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生命の発生過程を記した古代の石板「遺伝子ディスク」。オーパーツとして知られるが、その由来が「アトランティス」にあるという説を紹介する。数々の古代遺物を持っていたクレスピ神父との関係とは?
場違いな工芸品=オーパーツ。その時代にそぐわない高度な技術や、知識などが施された謎の遺物を指す。世界各地で様々なオーパーツが発見されているが、南米・コロンビアで発見された「発生学円盤」、通称・遺伝子ディスクもその1つだ。
遺伝子ディスクとは、約6000年前に造られたとされる直径27センチ、重さ約2キロの円盤型の石板である。表面・裏面には奇妙な模様とともに、それを仕切る直線が浮き彫りにされているのだが、これらは人間の成長過程を現した略図なのだという。その表面には、受精した卵子が細胞分裂をはじめ、やがて胎児として成長していく姿が、そして裏面には、染色体と思われるモチーフが細かく刻まれているのだ。
しつこいようだが、これが作られたのは今から約6000年前である。生物学が初めて精子を確認したのは1677年である。これは電子顕微鏡の発明でようやく得た知識が、6000年前の円盤にはすでに刻まれていたことになるのだ。まさにこれこそが、『オーパーツ』と呼ばれる所以であるが、驚くことに遺伝子ディスクの謎はこれだけではない。
まずはその素材である。遺伝子ディスクはスレート石と呼ばれる非常に硬い粘板岩が使用されているのだが、当時の道具や技術では、ここまで細かく加工を施すことは不可能だと言われている。版画のように施された彫刻は繊細で、かつ滑らかであることから、現代の技術をもってしても、かなりの研磨技術が必要とされるそうだ。
また、その出どころについても非常に謎が多い。これまで遺伝子ディスクは、コロンビア人のハイメ・グティエレス・レガ(Jaime Gutierrez Lega)教授によって発見されたと伝えられていたが、最近になって、カルロ・クレスピ神父が保有していたコレクションの1つではないか、という説が浮上しているのだ。
クレスピ神父とは、エクアドル・クエンカの地下に眠る地底都市から出土したという遺物を公開した人物である。クレスピ神父が保有していたコレクションは、古代文字が刻まれた黄金板や、アヌンナキの神々に酷似した彫像などを含め、軽く5万点を超えていたと言われているが、孤児院の設立や、貧困者への衣食配給のため、それらを売却しながら生活していたそうだ。
うさんくさいイメージもあるクレスピ神父だが、その後の調査でエクアドルの地下洞窟からは大量の黄金を含む数々の遺物の他、巨人の壁画や、シュメール文明を思わせる彫像品が数多く発見されている。クレスピ神父は死の間際まで、これらの遺物はアトランティスへ繋がる貴重な証拠だと話していたというが、今なお様々な説が絶えないようだ。
もし、この遺伝子ディスクがクレスピ神父の保有していたものであるとしたら、エクアドルの地下では果たしてどのような文明が栄えていたのだろうか。人類誕生に関する真実がもしかしたらエクアドルの地底都市に隠されているのかもしれない。
(2022年6月13日記事を再掲載)
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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