インドネシアのムラピ火山でUFO続発! 火口から地底基地に至るホットスポットなのか?/遠野そら
UFO多発地帯は世界各地にあるが、地形でいえば「火山」での出現は多い。メキシコやコスタリカをはじめ、世界各地の火山で目撃が相次いでいるのだ。インドネシアにあるムラピ山(メラピ山とも呼ばれる)もまた、U
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未確認生物や妖怪の代表格ツチノコを題材にしたドキュメンタリー映画が制作中だ。未確認の存在を追うノンフィクション作品とは? UMA研究家・中沢健が解説する。
UMA(未確認生物)の話は世界中どこでも人々の心を惹き付ける。
日本でも多くのUMAが目撃されているが、その中でも、もっとも高い知名度と人気を誇っているのは、やはり「ツチノコ」ということになるだろう。
UMAといえば、恐竜の生き残りが正体と考えられている巨大生物や、ファンタジー映画に登場するモンスターのような派手な存在も多い。そんな中で、少し変わった姿の新種の蛇が正体であるとされている比較的地味なUMAが何故ここまで愛されているのか?
その謎を解くヒントになるかもしれないドキュメンタリー映画が現在制作中だ。
今井友樹監督による『槌の子物語』である。
今井監督は、これまでに農山村漁村の暮らしに焦点を当てた作品などを多く手掛けてきたドキュメンタリー映画監督。最新作の題材にツチノコを選んだのは、少し意外にも感じる。
だが、ツチノコに関する最古の目撃記録は江戸時代まで遡るのだ。(もっと古くから伝わっていたという説もある)それだけ大昔から日本各地で目撃され、語り継がれてきた。
しかも、人里離れた秘境などではなく、田畑や近所の山など、身近なところでも、ツチノコは目撃され続けてきた。UMAと聞くと、人々の暮らしからは遠く離れた秘境の世界の話のように感じてしまうが、ツチノコは別なのだ。今井監督が追ってきたテーマとも一致する存在と言える。
これまでツチノコを迫った番組や書籍は少なくないが、UMAやいわゆるオカルト界隈のクリエイターではない視点でツチノコを迫った作品は、日本人とツチノコの長く密接な関係をリアルに伝えてくれる作品となりそうだ。
ツチノコは北海道と沖縄を除く日本全土で目撃されているが、その中でも特に目撃が多いことで有名な場所のひとつに岐阜県東白川村がある。
私も何度も訪れている場所だが、村にはツチノコの絵が描かれた看板が至るところにあり、ツチノコの資料が観覧できる「つちのこ館」もある。他にも、「つちのこ神社」や「つちのこ公園」などの施設も充実している。とくに年に1度、5月3日には「つちのこフェスタ」と呼ばれるツチノコ捜索イベントが行われており、ツチノコに関心を抱く多くの人々が集まることで有名だ。総人口2000人の村に3000人が集まったこともあるというから、ツチノコの集客力のすさまじさを思わせる(コロナ禍の影響で2020年、2021年、2022年は実施されていない)。
残念ながら、かつて私が訪問した際にツチノコの目撃は叶わなかったが、目撃者の方には何人も会うことができたので驚いた。
実はUMAを探しに行っても、目撃証言のひとつも集められずに終わってしまうことは多い。いわゆるオカルト本を読んでいると、UMAスポットの現地の人たちはみんな存在を信じているんじゃないかと期待に胸を膨らませて足を運んでしまうのだが、実際に現場に行くと「そんなのいないよ」と冷ややかな空気で、せっかくのご当地UMAが雑に扱われている場合も少なくなかった。
だが、東白川村に行けば、ツチノコの目撃者に会うまでにそこまで苦労はしなかったし、目撃者以外の村民の方もツチノコに深い関心を抱いていることが感じられた。自分のようにUMAを愛する人間にとっては、そんな東白川村の空気感が気持ちよくて、何度も足を運びたくなってしまうのだ。
実は、『槌の子物語』を制作中の今井友樹監督も、東白川村出身なのである。ツチノコへの愛が溢れる村で生まれた監督が、ツチノコのドキュメンタリー映画を撮る。その情報を聞いた私は、ワクワクが止まらなかった。
