超古代文明カタカムナの夢の跡ーー「六甲山系金鳥山」の歩き方/ムー的地球の歩き方JAPAN
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世界各地には、聖地やパワースポットと呼ばれる特別な場所が存在する。 そこでは、重い病が癒えたり、食べ物の腐敗速度が遅くなったりするなど、不思議な現象が数多く報告されている。 そのパワーはどこからくるのか? そしてそのパワーの正体は何なのか? それを解明する大きな鍵となるのが「ゼロ磁場」だ。 さらに、ゼロ磁場の概念を用いれば、超能力や超常現象も説明することができるという。 はたして、その真相とは?
目次
神秘的なパワースポット探訪がブームになっている。とりわけ熱い視線を浴びているのが長野県の「分杭峠(ぶんくいとうげ)」だ。
旧長谷村(現・伊那市)と大鹿村の境界、伊那山地の一角に位置する峠の標高は1424メートル。その分杭峠を中心とする山中一帯に強い「気」が充満していると評判になり、全国各地から多数の人が訪れるようになった。それも一過性のブームではなく、年々、探訪者の数は増えつづけている。


斜面に設けられた丸太のベンチに腰かけて憩う人、ポリタンクやペットボトルに湧き水を汲む人、静かに瞑想にふける人……。探訪者の多くは、その場に1~2時間ほど身を置いているだけで心身が癒やされ、五感が冴えわたる、と証言する。
ほかに、各種の難病が快癒した、謎の発光現象を目撃した、撮影した写真にオーブや神霊らしきものが写っていた、といった超常的な報告もなされている。
この分杭峠がパワースポットとして注目されるようになったのは平成7年ごろのことで、気に関心を抱く地元の地域振興グループが、強い気の発生場であるパワースポット「気場」を発見したのが発端だった。
そして中国の著名な気功師・張志祥(ちょうししょう)を招いて鑑定を依頼したところ、分杭峠一帯の気場は世界でも指折りのものであり、中国随一のパワースポットとして名高い湖北省の「蓮花山(れんかさん)」に勝るとも劣らない、との確言を得た。ちなみに、張志祥は蓮花山の気場の発見者でもある。
分杭峠の気場に関する張志祥の発言は、平成7年9月29日付の産経新聞(夕刊)で報じられ、さらにテレビや雑誌などでも分杭峠が正真正銘のパワースポットとして紹介されて、一躍脚光を浴びるようになったのである。

では、分杭峠でなぜ強い「気」が発生するのか。
中国の風水思想では、気は深山幽谷で発生しやすいというが、その要因は断層にあるらしい。分杭峠はじつは「中央構造線」と呼ばれる大断層上に位置している。

中央構造線は台湾山脈の直下に始点を持ち、南西諸島西側の海底大断層(沖縄トラフ)を経て九州に入り、さらに四国と紀伊半島を横断して愛知県から北上し、伊那山地を通って諏訪湖まで延びる総延長約1000キロもの世界最大級の断層である。

しかも奇妙なことに、この中央構造線沿いには格式の高い神社仏閣や修験道の聖地などが多数ある。
高天原神話発祥の神宮といわれる幣立(へいたて)神宮、修験道の山として名高い石鎚(いしづち)山、弘法大師が開いた高野山金剛峰寺(こんごうぶじ)、日本3大弁才天のひとつ天河大弁才天社、皇室の宗廟たる伊勢神宮、日本3大稲荷のひとつ豊川稲荷、国内最古の神社のひとつ諏訪大社などは、いずれも中央構造線沿いに配されているのだ。



これは偶然ではあるまい。古人は中央構造線が発している神秘的な気を霊威と感知して信仰対象とし、そこを聖地・霊地に定めたのではなかろうか。
じつは蓮花山も大断層上にあり、分杭峠と同様の超常パワーを内包していることが、中国の大学や研究所が行った計測によって判明している。高血圧の人の血圧が低下した、食べ物の腐敗速度が遅くなった、動物の免疫細胞が増えて自然治癒力が高まったことなどが学問的に確認されているのだ。
なぜ、そのような現象が起こるのか科学的に解明されてはいない。
だが、仮説はある。
電気通信大学名誉教授の佐々木茂美氏が唱える「ゼロ磁場」の概念がそれだ。
周知のように、地球は北極(N極)と南極(S極)の磁場構造を持つ巨大な磁石である。ゼロ磁場とは、このN極とS極という正反対の磁界が向き合うことで磁力が相殺されて消滅し、「ゼロ」もしくは限りなくゼロに近くなっている特殊な場をいう。
ただし、このゼロは「何もない」ことを意味しているのではない。N極とS極の磁力が拮抗して打ち消し合っている状態、すなわち見かけ上で磁力が消滅している状態をいう。
力量互角の力士が渾身の力をこめて押し合いながら、両者不動になっているのと同じような状態だと理解すればいいだろう。
中央構造線内部では、日本列島や周辺海域のプレート移動運動から生じた地殻圧力がたまりつづけ、つねに強力な磁気エネルギーを発している。となれば、地上にも通常のパターンと異なる磁場が形成されてもおかしくはない。
実際、分杭峠付近ではコンパス(方位磁石)に狂いが生じ、カーナビが機能しなくなるといった磁気異常現象も確認されている。
つまり、分杭峠や蓮花山の地下では地殻同士が鬩(せめ)ぎ合い押し合っており、拮抗する正(+)と負(-)の巨大パワーの均衡が取れてゼロ磁場が生じている、と佐々木教授はいうのだ。


