リュウ博士が指南! 「お礼参り」の心得と金運アップの秘訣/強運体質になる神社参拝法

文=八木龍平

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    開運や成功を望む人は、実際にどんな参拝をすればよいのか? すぐに実践できるとっておきの方法をリュウ博士が伝授する!

    コツ1:こまめに「お礼参り」をすれば、さらに成功できる

    気落ちするのも高揚するのもケガレ

    「八木さん、肉ってケガレなんですよ」
     都内の黒毛和牛のお店で上カルビを焼きながら、知人の神職さんがいいました。
     ケガレは「気が枯れること」とよく説明されるので、元気がない状態だと受け取られがちです。なので、元気のないときにこそ神社参拝してパワーをいただこうと考える人も多いでしょう。挫折して気落ちしたときなんて、まさに気が枯れていそうです。
     ところが神職さんいわく、ケガレは、気落ちしたときだけではないと。
    「焼き肉食べてテンション上がるでしょ? これもケガレなんですよ」
     テンションが上がることも下がることも、両方ケガレだと、その神職さんはいうのです。ケガレていない状態はフラットでニュートラル。日本語で表現するならば落ちついた偏りのない状態です。

     神道をひとことでいうと「罪ケガレを祓う道」。祓うことで、落ちついた偏りのない状態であることを目指す哲学であり、行動学なのでしょう。
     したがって、参拝が必要なときは、挫折や失敗などで苦しんでいるときばかりではありません。うまくいっているときも、どうぞご参拝ください。
     お礼参りは「感謝を伝える」ためだけではなく、上がりすぎたテンションを下げ、うまくいった罪悪感を減らします。
     調子のいいときは思い上がらず引き締め、調子の悪いときは前向きに希望を持つ。どちらのときも、ケガレがたまりやすい時期といえます。だからこそ、どちらのときも神仏に参拝して心を整えるのが、成功した人の知恵です。
    神道の考え方では、テンションが上がることも下がることも「ケガレ」とされる。

    神社参拝が意識を変える

     お礼参りのご祈禱・祈願は「神恩感謝」です。神恩報賽(ほうさい)もしくは神恩奉賽と表現する神社もあります。
     水のみそぎで祓える罪ケガレは、心理学実験で確認できているのは「自分の正当化」と「罪悪感」です。人間うまくいったら自分の手柄、失敗したら他人のせいと思いがちです。また逆に、「こんな自分が」と罪悪感を持って、うまくいくことを避ける人もいます。成功してまわりから排除されることを恐れているのです。
     いい調子のときに「お礼参り」して感謝すれば、意識が次のように変換されます。

    ・うまくいったのは自分の手柄→喜びの記憶削除→うまくいった事実だけ残る
    ・うまくいったらまわりから排除→恐れの記憶削除→うまくいった事実だけ残る

     罪ケガレの祓いが起こると、過去の記憶に付随する感情が消えます。ネガティブな感情だけでなくポジティブな感情も消えます。そうすることで、いい調子のときの浮ついた心も、悪い調子のときの気落ちした心も、どちらも削除されます。
     成功という観点に立つと、ポジティブ思考もネガティブ思考も、偏ればどちらも誤りです。事実をありのまま見ることを神仏は助けます。

    コツ2:金運アップを願うなら高級住宅街の社寺へ!

    人間は「損をしたくない!」という気持ちが強い

    「神仏を参拝すると金運が上がる」って本当でしょうか? もし本当だとして、なぜ金運が上がるのか、その理由や仕組みを説明できるでしょうか?
     結論から申し上げると、参拝で金運は上がります。理由は、より合理的にお金の判断ができるようになるからです。
     まず前提として、人間はお金に関して非合理的な行動をする生き物です。これを証明したのが行動経済学者ダニエル・カーネマンの「プロスペクト理論」で、2002年にノーベル経済学賞を受賞しました。
    「プロスペクト」の意味は期待する、予想する、見込むなど。内容をひとことでいうと、「人間は利益獲得よりも損失回避を重視する」という発見です。この理論によれば、「得したい」という気持ちよりも「損をしたくない!」という気持ちのほうが2倍強く、その結果、「非合理的な判断」をします。つまり、損してしまうのです。
     たとえば商売、投資、ギャンブルなどで損失が出そうなとき、人はそれを取り返すためにもっと株を買ったり、当たる確率の低いギャンブルに手を出したりします。結果、損はどんどんふくらみ、大きな損失を招きがちです。もっと早く損切りするのが合理的な判断ですが、できないのが人間心理です。
     逆に利益が出そうな場合、人は早く利益を確定しようとします。もし値上がりした株が長期の利益を見込めるなら、売らずに保有し、さらなる利益を追求しようとするのが合理的な判断です。しかし目の前に利益がぶら下がれば、人はすぐ勝ち逃げします。結果、大きな利益を得られないのですが、目先の利益を取るのが人間心理です。
     人は得すると臆病になり、損するとギャンブラーになる。この感情のまま選択すると、損失はより大きく、利益はより少なくなります。「損したくない」の感情が強すぎると、このように非合理的な選択を招きます。
     この非合理的選択を減らす方法が、水のみそぎで罪ケガレを祓うこと。お金に関する重要な意思決定をするときは、水量豊富な神社参拝や、水を使った作業をするのもおすすめです。
    金運をアップさせたいなら、水の豊富な神社や高級住宅街の社寺を参拝するとよい。

    社寺で「お金に関する達人の知恵やセンス」をダウンロードする

     プロスペクト理論を知ると、たいていの人はお金のセンスがないとご理解いただけるでしょう。だからといってガッカリしたり、ご自身を責めたりする必要はありません。それよりも大事なことは「私のお金に関する判断は当てにならない」と自覚すること。これでお金の失敗はなくなります。
    「お金に関する達人の知恵やセンス」をダウンロードするのにいい場所が、高級住宅街の社寺です。そういう社寺には、お金持ちや大成功を収めている人がよく参拝されています。
     お金持ちのイメージがいい人も悪い人もいるかと思いますが、いい方向に変わります。その結果、お金持ちに学ぶ姿勢ができて、知恵のような形のない精神的なものを社寺で受け取れるようになります。高級住宅街の住民が持つ「お金に関する知恵やセンス」もダウンロードできるのです。
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     次回は、自宅の「気」をよくする方法と、低迷する運気を好転させる方法をお教えします。
    八木龍平氏の新刊『成功するビジネスパーソンは、なぜ忙しくても神社に行くのか?』(PHP研究所/税込み1,705円)。多くの人が知らないビジネスへの神社活用法や著名な経営者らと神社の関係を解説。全国の金運・仕事運を上げる神社も紹介。※本記事はこの書籍をベースにしたものです。

    八木龍平

    神社、人材育成、聞く技術を探究する社会心理学者。北陸先端科学技術大学院大学で博士号Ph.D.取得(知識科学)。「神社」について、科学とスピリチュアルを組み合わせた分析が好評を博し、『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』(サンマーク出版)は27万部超のベストセラーになる。

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