『槌の子物語』は長編ドキュメンタリー映画として今秋完成、来春の劇場公開を目指して制作が進んでいる。そして、長編版の前に東白川村での取材パートをまとめた18分ほどの短編作品(『槌の子物語 —東白川村の目撃談—』)が既に完成している。2022年11月に東白川村での上映会が予定されているが、それに先駆け、私はそちらを鑑賞させてもらうことができた。
UMAのドキュメンタリー映画と聞くと、派手な再現映像や、大袈裟なナレーションがふんだんに盛り込まれたような内容を想像する方も多いだろう。
だが、『槌の子物語 —東白川村の目撃談—』はそういったものではない。
東白川村でツチノコにまつわる証言を次々と聞くことができる。
逆にいえば、それだけだ。
私はテレビのオカルト番組の仕事も多いのでわかるのだが、こういった企画ではインパクトのある言葉を引き出そうとして、話を誘導しようとする聞き手も多い。
しかし本作では、体験した真実を、余計な装飾は無しに自然に語ってもらおうという姿勢が伝わってきた。例えば、もう昔のことなのでハッキリとは覚えていないとか、頭部の部分は見ていなかったんだとか、そのまま語ってくれている証言者たちを映す映像を観ていて非常に好感を持てた。
また、テレビのオカルト番組だと証言に合わせて、イメージイラストが挿入されることも多いが、そういった演出もない。作り手の先入観によるビジュアルではなく、あくまでも目撃者の証言を素材のままに届けたいという今井監督の意思を感じた。映画の冒頭でコメントをされているのも、伊藤龍平氏である。伊藤氏はツチノコを民俗学的にアプローチした著書『ツチノコの民俗学 妖怪から未確認動物へ』(青弓社)で、いるいないの議論ではない視点の持ち主である。
映画全体で「ツチノコがいるかいないか」はそこまで重要視しておらず、ツチノコという存在に対して、東白川村の人たちはどう受け止めているのかを淡々と追っていく。おかげで、自然体のおじいちゃん、おばあちゃんとお茶でも飲みながら、ツチノコに関する世間話を聞いているような気持ちにもなってしまう。
ツチノコという生物が仮に存在していなかったとしても、人々の心の中にはツチノコは確実に存在している。
映画には、既に故人になられている目撃者から聞いていた話を伝えてくれる方なども登場する。妖怪伝説のように、ツチノコの目撃談もこうして語り継がれていくのだろう。
いや語り継いでいかねばならないという意思を、この映画から強く感じた。
私が東白川村に足を運んだときにも感じたことであるのだが、ツチノコ目撃者は大半が高齢者の方々であった。若い人の目撃は少なく、ツチノコ目撃多発地帯といえども、近年ではその目撃は決して多くないのだ。
目撃数自体が減少傾向にあるツチノコに対しては、その存在を信じている研究家の間でも、現代では絶滅しているのかもしれないと語る者はいる。筆者はそこまで悲観的には考えていないが、ツチノコが絶滅の危機に陥ってしまっているのではないかという焦りはある。
そのうえ、目撃者の高齢化によって人々の記憶からも絶滅が迫っているとすれば、これは由々しき事態だ。
『槌の子物語』の長編版は、日本全国で取材した様子が観られるそうだ。
ツチノコの捉え方は土地によって大きく違う。
祟りや災いをもたらす存在として、恐怖の対象としてツチノコに接してきた(避けてきた)人々も少なくない。短編版では東白川村での「愛すべきツチノコ」について描いたドキュメンタリー映画だったが、ならば長編版はツチノコの怖さ、ツチノコへの畏怖にも踏み込んだ内容になるのではないかと予想している。
UMA研究家である筆者は時々「ツチノコってもし本当にいたとしても、ただの変わった蛇じゃん?」と冷めた意見を言われてしまうこともある。
だが、ツチノコはそんな単純な存在ではない。人々から愛される存在であったかと思えば、恐ろしい妖怪でもあった。神様のような存在でもあるし、いるいないの議論が未だに続く未確認生物でもある。
ツチノコが持つ多面性を広く知ってもらうためにも、映画『槌の子物語』に期待したい。
中沢健
作家、UMA研究家。UMAのお土産を集めるのが最大の趣味で、町興しや観光に利用されているUMAが特に好き。
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