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世界各地の海辺に打ち上げられる謎の死骸。ただの腐敗した既知の生物か、それとも未知の大型生物なのか。近年に発見された無気味な漂着UM=グロブスターを厳選紹介する。
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2020年2月9日、イギリスで発生した暴風キアラが過ぎ去った後、スコットランド、アバディーンシャー州東部の海岸に腐敗した巨大な骨が打ち上げられていた。同国アバディーン大学の海洋生物学者デビッド・ルソー教授は、「写真の印象では、クジラの骨をイメージさせるが、詳しい情報が不足しており、確定できない」とコメントしている。
2006年8月、ロシアのサハリンの海岸に打ち上げられた死骸。体長7メートル。全体に腐敗が進み、ほぼ骨格だけになってしまっている。プレシオサウルスではないかという憶測も飛んだが正体は不明。水棲生物の一種と推測されるが、ざらついた皮膚には、体毛ともヒゲともつかないものが生えている。この写真が撮影された直後、政府関係者が、死骸をいずこかへと運び去ったという。
2013年5月、ニュージーランドのプレンティー湾で発見されたこの生物は、体長およそ9メートル、大きな口や鋭い歯の形状から絶滅した海竜を彷彿とさせる。腐敗がひどく、正体についてワニや巨大ウツボ説が出たが、海洋生物学者のアントン・ファン・ヘルデンは、尾の特徴から、近海に生息するシャチではないかと指摘しているが、正体は不明。
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2017年4月30日、アメリカのテキサス州をハリケーン「ハービー」が直撃。その数日後、テキサスシティのガルフコーストで謎めいた生物の死骸が発見された。全長約1.5メートル。頭部に目がなく、大きな口には上下に鋭い牙が並び、首のあたりにエラのようなものがある。生物学者のケネス・タイ博士は「キバウミヘビではないか」とコメント。だが、目がない理由は不明で、いまだ正体は特定されていない。
2013年8月15日、スペイン南部、アンダルシア州のビジャリコスのルイ・シレー海岸に漂着した謎の生物。体長4メートルで頭部に2本の角がある。海洋学者は既知の海洋生物で、このような角を持った種はいないと指摘。胴体中央部分にヒレがあり、太古の海竜ではないかと推定された。一方、その姿形から伝説上の神獣ドラゴン、または龍のモデルになったのではないかとも推測されている。
2017年5月9日にインドネシア、セラム島の海岸に打ち上げられた体長15メートルの巨大生物。血と見られる赤い液体が生々しく流出している。この生物の動画はSNSに投稿され、世界中の人々の注目を集めた。インドネシアの「ジャカルタグローブ」紙は、腐敗したこの生物を〝巨大なイカ〟と表現しているが、海洋生物研究家たちは、「映像だけで判断するのは難しいが、腐敗が進んだヒゲクジラように見える」とコメントしている。
浜辺や岸辺に打ち上げられる〝生物的特徴を示していない〟異形の肉塊を「ブロブ」と呼ぶ。2003年7月、南米チリのロスミエルモス海岸に全長12メートル、重さ13トンの肉塊が漂着。画像を見た多くの学者は「クジラの脂肪質」と主張。しかし、地元のクジラ類保護センターの海洋学者エルザ・カブレラは、「間近で確認したところ、クジラではなく無脊椎動物ではないか。死骸が放つ臭気が異なる」と否定。これが未知の生物の死骸である可能性を指摘した。
2020年2月22日、フィリピンのディナガット諸島カグディアナオの海岸に打ち上げられた体長約6メートルの怪物の死骸。公開された映像では、切断面から出血していた。切断面に本来の頭部がついていたとすれば、推定体長は10メートルを優に超える。だが、市役所から派遣された調査チームは、正体はマッコウクジラで、全身を覆う体毛は、白く腐敗した筋繊維だという見解を示した。サンプルの一部が「マニラ漁業水産資源局」に送られているが、検査結果を含む続報はいまだ発表されていない。
海岸や水辺に打ち上げられる、生物的特徴を備えたブヨブヨとした〝肉塊もどき〟の怪物は、「グロブスター」と呼ばれている。2016年3月、メキシコ南西部アカプルコのボンフィルビーチに体長約5メートルのグロブスターが打ち上げられた。表面は灰色でゼラチン質。イカかクジラの腐乱死体ではと噂されたが腐敗臭はなかった。地元メディアはその正体を特定できないまま、死骸は行方知れずとなってしまった。
2018年8月、全長は約8メートル、推定重量は4トン以上の典型的なグロブスターが、ロシア極東のカムチャツカ半島のベーリング海に面したパハチ村の海岸に漂着。特筆すべきは、全身を覆う体毛の一本一本が中空でチューブ状になっている点と、尾とも頭部ともつかない長く伸びた部分の存在である。
これらは従来のグロブスターには見られない特徴だけに、新種ではないかとUMA研究家の間で注目の的になった。
2020年1月8日、フィジー諸島コロ島のナコドゥ村の海辺に漂着した謎の死骸。体の左右に4つ、計8つの櫂状(かいじょう)の触手、尾、全身に体毛のある白色の皮膚はイグアナに似た質感だった。骨はなく無脊椎生物と思われた。南太平洋大学海洋生物学部の検査技師ローラ・ウィリアムズは、サンプル採取など詳細な情報を求めたが、肝心の死骸は数日後、村人たちによって焼却されてしまったという。
2012年11月、アメリカ、コネチカット州ミルフォードのビーチに打ちあがった謎の生物。散歩をしているカップルが撮影。その後、画像をフェイスブックにアップし注目された。イヌか豚のような鼻があり、指には爪があるが種は特定されていない。発見場所にちなんで、ミルフォード・モンスターと名づけられている。
2008年7月、アメリカ、ニューヨーク州南部のモントーク海岸に漂着した小型犬ほどの死骸。体毛がなく、頭部にはクチバシを思わせる口に鋭い牙を持っていた。その奇怪な頭部は既知のどの生物にも似ていない。「DNA操作で生まれたキメラ」「軍が生みだした生物兵器」と噂された。死骸は数日間、砂浜に放置されていたが、その後、行方不明になっている。
2007年7月、ギニア沿岸に漂着した謎の巨大生物の死骸。体長約10メートルで、全身に毛が生えており、一部は腐敗しているが、4本の足と尾のようなものが確認されている。生物の調査を担当した現地の科学者は、「以前にも同様と思われる生物の死骸を目撃したことがあるが、その正体はいかなる生物に属するのか、現時点では皆目見当がつかない」と語っている。
2012年2月1日、アメリカ、カリフォルニア州サンディエゴの海岸に打ち上げられた醜悪な怪物の死骸がインターネットに公開された。撮影者は、「体長約1メートル、胴体はブタそっくりで、犬歯が異常に大きかった」と語っている。犬歯が異常に発達していて、イヌやアライグマではなく、むしろチュパカブラの頭部を連想させるが、正体は不明。
2007年12月、中国の甘井子区大連湾近くの海岸に打ち上げられた古代の翼竜プテラノドンの頭部を彷彿とさせる死骸。クチバシのようなものがついた頭部のみだが、大きさは約3メートルと巨大。一説では、「アカボウクジラ」ではないかといわれているが、似て非なるものでしかなく、その正体はいまだ解明されていない。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
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