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村上紀夫 著
近世における情報環境と怪異の関係性を追究
標題にある「メディア」とは、情報を入れる容器、すなわち情報媒体を意味する。そして著者によれば「メディアは単なる情報の容れ物ではなく、情報を媒介するメディアそれ自体が情報をもっている」。
一方で「事象は情報として流通するようになり、読み手によって解釈されることによって怪異となる」。つまり怪異とは、「受け手目線のメディア論、あるいはコミュニケーション論として論ずるべき課題」に他ならない。だがこれまで、情報の容れ物であるメディアについては、意識的に論じられることはほとんどなかったというのが実情である。
本書は、「髪切り」「一目連」「石塔磨き」「雀合戦」「流行正月」などの事象を題材に、これまで見落とされてきた「メディア論」「メディア史」という切り口から、主として近世における情報環境と怪異の関係性を追究する、異色の試みである(因みに、最初の3つはいずれも妖怪で、「雀合戦」は怪現象、「流行正月」は疫病)。
著者の村上紀夫氏は、日本文化史を専門とする文学博士で、現在は奈良大学文学部史学科教授。
そんなこともあり、本書の各章は、新稿をのぞけばいずれも『奈良大学紀要』『奈良大学大学院研究年報』などの純然たる学術誌に発表された、正真正銘の学術論文である。資料として引用される大量の古文や漢文には当然、親切な現代語訳など付いていないので、覚悟を決めて取り組みたい。
(月刊ムー 2024年1月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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