「ナスカの地上絵」以外の謎を追う! 長頭人、3本指ミイラ、恐竜の絵、熱気球… 古代アンデス文明のミステリー/羽仁礼
新たに168もの「ナスカの地上絵」が発見されたことで話題の古代アンデス文明。実は、“ありえない出土品”だらけの謎に満ちた文明でもある。もう一度おさらいしておこう。
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突然オークションに出され。500億を超える驚きの価格で落札された幻の名画の謎を三上編集長がMUTubeで解説。
2017年、美術界は文字どおり歴史の1ページを目撃することになった。あのレオナルド・ダ・ヴィンチの幻の名画「サルバトール・ムンディ」がオークションにかけられたのである。
「世界の救世主」と題され、最高の名画とまで称されているこの作品は、16世紀にルイ12世のために描かれた後、チャールズ1世の時代にイギリスに渡ると、1763年を最後にしばらく姿を消してしまった。だが、それから200年以上がすぎ、2005年になると、ある美術商が手に入れることになる。
そのときの価格は1175ドル。円安のこの時代でも、20万円にも満たない。当然、これには理由があった。当時は劣化と修復によるリペイントがあまりにもひどく、とてもダ・ヴィンチの作品とは思えなかったのだ。
ところが修復を終え、2011年にナショナルギャラリーで展示されるころには、エックス線などの鑑定もひととおり完了。そして「サルバトール・ムンディ」が、レオナルド・ダ・ヴィンチの直筆であると鑑定するキュレーターが現れたのだ。
美術関係者は驚嘆した。途端に価格も跳ねあがった。
2013年にサザビーズオークションに出品されると、90億円という金額で落札され、さらにロシアの富豪ドミトリー・リボロフレフ氏が1億2750万ドル、約140億円で購入した。
2005年の真偽不明の状態と比べると、10万倍を超えるというあきれるほどの差がついている。
だが、話はまだ終わらない。2017年、リボロフレフ氏がこの絵をオークションにかけると、なんと4億5301万2500ドル(約510億円)という、美術史上最高額になったのだ。
ここまでの話だと、幻の名画が見つかり、浮世離れした金額で大富豪に買われただけだと思われるかもしれない。 だが問題は、後日談にある。
「サルバトール・ムンディ」は、持ち主の要望により最新鋭のエックス線検査や、考え得るすべての非破壊型断層検査にかけられた。その結果なんと、贋作もしくは古い時代のイミテーションであるという結論が出されたのだ。
はたしてこの絵は偽物なのか。それともやはり本物なのか。混乱するのももっともな理由があった。
まず、割れた板があまりにも粗く接着されており、これでは修復ではなく素人のDIYにすぎないと酷評された。またダ・ヴィンチ直筆と鑑定された絵は、実際にはそのほとんどが修復士によって上に描かれたものだったのだ。
こうして作品の評価は、世紀の大発見から駄作へと転落していった。
しかも、どういった経緯なのかは不明だが、ホームセンターで売られているような万力で挟はさまれている、修復中の「サルバトール・ムンディ」の無残な姿も流出。この時点で、絵をダ・ヴィンチ直筆だと公言する専門家はほぼいなくなってしまったのである。
上の写真は、そのときに流出した修復中の「サルバトール・ムンディ」である。接着剤を塗られ、四方をクランプや万力で挟まれている姿は、莫大な価値を有する名画とはほど遠いように思える。だが、この修復方法自体は、どれだけ高価な名画であっても行われる、一般的な方法である。少なくとも絵画修復に造詣が深い人間であれば、これを理由に絵を酷評することはあり得ないはずだ。
次に、修復士がほとんどを描きなおしたという点についてはどうなのか。
左にある2枚の写真は、それぞれ修復前と修復後の「サルバトール・ムンディ」である。
いかがだろうか。
ヒビや欠損部分のレタッチこそなされているが、その他の部分には劣化防止薬以外、さほど大きな作業は加えられていないように見える。
にもかかわらず、なぜか絵画業界の専門家たちはこぞってリペイントだとか贋作だとかいいはじめた。インターネットで検索しても、ほぼ酷評ばかりが顔を並べるような事態となっている。
では、「サルバトール・ムンディ」はレオナルド・ダ・ヴィンチの作品ではないのか。本当にこの絵は贋作なのか。答えは──正真正銘、ダ・ヴィンチが描いた晩年最後の作品、幻の名画そのものなのである! なぜ、確信を持って筆者はそういえるのか。それをこれから検証していくことにしよう。
(文=嵩夜ゆう)
続きは本誌(電子版)で。
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