2023年のネッシー“公式”目撃事例「第1号」は10代少女の快挙! 本物認定に必要な条件とは!?
少女が目撃したネッシーが今年「第1号」として公式に認定された! 本物と偽物の意外な違いとは!?
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ネッシーとよく似た水棲獣UMAの存在は、実は日本国内の各湖でも確認されている! あなたは何種知っているだろうか?
前回の記事では世界中の湖で目撃されている「ご当地ネッシー」(もしくは「ポスト・ネッシー」)とでも呼ぶべきUMAたちを紹介した。
今回は、日本で目撃されているネッシーの仲間たちをご紹介する。日本版ネッシーは、実はこんなにたくさんいるのだ!
◆ ◆ ◆
北海道の屈斜路湖で目撃されている「クッシー」は、日本を代表する水棲獣UMAだ。
屈斜路湖に巨大生物が潜むという伝説は大昔から伝わっていたようだが、ネッシーのような巨大未確認生物がいると話題になり始めたのは1970年代からだ。
73年には遠足に来ていた中学生たち(約40人!)が揃って、水中を進む「何か」を目撃するなど、信憑性の高い目撃談が多い。
体長は最大で15メートルほどと言われている怪獣クッシーは、あっという間に人気者になり、76年には「ネッシーとクッシー」という歌まで作られレコードも発売された。
「ネッシーとクッシー」のレコードジャケットもそうだが、地元にあるクッシーのイラストが描かれた看板やお土産などは、プレシオサウルスのような姿で描かれている。
実際に、クッシーを捉えたとされる写真の中には、長い首と背中が見える、まさに日本版ネッシーのような写真も存在している。
クッシーと並んで、日本を代表する水棲獣UMAと言われているのが鹿児島県の池田湖で目撃されている「イッシー」だ。
池田湖も、屈斜路湖同様に、巨大な怪物が潜むという伝説は古くからあった。そして、UMA騒動が始まったのも70年代に入ってからである。
70年代の日本はオカルトブームが起きており、その中でネッシーの注目度も高かった。
73年には、あの石原慎太郎も「国際ネッシー探検隊(ネス湖怪獣国際探検隊)」を結成して、ネッシー捕獲に挑んでいた。もちろん、テレビや週刊誌などもそれを大々的に報じていた。
こうしたネッシーブームの熱が、それまでは地元の一部の人間が語り継いでいたにすぎなかった湖の巨大怪物の話を、ポスト・ネッシー的なUMAへと変化させていったのかもしれない。
池田湖と言えば、2メートルを超える巨大ウナギも生息しており、イッシー騒動以前から巨大ウナギは観光の目玉にもなっていた。(ドライブインやボート乗り場にある水槽では飼われている巨大ウナギを見ることが出来る)
そのため、イッシーの正体に関してもプレシオサウルスのような古代生物の生き残りではなく、怪獣サイズの巨大ウナギが潜んでいると考えている者は多い。
実際、首長竜のような姿の巨大生物を目撃したという話はほぼなく、目撃されたのも巨大生物の背中のような部分だったケースがほとんどだ。
それでも、池田湖の周りには、プレシオサウルスそっくりのイッシー像が作られ、プレシオサウルス風のイッシーグッズもお土産として販売されている。
山梨県の本栖湖では「モッシー」が目撃されている。
モッシーも、イッシーと同じく首の長い巨大生物の目撃談はほぼ無い。
1972年には体長3メートルの巨大魚を目撃した人の話を、新聞が報じている。
そのことから考えても、モッシーはプレシオサウルスのような生物ではなく、巨大魚タイプのUMAであると考えたほうがよいだろう。
モッシーはクッシーやイッシーと比べると観光にも活かされていないが、いくつかのお店ではモッシーグッズが販売されている。
だが、お土産に描かれているモッシーのイラストはやはりプレシオサウルスのような姿であった。
実際の目撃談以上に、「〇ッシー」という名称から連想する姿のほうが優先されるようである。
なお、本栖湖だけでなく、富士五湖は全ての湖で水棲UMAの目撃情報がある。
山中湖のUMAは「ヤッシー」、精進湖のUMAは「ショッシー」、西湖のUMAは「サッシー」と、全てネッシーを意識したネーミングが付けられている。