幣立神宮などの聖地や霊地もまた中央構造線沿いのそうした特異点に位置しており、同様にゼロ磁場になっているのだろう。
しかも、このゼロ磁場の概念を用いると、聖地やパワースポットが秘める超常パワーだけでなく、未解明の超常現象のメカニズムも説明可能だと佐々木教授は説く。
研究室で人工的にゼロ磁場をつくりだして実験したところ、ゼロ磁場に置いた水の電気伝導率に変化が生じたという。
既知の科学理論では起こりえない現象であり、佐々木教授は、ゼロ磁場では超常現象を起こす未知のエネルギーが作用しているのではないかと推論し、そのエネルギーを別の次元(5次元)世界から流入してくる「宇宙エネルギー」と見なした。
そして、ゼロ磁場が生じると何らかの共鳴・共振作用が起こり、次元が異なる世界に遍在している宇宙エネルギーが、われわれが存在する3次元世界に流入してくる、と主張する。
つまり、ゼロ磁場自体が不思議なパワーを発しているのではなく、ゼロ磁場は別の次元世界との接点(架け橋)であり、宇宙エネルギーが流れ込む入り口になっている、というのである。
その宇宙エネルギーは3次元世界で超常現象や奇跡を起こすエネルギーであり、気功師や超能力者などは、ゼロ磁場を無意識のうちに作りだしてそのエネルギーを利用しているのではないか、というのが佐々木教授の推論だ。
もう少し、具体的に説明しよう。
超能力が発揮されるとき、超能力者の意識は無意識にかぎりなく近い「変性意識状態」になることが各種実験で確かめられており、佐々木教授はそれを「意識のゼロ化」と呼ぶ。
そして、超能力者や気功師は瞑想や修行という行為を通じて意識をゼロ化するテクニックを修得しており、変性意識状態下で別次元世界から流入してくる未知のエネルギーをコントロールして超常現象を起こしている、と説く。
その未知のエネルギーの発生源は5次元世界にある。時間も空間も超越した5次元世界では、人間の意識は全生命体および全物質と自由にコンタクトできる、と教授は考える。
だからこそ、ゼロ化した意識を入り口として5次元世界から流入してくる宇宙エネルギーを利用して、ESP(超感覚的知覚)能力やPK(サイコキネシス)能力を発揮できる、というのだ。


佐々木教授が説くこの宇宙エネルギーは、量子力学でいうところの「ゼロポイント・エネルギー(真空エネルギー)」と同様のフリーエネルギーの一種かもしれない。
古典的物理学では、真空は「何もない空間」と考えがちだが、量子力学ではまったくの「無」である真空は存在しない。すべての物質とエネルギーを取り除いた空間ですら、膨大な量の粒子がわれわれには観測できない状態で詰まっている。粒子には質量があり、質量とはエネルギーの一形態なのだから、真空はじつは膨大なエネルギーの塊ということになる。
しかも、極微のレベルでは真空中でも正(+)と負(-)のエネルギーの鬩ぎ合いがつづいている。真空が一見「無」に見えるのは、正と負のエネルギーの鬩ぎ合いが見かけ上は「±ゼロ」状態になっているからにすぎない。
佐々木教授が説くゼロ磁場あるいはゼロ化に酷似した概念であり、量子力学ではその状態を「ゼロポイント・フィールド」と呼ぶ。ゼロとはいうが、しかしエネルギー変動は完全にゼロではなく、計測可能なほどの力が間違いなく生じているのである。
その変動値は小さいとはいえ、宇宙の真空に存在するすべての粒子の活動を合計すると、想像を絶する膨大なエネルギー量になる。
最大の推定値では、わずか1立方センチの宇宙の真空に10の108乗ジュールものエネルギーが含まれているという。ちなみに、この数値は通常の超新星爆発の10の64乗倍のエネルギーにほぼ等しいそうだ。
物理学者リチャード・ファインマンは「1立方メートルの真空に含まれるエネルギーで、世界のすべての海の水を沸騰させうる」と評し、SF作家のアーサー・C・クラークは「普通の電球1個のなかの真空だけでこの宇宙全体を吹っ飛ばせる」と語ったという。

