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北極海には巨大な岩山を中心とした「島」がある! 歴史上、いくども地図に記されたそこは、未踏の楽園か、それとも地球内部への入り口か?
その昔、北極圏に存在していたとされる幻の島「ルペス・ニグラ」。島全体が磁気を帯びた巨大な岩山で、その周りを4つの大陸が囲んでいると伝えられている。その存在については様々な説があるものの、果たしてこれはただの伝説なのだろうか。
北極は海水が凍った厚い氷の塊であり、陸地ではない。これは現代における北極圏の通説である。陸地がないから、もちろん地図には記されない。だが、文献や地図などには、かなり古くから北極圏の陸地が記されており、一説にはアーサー王や、古代ローマ時代にまでさかのぼると言われている。

北極圏にあるという島「ルペス・ニグラ」が初めて歴史上に登場したのは1300年代。ベルギーのJacobus Cnoyen(ヤコブス・クノイエン)という人物が書いた旅行記が最初である。1500年代に入ると、当時最も権威ある地図製作者とされていたメルカトルやアトラス地図などに描かれるようになり、コンパスが北を指す理由として、このルペス・ニグラの存在が多く知られるようになった。
それらによるとルペス・ニグラは、天にまで届くほどの巨大な岩山で、黒く、輝いていたとされる。島の周囲は海水が渦巻いており、凍結しない。その渦はまるで巨大な“じょうご”のように地下へと海水を引き込んでいたそうだ。その流れは非常に強く、急で、それに引き込まれたら最後、船は2度と戻ることはできなかったという。
またルペス・ニグラを取り囲む大陸には「ピグミー」が暮らしていた土地もあるそうだ。ピグミーとは、古代ギリシャ神話にも登場する伝説の小人族「ピグミー」を指すようだが、彼らがルペス・ニグラの番人だったのかもしれない。
現代地図の基礎を作ったのはメルカトルだが、彼のルペス・ニグラ地図には、山脈や河川の他、タタール王国直後のロシア、城や町などもかなり正確に記されている。当時最も精巧な地図製作者とされたメルカトルだけに、勘違いだとしても、ここまで詳細にルペス・ニグラ地図を描くとは考えにくい。

他にも、ルペス・ニグラの存在を裏付ける伝説は数多く残されている。例えば、スウェーデンの漁師・ヤンセン親子が迷い込んだ地底世界「トゥーレ」。彼らは北極圏で嵐に巻き込まれ、滝を滑り落ちるようにして地底内部へと入り込んだとある。地底では非常に高度な文明を持つ巨人族が暮らしており、親子はここでしばらくすごした後、地上へと戻るのだが、彼らが戻った場所は北極ではなく南極だったのだ。
ヤンセン親子の体験談は、地球空洞論を語るうえで非常に重要な意味を持つ。しかし、彼らの描写にはルペス・ニグラと一致する点が多いことから、ルペス・ニグラが北極における地底世界の入り口ではないか、という見方もあるようだ。
北方の大陸には、桃源郷が存在するーー。これは多く文明に共通している伝説である。「アガルタ」、「パラディシャ」、「シャンバラ」など、すべて挙げたらきりがない。他にも古くから世界各地で伝えらえている「世界樹」が、ルペス・ニグラであるという説もある。
天地を繋ぐ場所、としても伝わる北方の大陸。北極の磁軸とされる場所に記された幻の島「ルペス・ニグラ」には、果たして何があったのだろうか。今後も注目していきたいと思う。

遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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