だが、残る一つの湖、河口湖で目撃されているUMAだけは「大亀」であるらしい。
88年に、0.5畳ほどの大きさの亀が目撃されたのだ。目撃者がはっきりと「亀を見た」と証言したためか、河口湖の水棲UMAには「〇ッシー」的な名前が付けられることもなかった。
このように、日本の〇ッシーと呼ばれるUMAたちは必ずしも、ネッシーのようにプレシオサルスのような姿の生き物が目撃されたり、写真を撮られたりしたわけではない。
その中でもネッシーのビジュアルイメージとは大きく外れている存在が、千葉県の雄蛇ヶ池で話題になった「オジャッシー」だ。
1981年に雄蛇ヶ池に、ぶよぶよしたスライムのような不気味な生物が出現して、オジャッシーと名付けられた。
実はこのオジャッシーに関しては、その正体もほぼ解明されている。
オオマリコケムシというコケムシの一種が、怪物と見間違われたのだ。
オオマリコケムシは一体ずつだとそれほど大きくもないが、群れで固まるため、一体の大型生物のように誤認されてしまったのだ。
オジャッシー騒動について考えると、水中で正体不明の生き物を見たら、すぐにネッシーを連想してしまうという日本人の国民性が感じられる。
さて、最後にご紹介したいのは、今回紹介した日本版ネッシーの中でも、もっとも知名度が低い存在だ。
筆者が調べた限りでは、まだどのUMA本にも掲載されていなかった。
それが、福島県の猪苗代湖で目撃された「イナッシー」だ。
90年代に突如話題になったUMAで体長は12~13メートルほど、その姿はプレシオサウルスのようだったと伝わっている。
70年代のオカルトブーム時に大騒ぎになったクッシー、イッシーは80年代になると目撃が減少。騒ぎになることもほとんどなくなった。
だが、90年代に入るとクッシーとイッシーの目撃が再び増えるようになり、ワイドショーなどでもよく報道されていた。
そんな日本UMA再ブームに合わせるかのようにイナッシーも出現して、現地には巨大な看板も作られ、イナッシーのキーホルダーや饅頭などのお土産も販売された。
実を言うと、筆者がはじめて足を運んだUMA目撃スポットが猪苗代湖であった。
当時はまだ小学生であったが、家族旅行の話になる度に池田湖や屈斜路湖に行きたいと主張していた。だが、実家のある茨城から北海道や鹿児島は遠いと毎回却下されていたのである。
そこに突如やって来たのが、隣の県に出現した日本版ネッシー出現の情報である。
「次の家族旅行は猪苗代湖でイナッシー捜索!」という息子の願いが叶い、私は念願のUMA捜索を実現することが出来たのだった。
イッシーやクッシー、モッシーなどとも違い、イナッシーは90年代の間のほんのひととき話題になったきりで、その後は語られることもなくなってしまった。(地元にあった巨大な看板も既にない)
UMA図鑑などでも振り返られる機会はほぼなく、半ば幻のUMAと化してしまった。
数年前に、筆者の元に福島テレビのスタッフから連絡があった。
テレビ局の人間がリサーチしても、90年代にあったイナッシー騒動を象徴する巨大看板の写真は見つからず、筆者が写真を提供することになったのだ。
私としては最初に捜索をした、思い入れも深いUMAであるだけに、今回こうして日本のポスト・ネッシーとしてイナッシーのことを書けたことは嬉しく思う。
◆ ◆ ◆
世界中の人々にその名を知られ、莫大な経済効果も生んでいるネッシー。
多くの国で、巨大生物の目撃談が起こった湖では、ネッシーのような人気者を作りたいという地元の人々の夢と努力があった。
だが、ネッシーへの道は遠い。ネッシーのような世界的スターになれるUMAはほんの一握りなのだ。
それでも、これから先も、世界中でポスト・ネッシーを目指すUMAたちの話題は次々と現れることだろう。
ネッシーはもちろんだが、私たちはそんな世界中にいるネッシーの仲間たちのことも見守っていきたい。
中沢健
作家、UMA研究家。UMAのお土産を集めるのが最大の趣味で、町興しや観光に利用されているUMAが特に好き。
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