古代インカ遺跡サクサイワマンの地下通路に黄金が眠っている!? 伝説の黄金郷につながる重大発見
古代インカの黄金がどこかに眠っているーー。そんな伝説を裏付けるような情報がある。その地下通路がつながる先とは?
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チリに渡ったナチスの残党が築いた悪夢の施設「コロニア・ディグニダ」の身も凍るような真実とは? 映画の題材として取り上げることで世に問う覚悟を決めた監督が明かす!
6月9日、マティアス・ロハス・バレンシア監督の最新作『コロニアの子供たち』が公開された。作品の舞台となっているのは、1960年代初頭に元ナチス党員のパウル・シェーファーによってチリに設立された「コロニア・ディグニダ」という謎の施設。そこでは、規律正しく美しい共同生活が営まれているように見える裏で、拷問、殺人、密輸、洗脳、児童虐待などが行われていた。
そんな地獄のような場所に奨学生として足を踏み入れてしまった12歳の少年・パブロを主人公にして、彼の過ごした悪夢のような日々が描かれる。
「コロニア・ディグニダ」はかつてチリに実在した施設であり、この作品は事実をもとにしたフィクションである。チリ人である監督は、なぜこのような映画を撮ろうと思ったのだろうか。監督本人に答えてもらった。
――監督はもともと「コロニア・ディグニダ」のことをご存じだったのでしょうか?
マティアス・ロハス・バレンシア監督(以下、バレンシア) この場所のことは子供の頃から妙に気になっていました。私が12歳のとき、「コロニア・ディグニダ」が経営している一般人向けのレストランに家族で食事に行ったことがありました。そこで私が見て大きなショックを受けたのは、レストランで働く入植者たちのえも言われぬ深い悲しみとあきらめの面持ちでした。その光景は今でも鮮明に記憶に残っています。
その後、私が本作のためにリサーチを始めたところ、当時あのレストランで働いていた入植者たちの多くが懲罰や拷問を受けたり、精神安定剤を毎日飲まされながら働いたりしていたことを知りました。
私の世代は、独裁政治が終わって民政移管が実現した後のチリで育っているので、「コロニア・ディグニダ」に関するニュースや情報は常に耳にしていました。この施設は、今日に至るまで多くの謎に包まれていますが、歴史の重要な一部、とりわけ「発展」の美名の裏に真実を隠したチリの歴史の暗部を象徴しています。ここに直接関与していた政府当局者や政治家、民間各界の有力者などは、今でもチリで影響力を持っているのです。
――映画製作にあたって具体的にどのようなリサーチを行いましたか? また、そこからどのようなことを学びましたか?
バレンシア リサーチは2013年から始めて、映画を撮影した2019年まで続きました。手に入った資料はすべて読み、映画やドキュメンタリー、関連のレポートなどにも丹念に目を通しました。「ビジャ・バビエラ」(コロニア・ディグニダの現在の名称)を訪ねて、「コロニア」時代に住んでいた人たちに話を聞きました。
その一方で、私はかつての「コロニア」の入植者で、何とかそこから抜け出せた2人と親密な関係を築き、多くの情報を得ることができました。やはり実際に体験した人々から得た生の証言は貴重で、あの場所で人々がどんな生活を強いられ、どのように生き抜いてきたのか、その実態について本当の意味での理解が深まりました。
この作品はフィクションですが、ほとんどのシーンは実際の証言をもとにしています。パウル・シェーファーは入植者たちに「悪魔が体に入ってきた」と言い、人々はそれを信じ込み、文字通り体を揺すって悪魔を押し出しました。シェーファーは「演出」をする能力にも長けていました。たとえば、子供たちにもうクリスマスを祝わせないようにするという意図から、サンタクロースが死ぬ場面をあえてデザインして見せつけたりしていたのです。
「コロニア・ディグニダ」が宗教の特殊なセクトであることは念頭に置いておかなければなりません。小さな子供の頃に施設に連れてこられたり、この施設で生まれ育ったりした者も多かったので、指導者としては入植者たちをコントロールしやすかったのです。
――「コロニア・ディグニタ」で拷問、虐待、犯罪などのさまざまな問題があったという事実は、当時はあまり知られていなかったのでしょうか? この施設の問題点が長い間明るみに出ていなかったのはなぜでしょうか?
バレンシア 「コロニア・ディグニダ」は1961年、首都から遠く離れたチリの農村部に設立され、当初は多くの人々を救う慈善事業として当局から注目されました。当時の新聞では「チリ南部におけるドイツの奇跡」として話題にもなっています。
しかし、数年後、入植者の1人が脱走した事案をきっかけに、あの場所で何か奇妙なことが起こっているとの噂が広まり始めました。政治家や政府当局の何人かが詳細を調べようと動いたのですが、それは失敗に終わりました。すでにパウル・シェーファーは、軍司令部や政府高官などの影響力のある筋に守ってもらうための強力なネットワークを築いていたからです。
そしてピノチェトがチリで軍事クーデターを起こして実権を握ると「コロニア・ディグニダ」は独裁政権とつながり、政治犯らの収容・拷問センターの役目を担うようになりました。その当時「コロニア」に連行された多くの人々の行方は今も不明のままです。
「コロニア・ディグニダ」を守る強力なネットワークの体制は40年以上も続いていて、事実上、不可侵の場所でした。1990年代に独裁時代が終わり、民主主義が戻った後も「コロニア」は無傷で残り、シェーファーのトップの地位も変わらなかったのです。
そして1996年になり、初めて警察の本格介入が始まると、シェーファーは即座にアルゼンチンに逃亡。2005年に捕まるまで同国にとどまっていました。その間も彼は遠隔で「コロニア」をコントロールし続け、政治家を中心とした多くの有力者も彼を擁護し続けていました。
――撮影で最も苦労した点や最もこだわった点はどのようなことですか?
バレンシア 最もこだわったのは、実話をもとにした映画にありがちな古典的な手法、つまり、事実をほぼ時系列でドラマチックに再現するといった方法に安易に陥らないようにすることでした。私が頭のなかで常に考えていたのは、あの「コロニア」という現場の雰囲気や異様さ、私がリサーチで実感した要素、そしてあの場所が醸し出す恐怖に対する私の視点、これらをもとにした映像作品を作るということでした。
ですから、この映画はあくまでも事実にインスパイアされたものであって、実際に起こった出来事に基づいているわけではありません。また、映画をプロデュースするにあたっては資金調達に苦労し、何年もかかりました。さらに、実際の撮影に使えた期間は3週間しかありませんでした。
――今後、映画の題材にしたいことや、いま興味を持っているテーマはありますか?
バレンシア 現在、「コロニア・ディグニダ」に関する3部作の一部として、ドキュメンタリーとフィクションのハイブリッド作品を仕上げています。それと並行して、2つの長編映画プロジェクトの脚本を書いています。
一つは『Dog legs(犬の脚)』という題名で、チリの有名な小説に基づいた作品です。もう一つは『The show(見世物)』という題名で、19世紀末のヨーロッパで流行した、誘拐してきた南米パタゴニアの先住民たちを展示した「人間動物園」に着想を得た映画です。
――この映画に興味を持っている読者の方へのメッセージをお願いします。
バレンシア ぜひ、この作品をご覧になり、チリの現代史の中で実際にあった暗黒面にインスパイアされた物語について掘り下げてみてください。このような歴史の「振り返り」を通して、世界のほかの地域で過去に起こった、あるいは今まさに起きている同じような事態に思いを馳せる機会にしていただけたなら幸いです。
ラリー遠田
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