古代エジプト「ヘリコプター」レリーフを巡る不自然な「重ね書き」説/遠野そら
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古代エジプト人も愛していたビール。なんと信じられない成分を投入してガブ飲みしていたことが判明している――! 研究の驚愕最前線!
古代メソポタミアと並び「ビールの発祥地」といわれる古代エジプト。ビールが社会で果たした役割は極めて大きく、ピラミッドを建設した労働者に報酬として支給されたり、儀式で使われたり、神話や壁画にも登場するなど、生活と密接に結びついた酒だった。2021年には5,000年以上前のものとみられる世界最古のビール醸造所跡まで発掘されている。
そんな古代エジプトのビールは製法によってさまざまな種類が存在したが、いずれも現代のクリアな喉越しとは大きく異なり、濁ってドロドロした度数の高い液体だったと考えられている。それでも、ビールはビールだ。味はイメージと大きく異なるはずがない――と思いきや、最新研究によって驚くべき事実が明らかになった。
5月31日、米サウスフロリダ大学の考古学者ダヴィデ・タナシ氏をはじめとする国際研究チームが発表した論文(査読前)によると、古代エジプトのビールには、現代では考えられない成分が意図的に投入されていたという。
今回、古代エジプト神話に登場する「ベス」という神が象られた紀元前2世紀のビール壺(米フロリダ州タンパ美術館所蔵)を入念に調査した研究チーム。ちなみに、古代エジプトの神々はスリムな体型で横を向いた姿で表されることが多いが、ベスは大きな頭と小さな体、ガニ股で仁王立ちし、舌を出した姿で表される異色の神である。舞踊と戦闘を司るとされ、祈ることで邪気を祓ったり危険を回避できると考えられていた。
そんなベスのご加護にあずかろうと、古代エジプト人は前述の「ベスの壺」でビールをガブ飲みしていたと考えられるのだが、壺の内側に付着している痕跡を調べた研究チームは驚愕。ビール成分以外に、ペガヌム・ハルマラという植物の種子から採れる幻覚成分と、カエルレア(熱帯スイレン)に含まれる精神活性成分が検出されたというのだ。
百歩譲って、このようなケースは他の文化圏でもあるかもしれないが、古代エジプトの“本当の神秘”はここからだ。
なんとベスの壺からは、大量の“ヒトタンパク質”まで検出されている。
これが何を意味するのか?
研究チームは「母乳、粘液(口腔または膣)、血液などが混ぜられていたのだろう」と結論している。幻覚剤や人間の体液をたっぷり混ぜたビールとは、このニュースを報じた海外科学メディアが言うように、まさしく「ハードコアドリンク」そのものだ。
ベス以外の神に関する儀式でも同様のことが行われていたのか等、まだまだ詳しく調べるべき部分はたくさん残されているが、このように今でも古代エジプトに関する新たな事実が次々に判明していることは間違いない。いま我々がイメージする古代エジプトが、本当の古代エジプトだと思うべきではないのだ。
webムー編集部
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