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世界中で報告が相次ぐ、幽霊の目撃談などの超常現象。なんとカトリック教の総本山・バチカンが、「超常現象を識別するための新たな規範」を発表するという!
ローマ教皇庁報道局の声明によると、5月17日(現地時間)に「聖母マリアの顕現やその他の超自然的な現象を見分けるための新たな基準となる文書」を公開するという。同日正午(日本時間17日19時)に、教理省長官ヴィクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿が、教理部門局長アルマンド・マッテオ師とともに、ライブストリーミングで全世界に向けて発表する予定だという(生中継はこちら)。なお、フェルナンデス枢機卿はこれに先立ち、インタビューの中で「(超自然的現象を)識別するための明確なガイドラインと規範を提供する」と述べている。
前回、バチカンが聖母マリアの顕現とキリスト教にまつわるさまざまな超常現象に関して公式な声明を発表したのは46年前のこと。1978年に当時の教皇パウロ6世が「顕現または啓示の識別」に関する規範を承認しており、それらの調査は極めて慎重に行うよう求められてきた経緯がある。以来、バチカンは聖母の顕現が疑われる事例において「まずは事実を調査するのが教会の責任」としている。
さらに2001年、教皇ヨハネ・パウロ2世のもとで典礼秘跡省が作成した文書では「個人的な啓示は(バチカンに寄せる)信仰の寄託には属さない」と突き放していた。つまり、教会の立場としては「それらは信仰の寄託とは別物」、つまり教会が規定するキリストの啓示を超えたり、その修正を主張するものであっても受け入れることはできないと強調しているのだ。
このような姿勢からも、バチカンは歴史的に世界各地で報告される顕現に神経を尖らせてきた状況が窺える(しかし、古今東西を通じて“個人的な啓示”がたびたび報告され、教会の権威によって認められた事例もあるという)。そして今回、「(超自然的現象を)識別するための明確なガイドラインと規範を提供する」とは、文字通り捉えるならば(状況によっては教会が受け入れる余地が生じるという意味で)画期的発表になると考えることもできる。
「聖母マリアの顕現」についてバチカンに寄せられる目撃情報は世界各地で枚挙にいとまがない。
フランスのルールドやポルトガルのファティマに姿を現した聖母マリアも最初は民間、聖職者ではない者による体験に始まり、その後に正式にカトリック巡礼地として認められた。
日本では明治時代(禁教令が解かれる前)に改宗を迫られて拷問を受けた一人のキリシタンが、聖母マリアらしき女性の姿を目にしたという話があるが、聖母マリア降臨の現象については、各地の体験報告をバチカンが追って公認することで宗教的事績となる。
一般にキリスト教圏に含まれない地域にもマリアは現れている。たとえば、1968年4月2日にはエジプトにあるコプト教聖母教会のドーム状の屋根に、オリーブの枝のようなものを手に持ち、不思議な光を放つ女性が現れたといわれているのだ。イスラム教国であるはずのエジプトでも、何度か聖母の姿が目撃されている。(関連記事)
いずれにしても、バチカンが超常現象に関する公式見解と明確な基準を発表するとは一大事だ。聖母マリアの顕現について「本物かどうか判断する基準」が登場するとなれば、それが今後の(特に欧米の)超常現象分野全体に影響を及ぼす可能性も否定できない。バチカンのスタンダードに則して真偽が議論されるケースも出てくるだろう。今後どのような展開があるのか、注意深く情報を追っていく必要がある。
webムー編集部
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