これがゼロポイント・エネルギーあるいは真空エネルギーと呼ばれるもので、実用化が試みられているが、成功したとの報告はまだなされていない。
佐々木教授がいう宇宙エネルギーの発生源を3次元空間と同一の空間に存在する「位相を異にする世界」に求める研究家もいる。わが国における超常現象研究の第一人者・並木伸一郎がその人で、じつに興味深い仮説を提示している。
エネルギーの基本形は物質と光であり、従来は物質と光がエネルギーを生みだすといわれてきた。一方、それとは逆に、振動によって生じるエネルギーの渦が物質を形づくっているのではないか、という仮説がある。
デヴィッド・アッシュとピーター・ヒューイットがその共著作『Vortex(渦)』で主張した説で、これを「振動仮説」という。
光はエネルギーの波(波動=振動)であり、物質は渦状のエネルギー振動である。エネルギーの波である光が真空を伝播するのだから、物質を形づくるエネルギーの渦もまた真空に存在しうる。光の速度が光速なら、物質を構成する渦の速度も光速になる。だからこそ、我々は3次元空間にあるすべての物質を見ることができる──と彼らは主張するのだ。
仮説はさらに次の段階へと進む。
周知のようにわれわれが住む3次元空間の真空中での光速度は秒速約30万キロだが、ほかに光速度が秒速40万キロの「別世界A」があると仮定しよう。
この別世界Aは次元が異なるパラレル・ワールド(並行宇宙)ではない。3次元空間と同じ空間にありながら、位相を異にしている世界をいうのであり、並木は「異3次元空間」と名づけている。位相は違っても同じ3次元空間なのだから、別世界Aでも光速度不変の原理は成り立つ。したがって振動仮説を容れるなら、別世界Aの物質は秒速40万キロの光の速度の渦でできていることになる。
この別世界Aの時空間は、われわれの世界の時空間について論じた相対性理論の対象外になるので、光速度30万キロを超えることができないわれわれの通常の観測網には引っかからない。
つまり、別世界Aはわれわれの目では観測できないし、触ることもできない。逆に、別世界Aから見た場合も同様で、別世界Aの住人はわれわれの世界を見られないし、干渉もできないことになる。
この振動仮説に基づけばさまざまな超常現象を無理なく説明できる、と並木は説く。
たとえば非物質化現象と物質化現象。ある人間の振動数が変化して渦の速度が秒速40万キロになったとしよう。そのとき、われわれの世界ではその人間は幻のように消滅する。一方、別世界Aでは逆に人間が忽然と出現する。それが非物質化現象と物質化現象のメカニズムだ、というのである。
たしかに振動仮説を用いれば、時空の一部に歪みが生じて現在と過去が交わるタイム・スリップ現象を容易に説明できる。


天狗、妖怪、異獣などの出現も、それらが異3次元空間からやってくると考えれば納得がいく。聖母マリアや天使出現などの奇跡現象も同様であり、マリアや天使は自在に振動数を変えることができる存在と思われるのだ。
UFOも異3次元空間から飛来しているのかもしれない。幽霊も、われわれの世界と異3次元世界の境目にいて、振動的に曖昧な状態にある存在と説明できる。


特異能力を発揮する超能力者や気功師、霊能力者などは、意図的あるいは偶発的に振動数を変えることができるのであろう。

とまれ、異3次元空間はわれわれが住む3次元空間とは異なる周波数のエネルギー、別の振動レベルによって活動するエネルギーで形成されている。
だが、われわれの世界の一部の周波数が、磁気異常などが原因で起こる固有の振動との共鳴・共振作用によって変わり、たまたま異3次元空間の周波数と同調するとき、ふたつの世界に接点ができるのではなかろうか。
別世界Aが、佐々木教授がいう5次元宇宙なのか、並木がいう異3次元空間なのかはわからないが、ゼロ磁場に両世界を結ぶ接点ができている可能性は高いのである。
参考資料
『「見えないもの」を科学する』(佐々木茂美著/サンマーク出版)、「驚異のゼロポイント・エネルギー」(黒田祐太/「ムー」211号所収)、「超常現象を惹き起こす『ゼロ磁場』とは何か!?」(君島史隆/「ムー」251号所収)、「謎の消滅事件と驚異の異3次元」(並木伸一郎/「ムー」270号所収)、「驚異のゼロ磁場『分杭峠』を行く!!」(有賀訓/「ムー」33号所収)ほか
(月刊ムー 2010年8月号初出)
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