高知怪談「七人ミサキ」の吉良神社参りでもらった”贈り物”の怪/松原タニシ・田中俊行・恐怖新聞健太郎の怪談行脚
異色ユニットが、行く先々での怪奇体験を公開。今回は「七人ミサキ」にまつわる怪異を回想——。妙な出来事でも、不思議と「数が合う」ものなのだ。 (2020年6月25日を再編集)
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異色ユニットが、行く先々での怪奇体験を公開する。 今回は、四国の怪談を守る男・恐怖新聞健太郎が高松の心霊譚をお届け。ペガサスも舞い降りる?
2020年9月29日記事を再編集
タニシ 事故物件住みます芸人・松原タニシです。
田中 どうも、オカルトコレクター・ペガサス田中です。
健太郎 四国の怪談は俺が守る、恐怖新聞健太郎です。
タニシ そうか、健太郎さんもそういえば中田監督つながりですね。映画『事故物件 恐い間取り』の中田秀夫監督が、現在東海テレビで放送中のドラマ『恐怖新聞』も監督をされているわけですが、やはり「恐怖新聞」を名乗る健太郎さんもドラマに携わっているんですか?
健太郎 いえ、まったく。
田中 え? 健太郎さん出てないの? だって、恐怖新聞健太郎やで。俺、まったくの素人で映画『事故物件 恐い間取り』出させてもらってるのに。
健太郎 そうですね、四国でずっと怪談を守ってました。
田中 お……それやったらしゃーないか。
タニシ でも実際恐怖新聞みたいな出来事ってあったりしますよね。
たとえば「恐怖新聞に関わる人間が次々と不幸になる」とか、「恐怖新聞は1日読むごとに100日ずつ寿命が縮まる」とか、「最終的には恐怖新聞を読み過ぎたことにより、自分が写るはずだった写真に老人が写っていたり、年老いた自分の分身と思われるドッペルゲンガーと出会う」とか……。
田中 なんか『100日後に死ぬワニ』みたいやな。
タニシ 事故物件も関わり過ぎたことによって、黒い顔の写真が撮れたり、顔認証しなくなったり、顔年齢診断アプリで「72歳」って出たり……。
健太郎 タニシさんヤバいじゃないですか!
田中 タニシくん寿命もあと1年ないしな。
タニシ 今から4年前に顔が真っ黒の写真が撮れて、怪談説法でお馴染みの三木大雲上人に「これはあと5年もたないですね」って言われましたからね。
田中 そうか、その5年後がもう来年か! やばい、もう100日ないやん。「100日後に死ぬタニシ」やん!
タニシ まあ大丈夫でしょう。三木さんも「死ぬという意味ではなくて、すべてを失くすということです」って言っていたので。
健太郎 すべて失くしますやん!
タニシ その前に断捨離を始めてるので大丈夫です。すべて失くしたところで大したことはないように。
タニシ そんな僕のことよりも、映画『事故物件 恐い間取り』も観た人にいろんなことが起こってるみたいですね。劇中聴こえる「タスケテ」の声は中田監督も「入れた覚えはない」と言ってますし。
田中 ちょうど僕が出てる唯一のシーンの直前やねんな、あれ。
健太郎 え、じゃあ田中さんの声じゃないんですか?
