常現象として理解したほうが相応しいのだと主張する。
バチカン図書館では現在、所蔵する文献のデジタルデータ化の作業を鋭意進めており、すでに一部の文献が一般公開されているが、パスルカ氏はその作業において最も重要なものが優先されていないと指摘する。1800年代、修道女たちに目撃されていたUFOに関する記録が脇に追いやられているというのだ。
今や、バチカンの所蔵品への関心は宗教学者の領分を超えているようだ。米スタンフォード大学の医学教授であるゲイリー・ノーラン氏のような科学者は、バチカンのアーカイブを「UFOを理解するための“宝庫”」と見なしているのだ。
ノーラン氏によれは、バチカンのアーカイブは超常現象や超自然に関する知識を保管する最古の図書館システムであり、このアーカイブには「神秘的な雰囲気」と「深い真実の感覚」の両方が備わっているのだという。
ノーラン氏は2023年にソル財団(Sol Foundation)を共同設立し、UFO/UAPの科学的研究を先導するとともに、異星生命体発見のスピリチュアルな意味についてバチカンら宗教機関との対話を開始している。
同財団は、少なくとも一部のUFOは「非人間起源の乗り物」であると確信しており、同財団の主な目的の1つは、世界宗教に超常現象が与える潜在的な影響について異宗教間の対話を開始することでもある。
バチカンのアーカイブの存在は、まさに異宗教間の対話を促進し、宗教の多元主義に繋がる可能性を秘めていることから、同団体の目的に叶う重要な“宝庫”であるというわけだ。
異宗教間対話の専門家であるフランシス・ティソ神父は、20年以上前にエサレン協会(Esalen Institute)の創設者とバチカンのアーカイブを活用した超常現象の研究計画について話し合ったと述べている。
エサレン協会はカリフォルニアの教会施設で、特に1960年代と70年代に進歩的かつカウンターカルチャー的な影響をもたらしたことで知られている。同協会はシリコンバレーの技術者、スピリチュアル指導者、イノベーターたちを惹きつけ、心理学、精神性、個人の成長に関する新しいアイデアを探求するという、現代アメリカ文化における重要な役割を果たしている。
そしてティソ神父は、このエサレン協会の共同創設者であるマイケル・マーフィー氏から、誰かがバチカンのアーカイブに行って「調査を行い、文書を調べ、科学界がアクセスできる方法で分類するべきだ」と進言されたという。
ティソ神父は、聖人による“奇跡”を超常現象として研究・理解することは「私たち人間が何らかの形で地球外文明と接触しているという(UFO)物語への架け橋となる」と説明する。
また、エサレン協会の理事であり、米ライス大学の宗教学教授であるジェフリー・クリパル氏は、テレパシーによるコミュニケーション、空中浮揚、その他の超常現象がUFOやエイリアンとの接近遭遇と関連するケースも多いため、カトリックの“奇跡”の物語はUFO研究者にとって興味深いものであると指摘する。
米イェール大学の歴史学教授であるカルロス・アイレ氏は、パスルカ氏やノーラン氏のような研究者を魅了する“奇跡”を長年研究しており、2023年の著書『They Flew: A History of the Impossible(彼らは飛んだ:不可能の歴史)』でその研究結果を発表した。
バチカンのアーカイブが超常現象の研究者にとって非常に価値があるのは、特にルネッサンス以降、教会は目撃者に嘘をついていないという宣誓を義務づけることで、“奇跡”をより厳格に検分してきたためであるとアイレ氏は説明している。
今後、UFO研究にとって重要で興味深い記録や文献がバチカンのアーカイブから数多く“発掘”されることになるのだろうか。
昨年のアメリカ下院の「UFO公聴会」の証言者の1人、元空米軍将校のデイヴィット・グルシュ氏は、バチカンがエイリアンにまつわる秘密の国際的隠蔽に関与していたと証言している。
グルシュ氏は、1930年代にイタリアに墜落したUFOの機体を、ファシスト独裁者ベニート・ムッソリーニが当時の教皇ピウス12世を通じてアメリカへ「裏で流した」と主張したのだ。
しかし、教会側はこの噂を否定している。
「(グルシュが)この情報をどこで入手したのかは分からない」と、公文書館長の秘書であるマルコ・グリリ氏は6月11日、キリスト教系メディア「カトリック通信(CNS)」に語った。
このグリリ氏はバチカンの膨大なアーカイブに“奇跡”の記録があることを認めているが、所蔵品の中に宇宙人に関するものはないと断言。バチカンでそのような資料を探す作業は「無駄で非生産的な試みだ」と言い放っている。
研究者たちがバチカンのアーカイブへのアクセスを熱望している一方、教会側は期待するような文献はないと強く否定し、その温度差は激しい。バチカンの“宝庫”に超常現象研究者たちが足を踏み入れる日を今のところは気長に待つしかなさそうだ。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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