献立から才能まで…本を開けば神託が得られる! 千田歌秋の「ビブリオマンシー」/この占術を見よ!
毎回ひとつの占術を取りあげ、占い師の方が現場でどんなふうに占っているのかを見せていただくコーナー「この占術を見よ!」。第1回は、千田歌秋さんの「ビブリオマンシー(書物占い)」です。
記事を読む
占術や魔術、神智学で用いられるシンボルを解説。今回は、生命の樹とともにキリストを表す魚、「イクテュス」です。
〈イクテュス〉とはギリシア語で「魚」を意味する言葉であり、2本の交差する弧によって構成される魚を模した図形もまた〈イクテュス〉と呼ばれる。この言葉と図形の意味については、かの古代キリスト教最大の教父、聖アウグスティヌスが、その畢生の大著『神の国』において次のように説いている。
「〈イエス・キリスト、神の子、救い主〉を意味する次の5つのギリシア語の単語、ΙΗΣΟΥΣ ΧΡΙΣΤΟΣ ΘΕΟΥ ΥΙΟΣ ΣΩΤΗΡのそれぞれの頭文字を繋げよ、さすればΙΧΘΥΣが得られる。これは〈魚〉のことである。この語によって秘教的な意味でキリストが解される。キリストは、いわば海の深処とでもいうべきこの可死性という深淵の中で、生きて、すなわち罪なくして、存在されたからである」
つまり彼によれば〈イクテュス〉とはキリスト自身であるとともに、またキリストの神秘それ自体を意味する象徴でもあるというのだ。現に初期キリスト教においては、〈イクテュス〉のシンボルは十字架や生命の樹とともにキリストを表す象徴として、また迫害下において信者同士が互いを識別する符号としても用いられた。
一方、分析心理学者C・G・ユングは『変容の象徴』において実に興味深いことを述べている。
「アスタルテ、キュベレーなどと同一視されているアタルガティスの息子はイクテュスという名前だった」
ここで言及される「アタルガティス」とは豊饒を司る古代シリアの大女神で、地母神としての性格が強いが、同時にまた魚との結びつきも深く、しばしば魚の下半身を持つ姿で表される。しかもその息子は「イクテュス」という名前であるというのだ。このことは魚が、大地母神の時代、すなわちキリスト教誕生よりも遙か以前の太古から生命の豊饒の象徴として用いられてきたことを示している。
深層心理学的解釈によれば、魚の住処である「水」は無意識の象徴である。無意識の住人である魚が、人格の深層にある内実、生命を生み出す内なる母と結びついたのも当然といえよう。その古の象徴を、キリスト教は自らのものとして取り込んだ。そのことは、あるいはキリスト教が過去2000年にわたる「魚座の時代」の宗教であったことと関係しているのかもしれない。
ランキング
RANKING
おすすめ記事
PICK UP
関連記事
献立から才能まで…本を開けば神託が得られる! 千田歌秋の「ビブリオマンシー」/この占術を見よ!
毎回ひとつの占術を取りあげ、占い師の方が現場でどんなふうに占っているのかを見せていただくコーナー「この占術を見よ!」。第1回は、千田歌秋さんの「ビブリオマンシー(書物占い)」です。
記事を読む
負のエネルギーを跳ね返す秘策は「明るい変化」! エスパー・小林が「呪いの解き方」を指南
霊能者・小林世征氏が指導する「呪いの解き方」第3回。今回は、自分に向けられたネガティブなエネルギーを跳ね返すための心構えと具体的なアクションについてお伝えする。
記事を読む
2023年・癸卯年の開運招福法! 誠実さと情報収集が決め手/鶴見神社・花谷幸比古宮司に聞く(1)
ムー編集部では例年、大阪市鶴見区の鶴見神社で昇殿参拝をさせていただくと同時に、第42代・花谷幸比古宮司に取材し、新年の動向についてお話をうかがっている。古神道白川流の易学や、中国に伝わる望龍術を修めた
記事を読む
芸人の島田秀平夫妻を神々が祝福! 「木の花オーブ」の奇跡/古川順弘
お笑い芸人・島田秀平しまだしゅうへいさんがパワースポットで撮影した写真に謎のオーブ(霊光)が映っていた。 さて、その正体とは──
記事を読む
おすすめ記事