田中 いや、俺じゃないよ! オンリーでも「タスケテ」なんて言ってないし! (※ オンリー……セリフや効果音など音のみを録音すること)
タニシ 「オンリー」って言葉使いたがりますね。
田中 オンリーでは「いこかー」しか言ってないからな、何回も言うけど。
タニシ まあ他にも映画観た人の体験で、上映中後ろの席でゴソゴソ音鳴っててうるさいなぁって思ってたら、上映後に後ろの席には誰も居なかったとか。
健太郎 いいですね、幽霊も映画観てたんですかね。
タニシ それから他にも、映画観たあとに家に帰って寝て朝起きたら、家族に「あんた夜中リビングでソファーに座ってボーッとしてたから声かけたんやけど、そしたらフワッと消えたんやで!」て言われたとか。
田中 え! それドッペルゲンガーやん。
タニシ そうそう、いろいろ起きてるみたいですね。そんな映画『事故物件 恐い間取り』は4DX・MX4D版も公開決定ので、五感をフルに活かしてより何か起きるかもしれないですね。
田中 うわ、おもろそー! 椅子がドーンってなったり、変な臭いがしたり、ミストが出てきたりするってことやんな。
健太郎 どのシーンでどんな仕掛けをしてくるのか、観てる方はまったく気持ちが落ち着かないですね。
タニシ 足首掴まれたりしたら、それはもう完全に4DX・MX4Dは関係ないですからね。もしかしたらそんなことも体験する人が出てくるかも……。
さて、それでは事故物件じゃなくて、恐怖新聞な健太郎さんにひとつ、恐怖な怪談をお願いしましょうかね。
健太郎 高松市には野田池という溜池があるんですが、そこで裕子さん(仮)という方から野田池にまつわる怪談を教えてもらいました。
当時裕子さんが高校生の時に家が近い事もあり、野田池の周りをランニングする事を日課にしていたそうで、その日も夜の21時くらいから走っていたそうです。
20分くらい走っていた時、後ろから人が走って来てるのがわかったそうで、”おんなじようにランニングしてる人かな?”くらいに考えてたんです。しばらく走ってたんですが自分を追い越しもしなければ、ランニングをやめる気配もない。
それどころか自分のすぐ真後ろを走りだして自分についてきてるようなんです。
気味が悪くなってきたんですが後ろを振り向くのも、もし相手がそんな意識なく走っていた場合気まずくなりそうで無視して走ってたそうです。
さらに5分くらい走り流石に疲れて少し休憩しようと思って立ち止まりました、その時初めて後ろを振り向いたんです。
そこには誰もいなかったそうです。
“え…。だって私が立ち止まるまで足音聞こえてたのに…。”
その瞬間ゾッとしてしまってもうランニングどころでは無くなり家に帰ることにしたそうです。
とにかく夜も遅かったこともあり、あたりも真っ暗で家までが怖くて怖くて、とてつもなく長く感じたそうです。
“もし、またあの足音が聞こえてきたらどうしよう…。”
そんな心配をしながら帰ってたんですが、何事もなく自宅に帰ってくることができたそうです。
家に入るとリビングに妹さんとお母さんがいたそうなんですが、裕子さんが「ただいま〜」とリビングに入るなり、妹さんもお母さんもピタっと固まったそうです。
二人の驚いた様子に裕子さんが「どしたん?」と聞いた瞬間。
まるで堰を切ったかのように二人が同時に「ぎゃぁーーー!」と叫びだしたんですね。
二人とも裕子さんから目を逸らすようにして怯えてるんです。
妹さんに至ってはその場で泣き崩れてるんです。裕子さんはわけもわからず「どしたんよ二人とも⁈」と問いただすとお母さんが裕子さんの肩あたりを指差しながら「アンタその女の人誰なんーーー!」と叫んだんです。
もちろん裕子さんは一人で帰ってきてるんです。
裕子さんは母のその言葉を聞いて、さっき野田池周辺をランニングした時、自分を付け回したあの足音のことが頭をよぎりました。
途端に裕子さんはとても恐ろしくなったそうです。
“ひょっとして、ずっと私についてきてた…。”
ゆっくり後ろを振り向いたんですがもちろんそこに女の人なんかいませんでした。
後で二人に聞いた話だと、裕子さんがリビングのドアを開けて入ってきたときに、裕子さんの後ろから脇の下に手を回し抱きつきながら、薄ら笑いを浮かべた女の人が一緒に入ってきたそうです。
しかしその女の人、異常な三白眼とところどころ朽ちているような茶色っぽい肌をしていたそうで、どう見ても生きている人間には見えなかったと教えてくれました。
その後、何か怪異が起こったりはしていないそうですが、裕子さんが野田池に近づくことはなくなったそうです——。
タニシ いいですねー、野田池でランニングしたら女がついてくる……。今度みんなで走りましょう!
田中 池の話やったら俺もあるで。
神戸市北区の千人地蔵と言われる場所の近くに池があって、そこを先輩が見たとき池に大量のお墓が沈んであったらしくて。
後日、僕をびびらそうとして何も言わずに”池に行け”と言われて見てみたんやけど、墓なんか一つもなくて、その事を伝えると先輩は青ざめてた。
タニシ いいですねー。墓の沈む池。なんで先輩にだけ見えたんでしょうね……。ところで、ペガサス田中ってなんなんですか?
田中 聞くのおそ! いや、この前、視える人に後ろに憑いてるもの視てもらって。そしたら「ペガサスか視える」って言われて、今日からペガサス田中と名乗れと言われたから。
タニシ なるほど。
田中 いやタニシくん、「なるほど」はあかんで。
松原タニシ
心理的瑕疵のある物件に住み、その生活をレポートする“事故物件住みます芸人”。死と生活が隣接しつづけることで死生観がバグっている。著書『恐い間取り』『恐い旅』『死る旅』で累計33万部突破している。
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